リウマチを知ろう!

災害時リウマチ患者支援

関節リウマチの患者さんの災害への備え、災害時の対応について

地震や火災などの災害は、健常者にとっても大変恐ろしいものです。
関節リウマチの患者さんは、四肢の不自由な方がいらっしゃったり、また内服薬を中止することによって病状が悪化することがあったりしますので、普段から災害への備えをしておくのが望ましいと思われます。

災害時リウマチ患者支援 パンフレット・カード

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予期せぬ災害ーそのときに

リウマチ患者支援カード

Q&A

災害への備えとしてどのような準備が必要なのでしょうか?

医師から処方されたお薬は7日分くらい余計に持っていましょう。

中越地震での経験などから、災害で副腎皮質ステロイド(プレドニゾロンなど)などの内服薬を中止せざるをえない状況になると、関節リウマチの症状が急激に悪化することが明らかになりました。関節痛が悪化するだけでなく、“動けなくなる、起きあがれない”という症状までも出現することが判明したのです。お手持ちの内服薬を数えて、次の外来受診日までの薬の量をきっちり調節して処方してもらうより、少し余らせるように処方をしてもらってください。お薬のストックは、できればハンドバッグなどに入れ、常に持ち歩くようにしましょう。副腎皮質ステロイドは、財布の中にも入れておくといいと思います。中越地震では、余震のさなかに台所の食器棚においてあった薬を取りに行き、大慌てで買い物袋にかき集めてきたら、お薬よりも割れたガラスの方が多かった、というようなことがありました。玄関は造りがしっかりしていますので、そこに緊急用のお薬を置いておくのもいいでしょう。

自分の病名、合併症を把握しておきましょう。できれば最近の検査成績、内服薬の名前、量もコピーして、持ち歩くようにしましょう。

災害時に、かかりつけの医療機関を受診することが不可能になる可能性があります。その場合、災害救護所の医師の診察を受けることになります。関節リウマチをお持ちであることは明らかですが、合併症として何があるのかを、把握しておきましょう(例:糖尿病、間質性肺炎、アミロイドーシスなど)。レミケードやエンブレルなど、生物学的製剤の注射薬を使用している方は、現在ご自身が何をお使いなのかすぐに説明できるようにしておきましょう。腎臓の働きの悪い方では、痛み止めや胃薬、抗生物質の量を減らして使用しなければなりません。検査データのコピーやお薬手帳をお持ちでしたら、かかりつけの医師でなくても治療方針をある程度判断することが可能です。

災害時の緊急持ち出し用セットを用意しましょう。

これは関節リウマチの方に限らず、一般的に必要なことです。中越地震での経験では、AMラジオでは災害時の緊急放送が受信できない地域がありました。FM放送も受信可能なラジオを用意しておきましょう。

災害時にはどのような注意をしたらよいのでしょうか?

阪神大震災や中越地震では、家が倒壊し、車の中に寝泊まりした方(車中泊)の中から、血栓症を起こす方(いわゆるエコノミー症候群)が出てしまいました。また、血栓症だけでなく、車中泊では同じ姿勢で寝ることになるため、朝起きたら動けない、立ち上がれないという方がいらっしゃいました。大勢の方がいっしょに寝泊まりする避難所は決して快適な場所ではありませんが、自家用車の中で睡眠をとるのは避けましょう。また、体操をするなど、血栓症ができなくなるような努力をしましょう。