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平成23年度日欧リウマチ外科交換派遣医

 

 

9月2日〜9日 オランダ Leiden University Medical Center
10日〜16日 フランス Lille University Hospital
17日〜23日 英国 University of Edinburgh, New Royal Infirmary
24日〜10月2日 スイス Schulthess Klinik

 

Makoto Hirao

国立病院機構大阪南医療センター整形外科 平尾 眞

 この度,2011年度の日欧リウマチ外科交換派遣医制度の交換派遣医 (ERASS travelling fellow)として,東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター整形外科 岩本卓士先生とともに,約1ヵ月間ヨーロッパ(オランダ・フランス・スコットランド・スイス)のリウマチ関節外科関連施設で見学・研修をさせていただきました。日本を出発する前は緊張や不安もありましたが、いざ研修の旅が始まると同行の岩本卓士先生に助けていただきながら非常に楽しく本当に有意義な1か月間を過ごさせていただくことが出来ました。ここに,御世話になりました日本リウマチ財団各位,各地でご指導いただきました各先生方に深謝いたしますとともに,報告記を書かせていただきます。

 

Leiden University Medical Center(ライデン大学,オランダ
 成田からアエロフロート・ロシアン航空にてモスクワを経由し、アムステルダム空港に到着。空港から便利な列車に乗りライデン駅に到着しました。駅に到着する少し手前からLUMCの看板を掲げた巨大な大学病院が目に入り、全く地図の必要もなく病院に到着です。ライデンはアムステルダム同様,風車と運河が印象的であり,朝に運河沿いを散歩するととても気分がよかった事を覚えております。休日にはアムステルダムまで足を延ばし、大学院生のRolence先生がアムステルダムの運河のボートクルーズ(友達も呼んで来てくれて、彼らのボートでした!)をプロデュースしてくれ、新鮮で情緒的でした。また、Sander先生も忙しい中、ご自宅に我々を招待してくれ、奥様のご馳走にあやかりました。生まれて初めて人の家に土足でお邪魔する違和感も貴重な体験です。ライデン大学も非常に広大で歴史のある大学ですが,現在は近代的になっており,その中に少し歴史的な建造物が点在しているという形でした。なんといってもこの大学は基礎研究が活発であり,多くの大学院生にも会い、たくさんのことを教えていただきました。全員が和気藹々とした雰囲気でリサーチに取り組んでおられました。人工関節手術、腫瘍の手術、前足部手術など多くの手術を見学し,Huub先生の足の症例の豊富な外来見学、またNelissen教授の腕神経叢外来の見学もさせていただきました。教授室に飾ってあった絵が印象的で、右膝は通常の人工膝関節、左膝は人工関節の緩みに伴う骨融解に対する遺伝子導入治療をモチーフにしてありました。実際、人工関節の緩みに対する遺伝子治療はphase1の臨床治験は完了しております。Surgeryとbiologyのfusion therapyを暗示する絵であると自分ながらに理解しました。最終日は(N)ERASSの学会がデンハーグで開催されるということで、参加させていただきました。リウマチ内科の先生方や他の施設のリウマチ関節外科医と接点が持てる場であり、有意義な一日でした。変形性関節症に伴う疼痛に対する生物学的製剤の開発の話など興味深い話題もたくさんありました。ようやく時差にも慣れたころに、目まぐるしく過ぎた1週間を振り返りながら、オランダを後にしました。

アムステルダムの運河で。Rolence先生(真ん中)、岩本卓士先生(右から2番目)。右のお二人はRolence先生の友人たち。

Nelissenn教授(真ん中)と大学院生の先生方、レジデントの 先生、岩本卓士先生(一番右)と。歓迎会を開いてくれました。
人工関節の緩みに対する遺伝子導入(肉芽組織の除去)と
セメント充填を組み合わせた治療についてのこれまでの研究成果と治験の結果をまとめた本。
Lille University Hospital(リール大学,フランス)

 Leidenから列車にてベルギーに入り、ブリュッセルからフランスの新幹線TGVに乗り換え、第二の目的地、Lilleに到着しました。HostのFontaine教授がLille・Europe駅のプラットホームで列車の窓越しにやさしい笑みを浮かべて待って下さっていました。黒いスーツにおしゃれな赤いネクタイとともに。そのままリール市内を散策,地ビールの飲み比べをしたり、地元のお菓子屋でお菓子を買って下さって、それを芝生のきれいな公園のベンチで吟味したりしました。夕方からはなんと!ウィーンからErdal Cetin 先生も合流して中世の建物を現在でもrestoreしながらホテルに改築した素晴らしいbrickの建物で乾杯のビールをいただき、北アフリカ料理に舌鼓を打ちました。Erdal Cetin 先生は昨年、欧州からFontaine教授とともに交換派遣医 (ERASS travelling fellow)として2週間日本に滞在されました。次の日も休日のためベルギーのブルージュ(北のベニス)という水の都として有名な街(リールはベルギーとの国境付近にあります)に連れて行って下さいました。リールの街はこじんまりとはしていますが都会です。個人的にはかなり気に入りました。別の日にはご自宅に招いていただき、美味しいワインとたくさんの種類のチーズとともにご馳走になりました。奥様、息子さんも御一緒に温かく迎えていただきました。リール大学は歴史が感じられる広大な大学で,科ごとに建物が分かれていました。整形外科だけで一つの建物、もちろん独立した手術場があります。整形外科全体で一日大体30件の手術が行われているようです。宿泊させていただいたプチホテル風ゲストハウスは大学の敷地内に存在し、庭にはかわいい野うさぎが2匹ほどいました。Fontaine 先生は解剖の教授もしておられ多忙な中、私達のために講義やリウマチ内科の先生、放射線科の先生、細菌学の先生との勉強会,外来見学,もちろん手術見学と盛り沢山な計画を立ててくださいました。コミュニケーション・連携の中で勉強していく重要さを感じました。手術では、関節リウマチ症例での前足部手術や人工肘関節手術(再置換も含め)、CM関節症に対する人工関節手術、手根管症候群に対するscopicな手根管解放術、強度の足関節変形に対する変形矯正・固定術など盛りだくさんの症例を用意して下さいました。前足部の手術では非常に参考になる骨切り術を教えてくださいました。Fontaine教授の直属のアシスタントであるお若いWavreille先生も解剖学出身で、手や肘の症例の手術の見学をさせていただきましたが、無駄のない、迷いのない非常にスピーディな手術で、改めて解剖を熟知する大切さを今更ながらに痛感いたしました。また外来でも興味深い症例をわざわざ集めて下さり,関節リウマチで人工手関節置換術後の患者さんがおられ経過良好であり、日本ではほとんど使用されていないだけに刺激的でした。肩に関してはreversed type を選択されていました。

 充実した1週間はすぐに過ぎ、最終日のディナーには、また奥様と息子さんとご一緒に地元の郷土料理のお店に連れて行ってくださいました。夢のような毎日があっという間に過ぎ、最終日に平原から見えた夕日には感慨深いものがありました。翌日、出発の朝もFontaine教授は朝食用にとクロワッサンを持ってきて下さり、感謝の言葉につまりました。名残惜しい気持ちを持ったまま、二人でリールを後にしました。

大学構内にあるゲストハウス。庭付きです。

人工手関節。非常に患者さんは満足しておられました。

Restoreされたホテルで地ビールで乾杯。Fontaine教授(一番左)、Erdal Cetin先生(真ん中)、岩本卓士先生(一番右)

OPE場で。Fontaine教授(真ん中)、岩本卓士先生(一番左)と。
University of Edinburgh, New Royal Infirmary(エジンバラ,スコットランド)

 Lille・EuropeからEUROSTARに乗りロンドンに入り、そこからEast Coast lineの列車に乗り換え、約7時間かけ第三の地Edinburghに到着いたしました。途中、車窓から見える緑の平原・丘陵地帯、羊や牛たちのいる情景は印象的でした。駅のプラットホームで待っていてくださったColin Howie 先生とご挨拶を交わし、さっそくご自宅のゲストハウスに招かれました。奥様のSallyさんにも優しい笑顔で迎えていただきました。滞在中はずっとこのゲストハウスで過ごさせていただき,その間Sallyさんの心づくしの手料理のおかげでいつも温かみを感じることができました。庭からはヒツジ達がゆったりと草を食む様子が見える,広々とした素敵なお宅でした。休みの日にStirling城やEdunburgh城を初めとする城めぐり、そして湖沿いの素晴らしい歴史あるリゾートホテルなどに連れていっていただき,スコットランドを十二分に満喫することができました。エジンバラ大学は人工肘関節で有名なSouter先生がいらっしゃった所でもあります。多くの手術も見学させていただきました。セメントに徹底的にこだわった人工股関節置換術や再置換術、外反母趾矯正手術、足関節鏡、人工肘関節置換術など盛りだくさんで、外来見学もさせていただいたこともまた貴重な経験でした。患者さんと非常に距離の近いfriendlyな外来で、今回訪れた4か国のなかで唯一看護士さんが外来室につくシステムでした。週の半ばで、リウマチ内科(全く別の建物)の外来見学、そしてリウマチ内科医と病理医達との症例検討会にも参加させていただくことができました。数々の膠原病症例を、筋肉や皮膚生検の結果と照らし合わせ、診断を深めるのです。エジンバラ最後の夜は、hostのColin Howie先生ご自身がカーリングをされ、その日が試合ということで、観戦に出掛けることになりました。やはりテレビで観るより駆け引きの緊張感が伝わってきました。

 翌日、朝の5時過ぎから我々のスイスへの出発のためにご夫妻とも用意して下さり、エジンバラ駅まで送って下さいました。プラットホームまで来て下さり、奥様のSallyさんとハグして感謝の言葉を述べた時は、じんと来ました。軽くライトアップされたエジンバラ城を後に列車でロンドンに向かいました。途中に夜明けを迎え、平原の向こうに見える朝日を見ながら最終目的地チューリヒを目指しました。

全く別の建物にあるリウマチ・膠原病内科診療棟:
The University of Edinburgh Western General Hospital。

Stirling城からの眺め。


カーリング会場

Schulthess Klinik(シューテスクリニック,スイス)

 エジンバラから再度列車でロンドンへ南下し、ロンドン・ヒースロー空港からスイス・チューリヒ空港に到着。便利な列車ですぐにチューリヒ中央駅に到着。いよいよ最後の地チューリヒにやってきました。今回最後の研修施設 シューテスクリニックは非常に近代的でおしゃれでした。ここも建物まるごとが整形外科専門で、大手術室は一つの広大な部屋に間仕切りで4×2で8個の手術場が存在し、それ以外にも2つの小手術室があります。いつでもすべての手術場がフル稼働していました。麻酔導入・入室・セッティング・手術・片づけ・次の症例の準備へと全てがシステマティックに効率よく進んでいました。スタッフ誰一人同じ作業をすることはありませんでした。麻酔科のDr. の言葉で、“This operation theater is similar to TOYOTA factory…” 印象的でした。やはり、一日全体で30件は手術件数があります。HostのDaniel Herren先生は大変御高名なhand surgeonで、日本での御講演も多い先生です。さらに、Stephane Schindele先生、Sebastian Kluge先生もhand surgeonで皆様細やかな心配りと卓越した手術技術をお持ちでいらっしゃいました。今回,同じく御高名なSimmen 先生のreversed shoulder人工関節も見学できましたし,Moro先生の人工肘関節の再置換や上腕骨顆上骨折後の変形治癒に対しての上腕骨回転骨切り術も見学できました。手の外科の手術の横ではHuber先生の足の手術を見学でき、Scarf法を用いた外反母趾矯正手術や3コンポーネントのprosthesisを使用した人工足関節全置換術などを見学できました。ただただ、圧倒されました。その他、肘部管症候群の鏡視下手術・手指人工関節手術・手根管症候群の手術など多岐にわたる手術を見学でき,とても刺激を受けました。最終日には、チューリヒ大学病院のほうに出向き、デユプイトラン拘縮に対する新しい治療法である、クロストリジウム由来のコラゲネースの患部注入の説明・実技の講習会にも参加できました。Daniel Herren先生が丁寧に我々を紹介していただき、ドイツ語ではなく英語でみなさんやりましょうとご提案してくれたので、内容も理解することができました。ここで思ったのが、ドイツやフランス、スイスのDr.、そして製薬会社の方々全て、普段から英語でコミュニケーションしているのか?と錯覚してしまうほど全く不自由なく、自然で流暢な英語で時が流れていきました。地理的条件が違うとはいえ、日本で突如外国の方が来られ、我々にこのような対応ができるか?と思うと溜息が出たのも事実です。最終日はその後、Simmen先生のご自宅(とんでもなく素晴らしく豪邸です)に招いていただき、スタッフやチューリヒ大学の大学院生たち、奥様含めご家族とBBQディナーと会話を楽しませていただきました。

 翌日、日本に帰る前に丸一日FREEであったので、Daniel Herren先生からの御親切なプレゼントで、Top of EUROPEの異名を持つJUNGFRAUJOCHのバスツアーに行ってまいりました。景色・空気とも澄み渡り、もちろん低酸素ではありますが、肺の奥深くまで空気を何回も吸い込み、リセットいたしました。今回の1か月間のヨーロッパの旅の最後にTop of EUROPEに来れたこのタイミングの良さも手伝い、ぐっとくるものがありました。翌日、晴れ晴れとした気分で日本への帰路につきました。

デュプイトラン拘縮に対し、コラゲネースを注入している。

Jungfraujoch: TOP of EUROPE

 今回欧州4か国の施設をまわり、見学・研修して参りましたが、それぞれの国や施設で考え方や方法は違いますが、強い共通点を感じました。端的にいうと、医療の効率の良さ、そして強いポリシーを持ち、突き進んで極めるそのパワー、そして患者さんと医療従事者の明るさです。

 以上,今回の交換派遣医としての体験を述べてきました。御世話になりましたリウマチ財団各位,計画していただいたThomas Pauly 先生,ご多忙中にもかかわらず暖かくもてなしてくださったHostの先生方に深く感謝いたします。そして、同行しいつも助けていただきました岩本卓士先生にも大変感謝申し上げます。この岩本先生と過ごした1ヵ月間のヨーロッパ滞在は,私にとって大変楽しく、有意義であり、生涯忘れることはありません。今回の経験を生かし、今後も診療にあたり、今後の人生に生かしたいと思います。大変ありがとうございました。

 

Takuji Iwamoto

東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター整形外科  岩本 卓士

 この度,2011年度日欧リウマチ外科交換派遣医制度の派遣登録医 (ERASS traveling fellow) として大阪南医療センターの平尾眞先生と共に約1ヵ月間,オランダ,フランス,スコットランド,スイスにて研修する機会を頂き,ヨーロッパにおけるリウマチ外科の現状を学び,数多くの貴重な経験をさせていただきましたのでここに報告させていただきます.

研究と臨床のバランスの取れたオランダLeiden University

 成田空港にて平尾先生と合流し,これからの一ヵ月間に期待と若干の不安を抱きながら向かった最初の地はオランダのLeiden University Medical Centerでした.病院,大学,研究施設の3つの建物からなり,非常に巨大で綺麗な施設でした.まず印象的であったことはMRSA感染に対するチェックが厳重であり,日本での鼻腔,咽頭の検査に加えて到着日にも再度検査を行いました.Prof. Nelissenは大変頭の回転の速い先生で,腕神経叢麻痺外来では多くの病院からの紹介患者を診療されておりました.足の外科専門のDr. Huubにはリウマチ足の外科の外来および手術を見学させていただきました.外来ではDr. Huubが床に座る診療スタイルが印象的で,患者さんはDr. Huubに大変親近感を持っているように感じられました.また骨悪性腫瘍に対する再建手術も多く行われており,Dr. Sanderの貴重な手術に参加させて頂きご自宅までお招きいただきました(写真1).そしてLeiden Universityでは多くの大学院生が基礎研究に励んでおり,肩のbiomechanics,RSA (radio stereographic analysis)による人工関節のmicromotionについての研究を紹介して頂きました.

写真1:Dr. Sander夫妻とご自宅にて

チーズとベルギービールを教えてくれたProf. Fontaine,フランスLille University

 Leidenを出発し次の目的地はフランスのLilleでした.ベルギーとの国境に位置するLilleへは列車を乗り継いでの移動でしたが,私のパスポートをホテルsafety boxに置き忘れるという失態により,同行の平尾先生はもちろん,Lilleまで直々にお迎えに来て下さったProf. Fontaineにまで多大なご迷惑をおかけしてしまいました.Prof. Fontaineはご多忙の中で,私達を毎日食事に連れて行って下さり,中でもご自宅にお招き頂き16種類ものチーズを食べ比べるチーズディナーと,アルコール度の高いベルギービールを教えていただいたことが印象に残っています.

 Prof. Fontaineは整形外科の教授であると同時に,Anatomyの教授でもあり,手術に際しては豊富な解剖学的知識を教えて下さりました.Kudo elbow術後のメタローシスによる再置換術という困難な症例も見学でき,上腕骨後方および尺骨内側を開窓しての抜去および再置換がスムースな流れで進行しました.RA足趾変形の手術では,日本で近年行われている中足骨短縮を取り入れ始めているとのことで,平尾先生が手術に参加され議論しながら行われました.

 また同じく解剖学の専門家でもあるDr. Warveilleの手術も見学させていただき,腕橈関節の人工関節,母指CM人工関節など興味深い手術を綺麗な展開のもとで行われ,自分より若い先生の素晴らしい手術に感動致しました.

 手術見学以外にも,Rheumatologist, Radiologistとのディスカッションや,人工手関節術後の患者さんの外来診療など,私達の興味深いものをこの日のために準備していただき,大変充実した時間を過ごすことができました.

こだわりのセメントTHA,スコットランドEdinburgh University

 フランスLilleから特急列車Eurostarにて国境を越え,ロンドン経由でエジンバラへ向かいました.Mr. Colin Howie (スコットランドでは外科医はDrではなくMrと称されておりました) がお迎え下さり,一週間ご自宅に宿泊させていただきました.奥様のSallyさんには心温まる手料理を毎日頂きました.

 Lothian University Hospitalsでは連日手術見学をさせていただきました(写真2).当施設ではセメントTHAに信念を持っており,全例セメント使用にて行っておりました.セメントの撹拌を開始してから骨表面に充填するまでの時間,圧迫する時間,インプラント設置を行う時間等全てが論理的で洗練されており,日本においてセメントレスを中心として学んできた私には新鮮であり衝撃的でした.股関節へのアプローチについては各医師の好みにより様々でしたが,セメントを使用するという点では見解が一致しておりました.

   手術見学の他にもRA患者さん3名を招いてのリウマチ手診療に関するディスカッションや,Mr. Colin Howieのご趣味であるカーリングの試合観戦など,充実の一週間でした.

写真2:Lothian University Hospitals手術室にて

膨大な手術件数を誇る整形外科専門施設,スイスSchulthess Klinik

 チューリッヒ湖のほとりに佇む大変美しい病院,Schulthess Klinikにて最後の一週間を過ごしました.過去の交換派遣医の先生方も記載されていますが,大きな手術室で4-5列の手術が並行して行われ,一日の手術件数が20-30件にも及ぶ様は圧巻でした.手の外科チームのリーダー Dr. Daniel Herrenが一週間大変親切にして下さりました(写真3).私も手の外科を専門としておりますので,Schulthess Klinikでの内容は期待以上のもので,Dr. Daniel HerrenのFCR, APLを使用したCM関節形成術や,PIPの人工指関節に対する掌側アプローチ,Dr. Schindeleの内視鏡による尺骨神経剥離術等,全てが勉強になりました.また印象的であったことはmedical assistantという女性がおり,事務的な仕事から手術助手まで,各Dr専属で仕事をしていることが驚きでした.また今年の日本リウマチ学会でもご講演されたDr. Simmenには私が見学したかった手術の一つであるReverse Shoulder Arthroplastyを見学させて頂き,手術のコツ,注意点を教えていただきました.

写真3:Schulthess Klinik手の外科グループの先生方と

 こうして長いようで短かった一ヶ月のヨーロッパ滞在を終え,多くの収穫を得て帰国致しました.このプログラムを企画して下さりましたThomas Pauly先生,私どもを暖かく迎えて下さった各施設の先生方,本プログラム参加応募の段階からご相談に乗っていただいた桃原茂樹教授および東京女子医大附属膠原病リウマチ痛風センターの先生方,そして何より海外に不慣れな私を一ヵ月間面倒見て下さった平尾眞先生,この場をお借りまして心より御礼申し上げます.

 

平成22年度報告



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