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反応性関節炎
(ライター症候群)

1.反応性関節炎(ライター症候群)とは?(定義)
2.この病気の患者さんはどのくらいいるのですか?(疫学・頻度)
3.この病気はどのような人に多いのですか?(男女比・発症年齢)
4.この病気の原因はわかっているのですか?(病因)
5.この病気は遺伝するのですか?(遺伝)
6.この病気ではどのような症状がおきますか?(症状)
7.診断はどのようにしますか?
    また、どんな検査が必要ですか?(診断・検査)
8.この病気にはどのような治療法がありますか?(治療)
9.この病気の新しい治療法について教えてください。 (新規治療薬)
10.この病気はどのような経過をたどるのですか?(予後)



1.反応性関節炎(ライター症候群)とは?(定義)
 

ライター症候群は、1916年にHans Reiterによって、赤痢罹患後に、関節炎、尿道炎、結膜炎の三徴を示した1症例が報告されました。1981年に米国リウマチ学会が尿道炎、子宮頸管炎、あるいは下痢に関連して1か月以上続く関節炎をライター症候群として紹介し、この疾患名が普及しました。そしてこの疾患は1969年にAhvonenによって提唱された反応性関節炎とほぼ同義語として扱われるようになりました。

1999年の第4回国際反応性関節炎ワークショップで反応性関節炎は「HLA-B27関連脊椎関節症を伴う微生物が関与した関節炎」と定義することが提唱され、その他の感染が関与した関節炎は、「感染症関連関節炎:感染性関節炎以外の感染症に伴うすべての関節炎」と提唱され、これが現在の疾患概念となっています。すなわち、反応性関節炎とは、クラミジア菌、サルモネラ菌、赤痢菌、エルシニア菌、キャンピロバクターなどの微生物感染が先行し、それによって誘発された遷延性の脊椎関節症と定義されます。





2.この病気の患者さんはどのくらいいるのですか?(疫学・頻度)
 

我が国では症例数が少なく実際の正確な患者数はわかっておりません。しかし欧米白人での発症頻度は、人口10万人当たり年間4〜6人と推定されています。しかし、我が国のHLA-B27陽性者は1%以下で、欧米白人の7〜14%に比べてはるかに低いので、欧米と比べてはるかに少ないと考えられています。発症機序により、@尿道炎、子宮頸管炎後に発症する型、A細菌性下痢後に発症する型に分けられています。



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3.この病気はどのような人に多いのですか?(男女比・発症年齢)
 

発症年齢は20歳前後に圧倒的に多いのですが、小児から80歳まであらゆる年齢層に発症します。性差は、5〜6 : 1で圧倒的に男性に多くみられます。




4.この病気の原因はわかっているのですか?(病因)
 

発症に関与する微生物として、クラミジア菌、サルモネラ菌、赤痢菌、エルシニア菌、キャンピロバクターなどがあげられています。関節炎を引き起こす機序は不明ですが、HLA-B27と関連するため、強直性脊椎炎と同様な機序が考えられています。


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5.この病気は遺伝するのですか?(遺伝)
 

正確に遺伝するとは言えません。しかしこの病気にかかっている患者さんはHLA-B27と強い相関関係が認められています。





6.この病気はどのような症状がおきますか?(症状)
 

脊椎関節症、無菌性尿道炎、結膜炎の三主徴を特徴とします。

(1) 脊椎関節症
関節炎は微生物感染後、4〜6週後に発症します。末梢関節炎は膝・足関節などの下肢の関節に多く、単関節炎あるいは少関節炎で、非対称性にみられます。仙腸関節炎は、約20%に発現し、通常は片側性で疼痛は軽い場合が多いとされます。腱付着部炎は約70%に発現し、踵骨周辺に多く、足底腱膜起始部、アキレス腱付着部に好発し、強い痛みを伴います。

(2)非淋菌性尿道炎、子宮頸管炎
軽度の排尿困難・排尿時痛と粘性膿性分泌物を伴います。

(3)結膜炎
結膜の発赤と充血を示し、自覚的には羞明を訴えます。


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7.診断はどのようにしますか?
   また、どんな検査が必要ですか?(診断・検査)
 

確立した診断基準はなく、微生物感染4〜6週後に発症する一過性の脊椎関節症でHLA-B27陽性率が高いことから診断します。

特異的な検査所見はなく、血清リウマトイド因子、抗核抗体は陰性です。HLA-B27は60〜80%で陽性になります。活動性を反映して炎症反応(赤沈、CRP)は亢進します。尿路感染に起因する場合には、尿道分泌物や尿にて細菌培養、PCRによるDNAの同定、血清抗体価測定を行います。また細菌性腸炎に起因する場合には、便の培養を行います。関節液には細菌は証明されません。画像検査では骨X線やシンチグラフィを行います。

 

8.この病気にはどのような治療法がありますか?(治療)
 

細菌感染が契機となり全身性の免疫反応によって発症する疾患なので、関節内には微生物は存在しません。そのため反応性関節炎には抗菌薬は無効です。脊椎関節症には非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉を用います。通常、本症は一過性であり、自然治癒するので一時的に疼痛を緩和するだけで十分なのです。ただし症状が遷延化する例には、サラゾスルファピリジンやメトトレキサートなどの抗リウマチ薬を用います。

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9.この病気の新しい治療法について教えてください。(新規治療薬)
 

上記の治療で改善しない場合は腫瘍壊死因子〈tumor necrosis factor : TNF〉をターゲットとした生物学的製剤(エタネルセプト®、インフリキシマブ®など)が有効です。

 

10.この病気はどのような経過をたどるのですか?(予後)
 

通常は、一過性で自然に治癒しますが、約20%の症例では遷延化・慢性化する脊椎関節症に移行するといわれています。

 

【情報更新日】平成23年11月11日



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