リウマチを知ろう!

関節リウマチの合併症(治療による合併症を含む)

悪性腫瘍

悪性腫瘍の頻度

悪性腫瘍(がん)は日本人において非常に一般的な疾患です。特に65歳以上では、発症リスクが大幅に増加します。最新の統計によると、65歳以上の男女で最も多くみられる悪性腫瘍は以下のとおりです。

男性:肺がん、胃がん、大腸がん、前立腺がんが主な悪性腫瘍です。

女性:大腸がん、乳がん、肺がんが主な悪性腫瘍として知られています。

 

悪性腫瘍のスクリーニング検査

悪性腫瘍は早期発見・早期治療が非常に重要です。定期的にスクリーニング検査を受けることで、がんの早期発見が可能になり、治療の選択肢が広がります。一般的に推奨されるスクリーニング検査は以下の通りです。

大腸がん:便潜血検査、内視鏡検査

胃がん:胃内視鏡検査

肺がん:低線量CT

乳がん(女性):マンモグラフィー、超音波検査

 

日常生活で気をつけるべきこと

がん予防には、日常生活の改善が重要です。次のことを心がけることで、悪性腫瘍のリスクを下げることができます。

禁煙:特に肺がんや咽頭がんのリスクを大幅に低減します。

適度な運動:体を動かすことは、全身の健康を保つために重要です。

バランスの取れた食事:加工食品や高脂肪の食品を控え、新鮮な野菜や果物を積極的に摂取しましょう。

適正体重の維持:肥満はがんリスクを高めるため、適正体重を維持することが大切です。

 

関節リウマチ患者さんにおける悪性腫瘍リスク

関節リウマチ患者さんは、特に免疫抑制剤や生物学的製剤、JAK阻害薬を長期間使用している場合、特定の悪性腫瘍のリスクが増加するとされています。

悪性リンパ腫:関節リウマチ患者さんにおいて、特にリンパ系の悪性腫瘍である悪性リンパ腫のリスクが増加することが報告されています。メトトレキサートを服用している患者さんでは特に注意が必要で定期的な血液検査などを受けるべきです(メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患の項目をご覧ください)。

間質性肺炎と肺がんの合併:関節リウマチ患者さんでは、間質性肺炎を合併している場合、肺がんのリスクが高くなります。特に間質性肺炎が進行している場合には、定期的な肺のチェックが重要です。早期発見のため、定期的な胸部CT検査などのスクリーニングが推奨されます。

 

年齢相応のスクリーニング検査の重要性

がんの早期発見は予後に大きく影響します。特に関節リウマチ患者さんは、年齢やリスクに応じたスクリーニング検査を毎年受けることが強く推奨されます。定期的な健康チェックにより、がんの早期発見を目指し、必要に応じて迅速な治療が可能になります。

 

【情報更新】令和6年10月