◆ リウマチ科標榜の必要性 ◆
  患者さんをはじめリウマチ関係者がかねてから要望していたリウマチ科の標榜がようやく実現の運びとなった。診療科名は自由標榜であるからリウマチ診療をしようとする医師は誰でもリウマチ科を標榜できることになる。

これまで日本リウマチ財団はリウマチ診療の向上を図るため、教育研修事業などに力を注ぎ、「リウマチ登録医制度」も定着している。
リウマチ科標榜の実現にともない、さまざまな問い合わせが、日本リウマチ財団に寄せられている。リウマチ科の標榜医となるための法的申請の仕方、さらにリウマチ医としての「登録医」の資格取得などなどである。

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◆ なぜリウマチを標榜診療科とする必要があるのか ◆
  (1)患者数が多い。
平成4年の国民生活基礎調査によれば、「手足の関節が痛む」と訴える人数は、日本全国で560万人、人口の4.5%を占めている。 厚生省のリウマチ調査研究班の報告によれば、慢性関節リウマチのみでも患者数は日本全国で70万人であり、一年に1万5,000人が新しく発病している。
(2)患者がリウマチ科の設置を切望している。
これまでリウマチ患者は、リウマチ科の標榜がないために医療機関の選択に迷い、早期に適切な診察を受ける機会を失し、その結果運動障害が固定するものも少なくなかった。そこで、日本リウマチ友の会をはじめ関係団体は、長年標榜科の実現に向かって努力をしてきた。すなわち、私たちは、リウマチ患者の切なる願いを受け止めて、標榜科を要望してきたのある。
(3)早期診断、早期治療が可能となる。
厚生省のリウマチ調査研究事業の進展に伴い、リウマチは、早期に発見し早期に治療すれば、予後は著しく改善されることが明らかになってきた。従って、標榜科が実現すれば、早期診断、早期治療により、予後の大幅な改善が可能となり、その結果医療費の節減にも役立つと考えられる。
(4)患者は適切な医療を受けることができるようになる。
リウマチ医療では、薬物療法、理学療法、手術療法などを組み合わせるとともに、患者のケアにも力を入れるなど、包括的な医療を進めなければならない。リウマチ科の標榜により、患者に対する適正な治療が可能となると考えられる。

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◆ リウマチ科の診療について ◆
  《 対象疾患の範囲 》
1.慢性関節リウマチ
2.膠原病
3.その他関節,筋肉,骨格系に異常を伴う疾患

《 手技、手法等 》
1.薬物療法
2.理学療法
3.手術療法
4.ケア等

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◆ 関連する診療分野との関係 ◆
  《 関連する診療分野の存在 》
1.内科
2.整形外科
3.リハビリテーション科
4.その他

《 関連する診療分野との整理・区分の状況 》
1.
リウマチに伴う内臓病変については、内科系の各診療科と緊密に連絡を取りながら診療する。
2. 整形外科的治療、特にリウマチの整形外科手術に関しては、整形外科と緊密に連絡を取りながら診療する。
3. リハビリテーション科、その他小児科、皮膚科、眼科、耳鼻科、婦人科等の各診療科とは、該当する病変について、緊密な連絡を取りながら診療する。

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◆ リウマチ科についてのQ&A ◆
  Q1: リウマチ科はだれでも標榜できるのか。
他の科(整形外科、内科など)との関係は。
  A1: 医療法による診療科の標榜は自由標榜であるから、どの診療科の医師がリウマチ科を標榜してもよい。当然、整形外科、内科、その他あらゆる科の医師が標榜することは差し支えな い。ただし、リウマチは治療困難な病気であるから、患者のために、最新の知識に基づく適切な治療を行っていただきたい。
  Q2: リウマチは、分からない病気の寄せ集めではないのか。
  A2: 確かに過去において、原因の分からない病気をリウマチと呼んでいた時代もあった。しかし、今では世界的にリウマチ学という学問分野が確立し、リウマチは、運動器(関節、筋肉、骨格系)の疾患と定義され、わが国の傷病名では「筋、骨格系及び結合組織疾患」として分類されている。すなわち、リウマチは今では、立派な独立した疾患である。
  Q3: リウマチには、多数の疾患が含まれているが、どの範囲 の患者を診るのか。
  A3: アメリカリウマチ協会のリウマチの定義を見ると、慢性関節リウマチに始まり、100以上の疾患が含まれ、例えばその中には、糖尿病、肝炎、白血病、マルファン症候群、血友病などが見られる。確かに、運動器の痛みは種々の疾患によって起こる。ところで、今回のリウマチ科標榜の要望は、とくに慢性関節リウマチ患者から強く起こされた。これは、この疾患の患者数が多いこと、難治であること、運動障害を起こすこと、そしてそのために早期発見、早期治療が必要であることなどによる。そこで、慢性関節リウマチと、それと鑑別する必要がある疾患にはとくに関心を持っていただきたい。
  Q4: リウマチ科に患者が来た時、リウマチ科を標榜する医師は本当に診療出来るのか。
  A4: 日本リウマチ財団は全国各地でリウマチについての研修会、講演会を開催している。日本リウマチ学会は毎年総会を開き、多数の新しい研究が発表されている。そのような機 会を利用されれば、適切な最新の医療が出来ると考える。
  Q5: リウマチの中には膠原病を含むのか。
  A5: 世界的に行われている定義では、リウマチの中に結合組織疾患として膠原病が入っている。したがってリウマチ科では膠原病をも取扱う。わが国ではまだリウマチ、膠原病などの名称の間に混乱があるが、今後理解を深めて行きたい。
  Q6: 例えば、リウマチ熱のように、心臓の病変が見つかった際も、リウマチ科で診断、治療は出来るのか。
  A6: リウマチは、全身疾患であるから、心、肺、眼、耳、皮 膚など種々の臓器の病変を伴うことがある。そのような場合は、それぞれの診療科の専門家に紹介し、協力して診断、治療を進めて行く。そういう場合の、リウマチ科は、リウマチの訴えを持つ患者の窓口でもある。リウマチ科は、あくまで 患者に最善の医療を提供するための診療科であり、患者が適切な診療を受けられるように全力を挙げて努力する。
  Q7: たくさんの医師がリウマチ科を標榜しようとしたらどうするか。
  A7: わが国のリウマチ患者の数は560万人といわれ非常に多い。したがって多くの患者は、リウマチを専門にしている医師を求めている。医療法による標榜科名は自由標榜であるから、リウマチに関心があり、リウマチ患者を診療しようという意欲がある医師は誰が標榜してもよいのである。そして、これからはリウマチ科を標榜する医師が集まって、一緒にリウマチを勉強し、リウマチ患者のために、医療の向上に努めて行きたい。
  Q8: リウマチ登録医になるためにはどうしたらよいか。
  A8: 登録医には資格条件があるので財団事務局へ問合わせて関係規則を理解して下さい。資格審査は年1回。申請は毎年1月~3月。なお、資格条件の一つに教育研修受講単位が必要であるので、財団の教育研修会等に留意して下さい。
  Q9: リウマチ科を標榜するときどうしたらよいか。
  A9: 病院、診療所の「診療を行おうとする科目」に変更が生じたときは10日以内に都道府県知事に届出なければなりません(医療法施行令第4条)ので、当該病院、診療所所在地を管轄する保健所へ変更届を出します(届出様式又は用紙は保健所にあります)。

図 (例)東京都の届出様式
(例)東京都の届出様式