リウマチを知ろう!

リウマチQ&A

食事について

Q.12免疫をあげたいと思っていますが、何が良いか分かりません。

免疫とは体を守るために様々な要素で出来上がっている極めて複雑な仕組みです。リウマチは免疫の一部が異常で過剰に反応している状態です。ですから免疫をさらにあげるということはリウマチを悪くしかねません。また健康薬品や食品で免疫力が低下している病気を治すほどに免疫全体を上げることが証明されているものはありません。
(令和5年6月更新)

Q.11免疫抑制剤を飲んでいますが、免疫ケアの食品や免疫力をあげる食品などはとっても問題ありませんか?

免疫全体を強化し自己免疫疾患を悪化させると考えられる食品、サプリはありません。逆に高価な食料品やサプリの効果も明確には証明されていません。自分にあったものが見つかった場合は、継続することが問題になることは少ないですが、薬よりも安心で効果があるとも認められていないことも考慮して利用してください。また必ず主治医にご相談ください。
(令和5年2月更新)

Q.10黒烏龍茶やコーヒーを飲むと、リウマチの薬の効き目が減退もしくは症状が悪くなりますか?

ウーロン茶やコーヒーが抗リウマチ薬の効果に直接影響するということは知られていません。烏龍茶にも20 mg/dL程度のカフェインが含まれるとのことです。メトトレキサート(MTX)が嘔気などで服用できない場合には、適度なカフェインの併用によって服用が可能となる、という報告はあります。このように適度なカフェインの摂取はむしろ良いこともあるようです。ただし1日2L以上というような過剰摂取は逆に問題を起こします。

(令和3年3月更新)

Q.9白砂糖や白砂糖を使ったお菓子が関節リウマチに良くないと聞きましたが、極力摂らない方が良いのでしょうか。また、添加物を極力摂らない方が良いとも聞きましたが、添加物に対してどの程度気をつければ良いのでしょうか。

砂糖につきまして、特に関節リウマチによくないということはありません。ただ、甘いものばかりはでは栄養も偏りよくないので、バランスの良い食事を心がけてください。また、添加物についても通常の食品であれば問題ないかと思いますが、もし具体的に何かあるようでしたら、主治医の先生にご相談いただければと思います。

(令和3年8月更新)

Q.8最近、関節リウマチと診断され治療を開始したところです。現在メトトレキサート8mgとステロイド5mgを服用しています。痛みのある時はセレコキシブも服用します。 カフェインがよくないような事を聞いたのですが、コーヒーやコーラなどは控えた方がいいですか?また、オレンジジュースやグレープフルーツジュースなど飲み物で気をつけた方がいいものはありますか?

グレープフルーツなどは、フラノクマリンという成分を含んでおり、一部の薬剤の濃度を上げることが知られています。リウマチで使用する薬剤ではタクロリムスが該当しますが、現在服用されているメトトレキサートやステロイドには影響はありません。逆にカフェインはメトトレキサートの効果を減弱する可能性が指摘されています。過剰なカフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶、チョコレートなど)の服用は、メトトレキサートの効果を減らしてリウマチ が悪くなる、という可能性もありますので、過剰摂取は控えましょう。

(令和3年1月更新)

Q.7最近商品として発売された『プラズマ乳酸菌飲料』ですが、各免疫細胞の司令塔を活性化させる働き、とのこと。自販機でも販売されていますが、自己免疫疾患の患者にとっては有益なものでしょうか?逆に有害なものでしょうか?メーカーに問い合わせたら『あくまで健常者の方を対象に安全性等の試験は行われており疾患のある方への影響は検査されていない』との回答でした。

一般的にプラズマ乳酸菌は、体内のプラズマ様樹状細胞(pDC)を活性化し、特にウイルスと戦うために免疫細胞を活性化する方向に働くという報告があります。しかしながら、関節リウマチは自己免疫疾患ですので、自己に対する免疫が必要以上に活性化すると、関節を破壊する方向へ進んでしまいます。最近のpDCと関節リウマチに関する研究論文で、pDCを活性化する物質は、その種類によって、免疫を活性化して炎症を増強するものあれば、炎症を抑制するの方向に働くものもある、と報告されています。プラズマ乳酸菌飲料を飲むことで、炎症の増強、抑制のどちらに働くのか、それによる影響や程度も明らかになっていないため、飲んで良いか、悪いかの判断は困難です。どうしても飲むことを希望される場合は、医師に相談し、症状や病態の程度に注意しながら用いる必要があると考えます。(令和2年6月更新)

Q.660歳代の母が3年ほど前から関節リウマチの診断を受け、現在はメトトレキサートを服用中です。母の友人から、プロポリスが関節リウマチに効果があるかもしれないと勧められました。併用してもよいものでしょうか?

かつて関節リウマチの治療が十分に満足できる状況でなかった時代、一部の患者さんはさまざまなサプリメントや民間療法を自己判断で行なっていました。しかし、現在は関節リウマチの治療は大きく変化し、確実に病気を抑えたり、止めたり、あるいは発病早期では治すことも可能となりました。したがって、プロポリスなどを含めたサプリメントや民間療法は、たとえ効果があったとしても最近の治療薬の効果とは比べものにならないほどわずかですので、併用する意味はほとんどないといってよいでしょう。

逆に、サプリメントや健康食品類にビタミンのひとつである葉酸が多く含まれている場合(青汁や海藻類など)は、メトトレキサートの効果を減弱させ、せっかく安定していた関節リウマチを悪化させることもあります。サプリメントや健康食品類を併用する場合は、担当医と相談しながら、慎重に対応してください。 (平成24年12月/平成29年12月更新)

Q.5私は偽痛風ではないかと診断されました。偽痛風はピロリン酸カルシウムの沈着が原因とのことです。一方私はサプリメントとしてカルシウムを1日当り 224mgを摂取しております。偽痛風の原因は不明で、体質の可能性もあるとのことですが、過剰なカルシウムが一因となっている可能性を考えて、カルシウムの摂取を中止した方が良いでしょうか?

偽痛風はピロリン酸カルシウム(CPPD)が関節腔内に形成されて、痛風と同様に結晶誘発性関節炎をきたします、CPPD結晶は偽痛風の患者さんではかなり広範な部位に沈着しています。確かに加齢によるカルシウム代謝の異常がCPPD結晶の沈着をきたすとされていますが、カルシウムの過剰摂取が明らかに偽痛風を増やすとの成績はありません。したがって、記載されているようなカルシウム摂取量は特に多いものでなく、摂取は問題ないと考えてよいと思います。ただ、日本人に必要なカルシウム摂取量(第6次改定日本人の栄養所要量では60歳代男性では、目標量750mg/日、目安量600mg/日、上限量2,300mg/日)を越えた過剰なカルシウムの摂取は他の問題も生じますので注意が必要でしょう。(平成23年5月)

Q.4テレビ番組で赤ちゃん用ミルクが関節リウマチによいと放送されたのですが、どうでしょうか?

関節リウマチに対する食事療法で人工乳の効果についての御質問ですが、明確な治療効果を有する食物はないと思われます。動物実験において人工乳に含まれる脂肪酸の有効性を示す報告がありますが、否定的な報告もあり、明らかではありません。

Q.3クロレラは関節リウマチ治療に効果あるのでしょうか?

クロレラが関節リウマチの治療として有効であるというエビデンス(証拠)はありません。「効いた」という一部の報告のみでは信頼性はありません。またクロレラとともに葉酸が大量に入るとメトトレキサートの効果を弱めてしまう可能性があります。

Q.2乳酸球菌EC-12菌を使用しているBH504というものは、もともと人の体内にある有効成分を抽出・培養した自然食品で副作用は全くないそうで医療現場での長い使用実績があり安心できる乳酸球菌食品だそうですが関節リウマチの治療に効き目があるのでしょうか?

残念ながら、ご指摘の健康食品に関する情報が有りませんのでお答えいたしかねます。しかし、明らかに関節リウマチに対して高い効果を有する健康食品は無いように思います。内容を確認した上で主治医の先生にご相談ください。

Q.1食べるもので気をつけるものはありますか? 穀物や大豆をよく摂取します。影響はありますか?

関節リウマチをはじめとする膠原病の原因(きっかけとなるもの)はまだ不明であるため、どうしたら予防できるのか、食べ物など生活で注意すべきものはあるか、現段階ではっきりお答えできるものはありません。しかし、一般には関節リウマチになることと食べ物との関係が問題にはなっていません。特に食べてはいけないものもありませんし、穀物(炭水化物)や大豆(植物性蛋白質)も関節リウマチに対する特別な影響はないとないと思われます。

ただ、副腎皮質ステロイドを服用されている患者さんは、肥満傾向、糖尿病の傾向、コレステロールの上昇などが起こりやすいので、過食や脂肪分の多いものは勧めません。また、葉酸が多く含まれる青汁や緑黄色野菜、海藻などを大量に食べると、メトトレキサートの効果を減弱させることもあります。

一方、関節リウマチがよくなるという食べ物は、全部といっていいほど根拠のないものばかりです。コンドロイチンなども注射をするのではなく、口から摂取した場合には腸での吸収時に分解されてしまい、効果はありません。こうした治療法を進められてどうしたらよいかわからないときには、必ず主治医に相談してください。

(平成29年12月更新)