リウマチを知ろう!

関節リウマチの合併症(治療による合併症を含む)

帯状疱疹

 帯状疱疹とは?

帯状疱疹は、かつて水ぼうそうに感染した際に体内に潜んでいた水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活性化することにより発症します。ウイルスは末梢神経に潜伏しており、免疫力の低下や加齢などが原因で再び活発になり、痛みを伴う皮疹を引き起こします。この皮疹は神経の走行に沿って帯状に現れることが特徴で、皮疹が治まった後も神経痛(帯状疱疹後神経痛)が残ることがあります。帯状疱疹は頭部から足までいずれの場所でも起こる可能性があります。眼、耳、口や顔面神経、陰部などに起こることもあります。

 

帯状疱疹の頻度と変化

日本では、帯状疱疹の発症は比較的一般的であり、年齢を重ねるにつれてリスクが高まります。過去20年間で、特に高齢者や免疫機能が低下している患者さんにおいて、その発症頻度が増加しています。関節リウマチ患者さんでは、免疫抑制剤や生物学的製剤を使用していることから、帯状疱疹のリスクがさらに高まる傾向にあります。帯状疱疹は何度もかかることがあり、一度かかったことのある人はよりかかりやすいとされています。身体に出現する部位は毎回異なります。

 

発症の危険因子

年齢:加齢は帯状疱疹のリスク要因です。特に50歳以上の方においてリスクが高まります。

性別:女性は男性よりもやや高いリスクを持っているとされています。

抗リウマチ薬:特に免疫系に影響を与える薬剤、たとえば生物学的製剤など、特にJAK阻害薬の使用は、帯状疱疹のリスクを高めます。

生活習慣:寝不足や過度なストレスは免疫力を低下させ、帯状疱疹発症の一因となることがあります。

 

リスクを下げるためには

規則正しい生活:十分な睡眠を取り、ストレスを溜めないことが重要です。栄養バランスの取れた食事や適度な運動も免疫力を維持するために有効です。

ワクチン接種:シングリックスなどの帯状疱疹予防ワクチンは、発症リスクを大幅に低下させる効果があります。50歳以上の方や免疫抑制薬を使用している方に特に推奨されます。関節リウマチ患者で免疫抑制薬を使用されている方には生ワクチン(ビケン)は使用できません。

 

早期治療の重要性

帯状疱疹にかかった場合、直ちに抗ウイルス薬を開始することで、症状の軽減や帯状疱疹後神経痛などの後遺症を最小限に抑えることができます。帯状疱疹を疑うような皮疹や痛みが出た場合は、速やかに医師に相談しましょう。

 

【情報更新】令和6年10月