リウマチを知ろう!

リウマチQ&A

検査について

Q.12関節リウマチの検査ではRFやCRP・抗CCP抗体など数種類の項目がありますが、予防・早期発見目的での検査項目はどの項目でしょうか?または組み合わせでしょうか? 人間ドックを比較していた際に医療機関によって違っていたので疑問に思いました。

関節リウマチの20‐30%ではリウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体が陰性となります。また、指などの小関節の関節炎ではCRPがあまり上昇しないことがあります。これらの検査は、関節痛やこわばり、関節の腫れなどの関節症状があった場合に測定して診断のために用います。特に関節炎(関節の腫れと痛み)があって抗CCP抗体が陽性の場合には関節リウマチの可能性がかなり高くなります。関節超音波やMRIも早期診断に役立ちます。予防についてですが、禁煙や歯周病の治療などはリウマチの発病予防に役立つ可能性はありますが、残念ながらはっきりとした予防法はありません。

(令和5年6月更新)

Q.11通院のたびに血液検査と尿検査があります。尿検査は毎回必要なのでしょうか?

どのような病気なのか、どのような薬剤を使用しているかで検査する頻度は異なります。主治医の先生にお伺いください。

(令和4年12月更新)

Q.10関節リウマチ診察時、当日の血液検査結果がわかる医院と、前回の検査結果しか分からない医院があると思いますが、当日の検査結果は重要ではないのでしょうか? 病状によって異なるとは思いますが、当日に結果がわからなくても問題はないのでしょうか?

結果が当日わかるのは大病院など施設内に測定する検査機器が揃っているからです。特殊な検査などはどの病院も他の研究施設に運ぶことになるので、すべての検査結果がわかる施設はないと思います。もちろん診察にあたり検査結果は新しいものがあった方がよいでしょう。治療薬開始後などは当日に血液検査結果がわかれば、より安心かと思いますし、その日の関節リウマチの状態(疾患活動性)もより正確に把握できると思います。但し、実際には後日の結果でも診療に大きな支障をきたすことは少ないため、ご推察の通り、施設の設備上、結果は後日ということも少なくないと思います。 
(令和4年8月更新)

Q.9これまで整形外科では3ヶ月か半年での血液検査でしたが、リウマチ専門医に通うようになり、毎月毎月のように血液検査があります。症状は寛解状態でとても元気です。骨の破損変形ありません。関節リウマチ治療を早期に始め10年以上MTXでコントロールできています。 血液の頻度は毎月必要なのでしょうか?

定期的な血液検査は必要ですが、必ずしも毎月必要とは限りません。
主治医の先生とご相談ください。
(令和3年12月更新)

Q.81ヶ月前から朝の肩こりと手の指の強張りが激しかったため、最寄りの膠原病・リウマチ内科にかかりました。 血液検査の結果、リウマチではないとの診断でしたが、抗CCP抗体の検査がありませんでした。更年期によくある症状とのことで、漢方薬を処方され飲み始めたところ、朝の手の強張りは軽くなりました。 抗CCP抗体の検査は必須と考えてよろしいでしょうか。

リウマトイド因子(RF)、抗CCP抗体がいずれも陰性でもリウマチの場合がありますので、まずは症状が大事です。RFが陰性で、抗CCP抗体が陽性のリウマチ患者さんの割合は高くありませんが、手や指などの関節に腫れや、痛みが持続しているようであれば、抗CCP抗体を測定したほうがよいと思います。症状がよくなっているようなら、とくに測定の必要はなく、もし今後、関節症状があったときに測定を依頼することで宜しいかと思います。

(令和3年12月更新)

Q.7ここ10年ほど、ときどき関節が痛むので、そのつど検査をしてきましたが、「リウマトイド因子(RF)の数値は高いが治療はまだ必要ない」との診断でした。現在も冬場に関節がたまに痛むくらいで、腫れや炎症はありません。 最近の検査ではRFが102で陽性、抗CCP抗体が、29.7で陽性、CRP0.28、抗核抗体が40でしたが、主治医より「現在即治療の必要はない。様子をみましょう」といわれ安心しています。しかし、これからも関節リウマチになりませんか。

リウマトイド因子(RF)、抗CCP抗体が確実に陽性であり、すでに関節症状が出ていますので、関節リウマチの可能性が高いと思われます。積極的な治療が必要かどうかは、関節痛を認める関節に滑膜性の関節炎があるかによりますので、関節の超音波検査(エコー検査)やMRI検査による評価が必要でしょう。

関節リウマチは、早期であればあるほど、治療効果が十分に期待できます。

(平成29年12月更新)

Q.6人間ドッグを受けたところリウマトイド因子(RF)の数値が高かったため、リウマチの専門医を受診しました。血液検査をし、RF133、抗CCP抗体48.1、MMP-3 13.1、赤沈1時間値8でした。今後発症する可能性はあるが、現在関節痛などの症状がないため、定期的に血液検査をして経過観察することになりました。 血液検査のみしかしてませんが、ほかの検査は必要ないでしょうか?このまま経過観察でいいでしょうか?

健診でリウマトイド因子(RF)が陽性となり相談に来る人は少なくありません。関節リウマチの診断は、血液検査だけではできません。

実際に自覚症状があるかどうかが重要になります。赤沈、CRPといった炎症反応検査の動きがなく、自覚症状がまったくなければ、他の検査は必要ないと思われます。

もし一部の関節が腫れたり、痛い関節があるのであれば、血液検査よりも鋭敏といわれている関節の超音波検査(エコー検査)やMRI検査が行うことができます。また、シェーグレン症候群など、ほかの疾患がないかについても確認する必要があります。

(平成29年5月/平成29年12月更新)

Q.5皮膚筋炎/多発性筋炎は筋生検や筋電図は確定診断には必須なのでしょうか?

皮膚筋炎/多発性筋炎は臨床症状や複数の検査所見を元に総合的に判断し診断します。検査としては、筋肉が炎症でダメージを受けた際に血液中に流出するクレアチンキナーゼやアルドラーゼの量を血液検査で調べます。また、筋炎の患者さんの20%程度に陽性となる抗Jo-1抗体という自己抗体の有無も血液検査で調べます。

その他に、筋力低下の原因が筋肉の障害なのか神経の障害なのかを区別するための針筋電図や、筋炎の拡がりを把握するためにMRI検査を施行しますが、これで筋炎の確定診断には至りません。診断確定には筋生検を行います。筋生検は、患者の同意がなければできませんが、筋ジストロフィーや糖原病などの他の筋疾患との鑑別診断のために重要です。(平成26年8月)

Q.42年前、産後に手の腫れがあリ、リウマチの検査をしました。RAは陽性、CCPは陰性と診断されました。その後手の腫れも収まりましたが、定期的に検査を勧められていたこともあり、今年RA検査をしました。RAは数値が20台から40台に上がっていました。痛みや腫れはないため様子見となりましたが、CCP検査は定期的に行う必要はありますか。

ご質問のなかのRAというのはリウマトイド因子(通称リウマチ因子、専門的にはRFと記載されます)のこと、CCP検査は抗CCP抗体のことだと思いますので、その観点から回答します。
RFという検査は、一般に関節リウマチの患者の70%〜80%で陽性となる一方で、関節リウマチではない人が陽性になることが20%くらいあります。つまり、質問者の様に、何の症状もない健常者でも陽性となることがときどきあります。
一方抗CCP抗体は関節リウマチ患者さんの約80%で陽性、関節リウマチではない患者さんでは90%以上が陰性で、より正確な検査とされています。
したがって、関節リウマチかどうかを判断する場合は、従来のRFより抗CCP抗体のほうが、少しですが優れている検査といえます。ただし、抗体が陽性であるというだけでは、治療はしません。実際には関節の腫れや痛みなどの症状が出てから医療機関を受診してRFや抗CCP抗体などの検査を受ければ十分だと思いますし、定期的に抗CCP抗体を測定する必要はありません。(平成24年2月/平成29年12月更新)

Q.3左手中指の第2関節の痛みがひどくなってきたので、採血、レントゲンをしました。結果、レントゲンは異常なし、CRP 0.1未満、MMP-3 22.9、RF3で、全て陰性でした。 関節痛はありますが、主治医より腫れはないといわれました。見た目は腫れてないのですが、手首も痛く、むくみがあるので、自分では腫れてるように感じます。 関節リウマチでも血液検査に出ないこともあるようですので、今後1か月毎に採血するようにいわれましたが、毎月必要でしょうか?またこのような結果でも関節リウマチの可能性はあるのでしょうか?

関節リウマチのはじまりはご質問者のような症状のこともあります。できるだけ早期に正確に関節リウマチを診断し、積極的な関節リウマチ治療を行うことが、関節の破壊・変形予防にきわめて重要です。そのような意味からも、ごく早期の関節リウマチの可能性も十分にあります。

したがって、症状のある関節の超音波検査(エコー検査)やMRI検査で早期の関節炎を検出する必要がありますし、血液検査でも抗CCP抗体のような早期の関節リウマチに有用な検査があります。また、血液検査で異常がなくても超音波検査やMRI検査で診断できる場合もあります。

このような点からも、症状が続くのであればもう少し検査をしたほうがよいかもしれません。リウマチの専門医、日本リウマチ財団登録医などのもとで定期的経過観察を行てください。(平成23年7月/平成29年12月更新)

Q.2腫れもあり、時間差で次々に左右対称に痛みが出てきており、リウマトイド因子(RF)が陽性でCRP3.7ですが、レントゲンでは変形は認められず、鎮痛剤を処方してもらってます。こわばりや安静時痛もありますが、関節リウマチとは確定できないようです。 発症初期に治療したいのですが、初期とはどれくらいの期間までなのでしょうか? また、この関節痛は、MRI検査やCT検査で別の病因である可能性もでてきますか? CRP3.7は高いのですか? (平成29年12月更新)

C反応性蛋白(CRP)の3.7は、基準値0.3とした場合、中くらいに高い値だと思います。レントゲンで変化がないとのことですが、リウマトイド因子(RF)が陽性であることと症状を合わせてみますと、発症早期関節リウマチである可能性は高いように思います。

日本リウマチ学会や欧米のリウマチ学会の治療ガイドラインでは、関節リウマチと診断されてから3か月以内に薬(抗リウマチ薬;DMARDs)による治療を開始するよう勧めています。

関節の超音波検査(エコー検査)やMRI検査で別の原因がわかることもあれば、まだ気がついていない骨びらんや骨浮腫といったこれから進行するであろう病巣をみつけることができますので、なるべく早く診断を確定することが重要かと思います。

(平成29年12月更新)

Q.1人間ドックの検査結果で、リウマトイド因子(RF)が陽性とありました。 経過観察との結果ですが、家族が関節リウマチでしたので遺伝的要素もあるのではと気にしています。

リウマトイド因子(RF、RAテストと書くものもある)は関節リウマチ患者さんの70~80%で陽性となりますが、これが陽性だからといって関節リウマチを発症しているとか、これから必ず関節リウマチになるとかいうことではありません。シェーグレン症候群や全身性エリテマトーデス(SLE)などの他の膠原病の患者さんでも30%以上が陽性となりますし、実は年齢によっても異なりますが、20%くらいの健康な人でも陽性となることがあります。

したがって、それが病的な意味をもっているのかどうかは、症状や他の検査所見を参考に判断する必要があります。家族が、関節リウマチであったとのことですから、一応、専門医を受診され、詳しい検査を受けられたら良いと思います。

(平成29年12月更新)