残念ながら、今のところ根本的な治療法はありません。しかし、TNF阻害薬という注射製剤が痛みや炎症に対して強い効果を示すことがわかり、2010年に日本でも強直性脊椎炎に対して保険適応となっています。
強直性脊椎炎の治療は、薬物療法と運動・理学療法が中心です。
定期的な運動・体操は姿勢や背骨の動きを保ち、痛みを和らげて運動機能を促進します。入浴やシャワーで体を温めたり、その後にストレッチを行うことにより関節の動きがよくなります。可能であれば水泳(特に温水プール)が理想的な運動といわれています。背骨を伸ばす運動や深呼吸運動も勧められます。いずれにせよ個人に適した強さの体操や運動を、無理せず継続して行うことが重要です。
薬物療法は、痛みに対して行われます。消炎鎮痛剤である非ステロイド性抗炎症薬がよい効果を示します。痛みをとり、運動や体操ができるようにするのは重要です。最近は胃腸への影響が少ないCOX-2阻害薬と呼ばれる非ステロイド性抗炎症薬がよく使われるようになってきています。脊椎以外の関節炎に対しては、スルファサラジン(商品名アザルフィジンEN)という関節リウマチの治療薬が用いられます。ステロイド薬は主に関節局所への注射薬として使用されます。ステロイドの長期間の内服は、効果に乏しく副作用がみられるため、推奨されていません。この病気は骨が脆くなる骨粗鬆症を伴いやすく、骨粗鬆症に対してはビスフォスフォネート製剤と呼ばれる薬剤がよく使用されます。
非ステロイド性抗炎症薬で効果が不十分な脊椎の症状に対しては、TNF阻害薬の適応があります。
脊椎を動くようにする手術はありませんが、後弯(前屈)変形が強く前を見られなった場合に、脊椎を伸ばして固定する手術が行われることがあります。進行した股関節や膝関節の障害に対しては人工関節置換術が行われ、よい成績をおさめています。 |