リウマチを知ろう!
関節リウマチの合併症(治療による合併症を含む)
腎障害
関節リウマチに合併する腎障害は、以下のようです。
① アミロイドーシス
アミロイドーシスには何種類かありますが、関節リウマチでおこるものはAAアミロイドーシスと呼ばれます。長期間関節リウマチのコントロールが不十分である場合、炎症性のアミロイドA蛋白が過剰に産生され、腎臓に沈着することで引き起こされます。腎障害以外にも、慢性の下痢などの消化器症状、心不全、神経症状をおこすこともあります。蛋白尿が出現し、進行すると腎機能が低下します。治療には、アミロイドA蛋白の産生を抑えるためにIL-6遮断薬を用います。
② 薬剤性腎障害
消炎鎮痛剤や抗リウマチ薬 (ブシラミン、イグラチモド、タクロリムス、金製剤)により生じることがあります。疑わしい場合は、中止し経過をみます。ブシラミンなどでは蛋白尿が出現しますが、多くの薬剤の場合は通常の尿検査では検出できず、腎臓から尿へ排出される血清クレアチニンの上昇などによって障害があることを診断します。
また、腎障害時に使用を注意する薬剤は、消炎鎮痛剤、タクロリムス、イグラチモド、メトトレキサートです。腎機能は、血液検査の尿素窒素(BUN)値、クレアチニン(Cr)値、シスタチンC値、年齢、性別、体重から算出されます。そして腎機能の低下の程度から使用する薬剤量を計算します。
【情報掲載】令和6年8月