4.生物学的製剤    

 

 

              

 

 

 

妊娠と授乳時の使用は?

 

 

 

 

 

 妊娠中の生物学的製剤投与について、明らかな胎児への影響は報告されていませんが、絶対に安全であるという証明もされていません。しかし、生物学的製剤を中止することにより、リウマチが悪化して妊娠中あるいは出産後の生活に支障がでることも考えられます。したがって、リウマチ以外で使用される他の多くの薬剤と同様に、妊娠中に生物学的製剤を投与するメリット(有益性)が、投与するリスクに加えて投与しないことによるデメリットを上回る場合にのみ投与を行います。この場合には患者さんとよく相談して決定します。また、TNF阻害薬は出生児に移行して、出産後しばらくの間、感染症のリスクが高まる可能性があるため、生ワクチンの接種時期に注意が必要となります。シムジア(セルトリズマブ・ペゴル)やエタネルセプト(エンブレルなど)は胎児への移行が少ないことがわかっています。
 授乳に関しては、原則として生物学的製剤投与中は授乳中止としますが、TNF阻害薬は授乳中への移行が少ないことがわかっています。母乳栄養は重要であるため、どのように対応するかは主治医とよくご相談ください。

 

 

 

令和2年5月更新

 

 

 

 

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