平成21年度 リウマチの治療とケア研修会
関東・甲信越地区 開催報告
[平成22年1月17日(日)]

医師・コメディカルのためのリウマチ最新治療
後 援:一般社団法人 日本リウマチ学会/社団法人 日本整形外科学会/
社団法人 日本医師会/ 社団法人 日本薬剤師会/全国保健師長会/
社団法人 日本看護協会/社団法人 日本理学療法士協会/
社団法人 全国病院理学療法協会/社団法人 日本作業療法士協会/
社団法人 日本介護福祉士会/社団法人 全国保健センター連合会/
社団法人 全国訪問看護事業協会
開会の辞  
【世話人】
千葉大学医学部 企画情報部 教授
高林 克比己先生

研修会の趣旨と関節リウマチのトータルマネジメント

【日本リウマチ財団リウマチのケア研修委員会委員長】
一番町リウマチクリニック 顧問
山本 純己先生





1.関節リウマチ(RA)患者のマネジメント(管理)の目標
 関節リウマチ患者の治療は図1のごとく、基礎治療法の上に立って、薬物療法、リハビリテーション、手術療法、ケアの4本柱の支えで成り立っているので、治療といわずマネジメントという表現をすることが多い。  では、RA患者のマネジメントの目標は何であるか。疾患によっては、治療目標が傷を治したり、生命を救うことが目的になるものもあるが、RA患者では、治療の主目標は生活の質(QOL)の向上であるといえよう。  QOLは図2に示すよう身体的要素、精神的要素、社会的要素の3つから成り立っていると考えられる。したがってRA患者のマネジメントでは、これら3要素を総合的に判断して、QOLの向上を目指すようにしなければならない。
2.関節リウマチという疾患の特徴
 RAを理解するためには、RA患者の症状のうちで特徴的な2つの主症状を、正確に評価し把握することである。  第1はRA患者の全身の炎症度(または炎症のあばれ具合)を診断評価することである。炎症度は血液検査よりも、むしろ、関節の腫れの程度や痛みの程度の他に、疲労度やこわばりといった全身症状が参考になる。  第2は身体機能の評価で、日常生活動作や動作時の関節の痛みの程度を参考にして評価する。これら炎症のと機能といあった2つの要素の兼ね合いを総合的に評価することが、RA患者の病状を理解するうえで重要となる。
3.RA患者のQOLを向上させるための条件
 RA患者のQOLを向上させるためのマネジメントは、各論的には先に述べたRAマネジメントの4本柱の内容をよく理解し知っていなければならない。それらはRA薬物治療の現状、RAリハビリの手法と特徴、手術の有用性とそのタイミング、初期から行うケアの重要性と他の疾患に対するケアとRA患者の違いなどである。これらのマネジメントの各分野の内容や特を知ることによって、自分達の職種の技倆をどのように生かせるかということを学ぶことができる。RAマネジメントの他分野をよく理解することが、RAマネジメントチームの構成員である医師、看護師、理学療法士、作業療法士、MSW、薬剤師、ヘルパーなど専門職種の方々がチーム力を発揮するために大切なことであろう。  最後に、現在日本リウマチ財団が厚生労働省の指導のもとに推進している災害時におけるリウマチ患者視線事業についても言及したい。

関節リウマチ治療の薬物治療の実際
【座 長】国立病院機構 下志津病院 臨床研究部長
杉山 隆夫先生

【講師】東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター 所長
山中 寿先生








1.治療目的の変化
関節リウマチの診療は過去10年間で大きく進歩し、治療の目的が、患者の臨床症状の改善(短期的QOLの改善:ケアの治療)から、関節破壊の進行抑制、生命予後の改善(長期的QOLの改善:キュアの治療)へと大きく進化した。メトトレキサートや生物学的製剤などが導入され、骨関節破壊を遅延、防止して、RAの自然歴を積極的に変えることが可能になった現在では、治療の目的は短期的QOLの改善に留まらず、10年20年先の長期的QOLの改善や維持に変わりつつある。
2.基本的な治療戦略
基本的な治療戦略は、1)早期診断・早期治療の実践と、2)疾患活動性の十分な抑制である。 RAの関節破壊は原則的に非可逆的である。したがって、このような非可逆的変化が生じる前にRAの早期診断・早期治療の重要性が強調されるようになった。さらにRAの発症後早期であれば、治療の有効性が高く、寛解導入率が高い。早期RAを適切に診断し、適切に治療することが臨床医に課せられた責任である。 次に重要なのは、疾患活動性を十分にコントロールし、寛解に導入することである。RA治療の究極のゴールは関節破壊を予防、コントロールし、機能障害を予防し、痛みを緩和することである。一般的には、寛解が維持できれば骨関節破壊は進行しない。完全寛解が得られなかった場合は、治療のゴールは疾患活動性をコントロールし、疼痛を緩和し、日常生活や仕事上の機能を維持し、QOLを最大限に保つことがゴールになる。 RAには多くのクラスの製剤が用いられるが、各々の薬剤の投与目的を明確にすることが必要である。NSAIDにより患者のQOLを保ちつつ、抗リウマチ薬や生物学的製剤により骨軟骨破壊の進行を抑制して、RAの長期予後を改善させることがRAの基本的な治療戦略である。1.低~中等度疾患活動性で予後不良因子なし:プシラミン、スルファサラジンなど 2.中~高度疾患活動性または予後不良因子あり:上記薬剤で開始後、改善が見られなければ速やかにメトトレキサートに変更ないし追加。 3.メトトレキサートで有効性が得られない場合  a)生物学的製剤(インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリマブ、トシリズマブ)を追加併用  b)タクロリムスを追加併用する 4.メトトレキサートが投与できない場合  a)生物学的製剤のうちエタネルセプト、アダリムマブ、トシリズマブの投与  b)タクロリムスなどの抗リウマチ薬を単独または併用で投与

関節リウマチの治療の手術の実際
【座 長】千葉大学大学院医学研究院 整形外科学 教授
高橋 和久 先生

【講師】東邦大学 医学部 整形外科 教授
勝呂 徹 先生生







関節リウマチ(RA)の関節病変は、進行性、破壊性変化を示し、重度の機能障害をきたし、結果として日常生活動作能の低下をきたす。それ故手術的治療は必要不可欠の治療法である。RAの手術的療法を大きく分けると、関節の手術、骨の手術、腱の手術、神経の手術がある。関節破壊の予防としての滑膜切除術、機能再建としての人工関節置換術がある。今日生物学的製剤の導入により優れた治療効果が得られているが、荷重関節などの障害は進行することが明らかとなりつつある。このことと加齢変化が重なり、経年的に機能障害をもたらす。
 日常生活で障害を来しやすい関節は、股関節と膝関節である。特に膝関節では、重度の屈曲拘縮を来すことが知られており且つ機能面でも自立移動能力の著しい低下を来すことが知られている。また上肢では、食事動作、整容動作、衣服の着脱の改善、排便排尿動作などの動作障害を来すことが知られている。
 手術的治療には、上肢では、滑膜切除術、肘関節、手関節、指関節、腱縫合術、手関節、関節固定術、指関節固定術、人工関節(肩関節、肘関節、指関節)などである。下肢の手術的治療には、股関節、膝関節、足関節、足趾関節がある。
 手術の目的は、痛痛の軽減と筋力の回復、変形の矯正、日常生活への復帰である。上肢では、食事動作、衣服の着脱、排便動作などの動作障害の改善である。下肢では、自立歩行能の改善、履き物の自由などの改善をすることである。
 手術の優先順位は、上肢では、手関節、肘関節、指関節そして肩関節である。一方下肢では、股関節、膝関節、足趾関節そして足関節である。  手術のタイミングは、6ヶ月以上関節の腫張・疼痛が持続している場合、関節の破壊が生じる以前に滑膜切除の適応となる。上肢では、食事動作が自立出来ない場合、手指伸筋腱の皮下断裂および絞扼性神経障害は絶対的適応である。下肢では、自立歩行が出来なくなりつつある時が手術のタイミングである。手術のタイミングは、機能障害が生じつつある場合、手後れにならないように手術を考慮して専門医にコンサルタントするべきでる。一般に遅くなることがほとんどである。
 生物学的製剤使用可での外科的治療
 生物学的製剤の使用でも、しかし無効例の存在、すでに破壊されている関節の機能再建の必要性などが増していることと、周術期の問題点などを考慮し慎重に適応を決定することが求められている。

関節リウマチ治療におけるリハビリテーションの実際
【座長】千葉大学医学部附属病院 リハビリテーション部 部長
村田 淳 先生

【講師】新潟県立リウマチセンター 院長
村澤 章 先生








1.基本的アプローチ
  RAに対するリハの基本的アプローチは、2001年に改訂されたWHO(世界保健機関)のICFの国際生活機能分類に従って、機能障害(impairment)に対して治療的アプローチ、活動(activity)制限に対して適応的アプローチ、参加(participation)制約に対して環境改善アプローチ、その他心理問題に対して心理的アプローチなどがとられる。
2.新RA医療体系のなかでの急性期、慢性期リハ
  早期RA患者は障害が軽度に思われがちであるが、骨関節破壊のスピードは意外と早く、また新しい薬物療法がいかに進歩しても現実的には薬物の効果が得られない患者も存在し、骨関節破壊が進行する場合もありうる。従って早期のリハ介入はRAの予後予測に基づいて、障害が固定する前から行われる必要がある。そのために関節可動域訓練、筋力増強訓練、持久力訓練、疼痛対応の物理療法も重要な早期リハ手段として再確認された。
  一方中期における進行した関節破壊やか変形は抗炎症による疼痛のコントロールの結果、過度な運動や使用によって腱断裂や軟骨破壊の進行など新たな障害(オーバーユーズ症候群)への対応が必要となり、従来とは異なる関節保護法や生活指導が重要な課題となってきた。
  破壊された関節に対する手術療法は人工関節などの開発や改良によって成績が向上しているが、クリニカルパスの導入や後療法としての早期運動療法の確立の影響も大である。薬物療法のみに偏ったRA治療は存在せず、手術療法やリハ医療も念頭に入れたトータルマネジメントが今まで以上に求められる時代に入った。
3.チーム医療と地域連携
  2000年の介護保険の導入により、リハ医療の必要性が急性期ばかりでなく、維持期、慢性期に及び、RA疾患に対しても一層のチーム医療や地域連携の必要性が叫ばれている。
4.今後のRAリハの方向性
①RA治療とリハ医療の融合:新たなラ治療体系の中で内科、整形外科、リハ科の協働が必須となる。
②地域医療連携:具体的リハ手段とともに、どのような社会的支援が必要なのか検証が求められる。
③新たなリハの介入:RAリハ目標が抗炎症による除痛から就労や社会参加へシフトされ、新たな過運動、過負荷による障害に対し関節保護や水中運動、有酸素運動が推奨され、RAに合併した生活習慣病に対して個から集団を対象としたリハ指導が重要となる。

パネルディスカッション 「リウマチ治療のチーム医療を考える」
【座長】国立病院機構 千葉東病院 病態機能研究部 部長
松村 竜太郎先生
リウマチ治療のチーム医療 医師からコメディカルへ
【講師】千葉大学医学部附属病院 アレルギー膠原病科
池田 啓先生








 関節リウマチでは関節滑膜の炎症が持続することにより軟骨、骨、腱等の支持組織の破壊を来たし、非可逆的な関節変形を来たす。全ての慢性疾患に当てはまることであるが、関節リウマチの治療体系も4つの柱より成り立っている。 すなわち生活指導を中心とする基礎療法、薬物療法、手術療法、ならびにリハビリテーションである。これらの治療が刻一刻変化する関節リウマチ患者の状況に応じて効率よく行われる為には多くの専門職種のスタッフの連携が必要である。 治療に関わる主要な職種としては、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、および作業療法士が挙げられるが、社会的調整には医療ソーシャルワーカー、病態評価には臨床検査技師ならびに放射線技師が大きな役割を果たしている。
 薬物療法の進歩は近年目覚ましく、患者のQOLおよび機能予後を劇的に改善させ得るものとなった。その一方抗リウマチ薬の全てが何らかの副作用を有しており、また合併症および副作用予防等で多種類の薬剤の使用を余儀なくされることが多い。 それらの薬剤の服用指導において薬剤師が大きな役割を果たしている。また免疫抑制作用を有する薬剤が多く、感染症の予防および早期治療には医師、看護師の適切な指導ならびに対応が重要である。
 手術療法には炎症滑膜を除去することを目的とするものもあるが、多くは破壊関節の機能回復が目的である。周術期の管理には看護師による適切な指導、対処が非常に重要であり、また術後のリハビリテーションが最終的なADLの回復に大きな役割を果たす。
非可逆的な関節変形、ならびに疼痛/薬剤による筋萎縮による慢性疼痛、機能障害に対してはリハビリテーションが主要な治療となる。主な治療として運動療法、物理療法、装具療法が挙げられる。
 これらの専門家による医療が有機的に結びついて効率良いものとする為にはチーム医療という観念が重要となる。リウマチ診療の場合は問題点によりチームのリーダーとなるべき職種が変わり、臨機応変な対応が望ましい。 チーム医療の計画には充分な患者評価が必要であり、専門職種間の充分な情報交換が必要である。その上での問題点抽出ならびに評価の方法として近年国際生活機能分類、ICF (International Classification of Functioning, Disability and Health)という手法が注目されている。 充分な議論を行うには入院カンファレンスが理想的であるが、外来患者においても同様の評価法を念頭に、可能な限りの情報交換と議論を心掛けたい。
リウマチ治療のチーム医療 看護師の立場から
【講師】国立病院機構 下志津病院 看護師
圓城寺 智恵子先生








 私たち看護師は、患者さまと病気による身体の変化をみる医学的な視点と、同時に病気を抱えた患者様の生活を考える視点を持って関わっています。リウマチという病気は、関節症状だけでなく身体の様々な臓器にも影響を与えます。さらに、痛みのコントロールだけでなく、薬の副作用を予防するために多くの薬を服用されている方が多いのです。そのため、私たち看護師は、どんな些細な身体の変化にも気づける観察力が必要であることは言うまでもありません。近年、リウマチの治療は大きく進歩して、新しい薬が次々と開発されています。いままでは関節の痛みを軽減し、障害を最小限にするための治療でしたが、生物学的製剤の登場で、リウマチという病気の寛解あるいは、治癒を期待できる治療になってきています。同時に、薬の使用に伴い、副作用の出現にも今まで以上に注意していく必要があります。これらのことから私たち看護師は、リウマチ疾患についての知識だけでなく、新しい治療についても十分理解し、治療を安全に継続していくよう努めています。
  しかし、このような治療も、残念ながら病状が進んでしまうと、これらの関節の障害や痛みから解放されることは難しいのです。これらの多く患者さまは、障害の程度は異なっても、24時間、365日休む暇なく、痛みを抱え言葉では言い表せないほどの苦しさや、自由が利かず人の世話にならねばならないことへの情けなさや悔しさ、この先いったいどうなってしまうのかという不安とともに生活をしているのです。ナイチンゲールは、「人の生命はその人の考え方やその人の暮らし方によって大きく影響を受ける。それゆえ、病気から命を守ることは、考え方や、生活を整えることだ。」と説いています。
  リウマチによる痛みや障害によって生じる不安や苦痛は、患者様の生活に大きく影響を及ぼし、患者さまがその人らしく安心して暮らせるように、さまざまな援助をしているのです。
  そして、このような関わりを進めていくと、医師を始め、PT・OT・薬剤師の方々の専門的知識や技術による協力が是非とも必要になるのです。また立場が変われば、違った意見や情報を得ることもあります。そのため、他の医療スタッフと十分にコミュニケーションを図り、情報を共有することも大切です。このような場合、看護師がコーディネーター的役割を果たすことも必要だと考えます。
  リウマチは、おわかり頂いたように、薬剤による副作用や合併症の危険に対する観察や、継続的なリハビリが必要です。患者さまによっては、訪問看護や、在宅での介護が必要な方もいらっしゃいます。そのため、入院時と違って家族を含めた地域の医療・介護チームが必要になってきます。家族や在宅のサポートの方々にも、ぜひともリウマチという疾患について理解してもらい、リウマチ患者さまが安全に、その人らしく生活していけるよう援助していかれたらとよいと思います。
リウマチ治療のチーム医療 理学療法士の立場から
【講師】千葉県千葉リハビリテーションセンター 成人理学療法士
川上 貴弘先生








はじめに
 理学療法士の主たる目的は「生活の質」の向上にある。これはリウマチに対する理学療法にも共通していえることである。本講義ではチーム医療における理学療法の在り方にと当センターで行われている理学療法の実際について述べる。
リウマチの理学療法
 リウマチ治療には外科的治療法・薬物療法・リハビリテーションの3つを相関させながら進めていく必要がある。その中で理学療法士はリハビリテーションの一員を担い、他職種と連携しながら身体機能の改善に努める。理学療法は主に亜急性期~慢性期の患者が対象となる。リウマチ患者に対して行う理学療法の代表的な手法としては物理療法・運動療法・装具療法・日常生活指導がある。物理療法とは主に温熱療法や電気療法を用いて疼痛の緩和や血流改善を促すことを目的とし、運動療法は、筋力増強訓練や関節稼動域訓練・歩行訓練といった身体機能の改善を目的に行われる。装具療法は、歩行機能改善を目的とした足底板治療や膝装具などがよく用いられる。日常生活指導では動作指導や自主トレーニング指導に加え、福祉用具の選定や家屋改修に対するアドバイスを行い、よりよい生活しやすい環境を整えることも重要となる。
当センターにおけるリウマチ患者の理学療法
 当センターでは、整形外科的治療後の理学療法を行うことが多い。対象となる方は、主に人工股関節術(THA)後及び人工膝関節術(TKA)後の患者である。THA、TKAそれぞれクリニカルパスに基づいて理学療法を進める。他職種の進行状況やバリアンス発生状況等、随時確認しながら実施している。その他、リウマチに対する正しい知識を学びADLの低下を予防する目的で、2週間のリウマチ短期教育入院を実施している。その中で理学療法士はリウマチ体操の指導や生活指導に関与していている。
リウマチ治療のチーム医療 作業療法士の立場から
【講師】千葉県千葉リハビリテーションセンター 主任作業療法士
岡 範子先生








 現在、作業療法は、非常に広い領域で行われているが、どの分野でも対象者の主体的な生活の獲得を図ることを目的として、作業活動を用いて治療や援助を行っている。
  関節リウマチに対する作業療法では、主に以下の5点があげられる。(1)身体機能面へのアプローチとして、上肢の関節可動域や、筋力維持のための訓練や指導を行う。(2)手指の変形を予防したり、疼痛を軽減するため、スプリントや装具を作製する。(3)ADLを維持又は拡大するために、自助具を紹介、又は作製すること。(4)関節の変形を予防し、関節破壊の進行を遅らせるための関節保護法を取り入れた日常生活の指導を行う。(5)自宅などの環境整備である。
  当センターを利用される関節リウマチの方の入院目的は、主に下肢の手術療法であり、術後のアプローチは理学療法での歩行訓練が中心となる方が多い。その中で、作業療法では、身体機能訓練やADL評価及び指導を行っている。また、その他に、発症初期の方を対象とした10日間の短期教育入院では、関節保護法を取り入れたADL指導を行っている。
  今回は、これまでに作製した自助具や装具などを紹介しながら、関節リウマチに対する作業療法の実際について述べる。
リウマチのチーム医療を考える ソーシャルワーカーの立場から
【講師】千葉県千葉リハビリテーションセンター 地域連携部相談室 ソーシャルワーカー
森戸 崇行先生








 ソーシャルワーカーが、チームの一員として担う役割は、各医療機関によって異なる面もあるが、患者・家族の方と関わるきっかけとしては、医療・福祉制度の情報提供などが多い。こうした関わりが、単に求められた情報提供をするのではなく、現在直面している課題や中・長期的に課題となりそうなことを捉えながら関わっていることを、チーム内(機関)で共通理解できると、よりよいチーム医療につながると考える。
 ソーシャルワーカーのアプローチは、安心して治療を受けられることや、生活における不安要素の軽減につながることなど、疾患や障害の側面のみならず、生活全般をみていく視点を持つことが求められているし、また、「痛み」などは、周囲の人にわかりにくいものであることをふまえた支援を行うことも大切な点である。
 今回、ソーシャルワーカーが関わる場面として、高額療養費の概要やケアマネージャーなど福祉や介護の立場との連携(つなぐ)などのことにふれながら、本テーマについての考えを述べることとする
ディスカッション

閉会の辞
【世話人】
千葉大学医学部 企画情報部 教授
高林 克日己先生

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