関節リウマチの合併症(治療による合併症を含む)
間質性肺炎
間質性肺炎とは
間質性肺炎とは、一般的な細菌などによる肺炎と異なり、肺の構造そのものに炎症などを起こしている肺の状態を指します。細菌性肺炎は器(うつわ)の中で起きている病気、間質性肺炎は器自体の病気と例えられます。間質性肺炎は単独のこともありますが、膠原病に伴って起こることがあります。
関節リウマチでは患者さんの10%程度に間質性肺炎がみられるとされています。高齢者、男性、喫煙者、リウマトイド因子や抗CCP抗体高値の関節リウマチ患者さんで間質性肺炎がみられることが多いとされています。
間質性肺炎はリウマチ自体によって起きるほか、メトトレキサートやレフルノミドなどのリウマチ治療薬による薬剤性の間質性肺炎がみられることがあります。また、ニューモシスチス肺炎などの感染症や他の膠原病の合併なども間質性肺炎の原因となるため、間質性肺炎がみられた場合には、これらの可能性がないか検討が行われます。
症状
症状としては、咳や息切れがみられ、また関節リウマチでは気管支炎などの合併も多いため痰を伴うこともあります。症状の程度は様々で、慢性に経過するものでは自覚症状があまりない場合もあります。
診断
診断には胸部レントゲン検査のほか、肺の状態がよくわかる胸部CT検査が有用です。また肺の機能を調べる呼吸機能検査が行われます。これらの検査は間質性肺炎の経過をみるためにも用いられます。
治療
間質性肺炎は、慢性に経過するもの、比較的急性あるいは急性に経過するものがあります。慢性の場合は経過を観察するだけの場合も少なくありませんが、線維化という状態の進行がある場合には抗線維化薬が投与されることがあります。急性の間質性肺炎に対してはグルココルチコイド(副腎皮質ステロイド)などによる治療が行われます。
【情報掲載】令和6年9月