リウマチを知ろう!

リウマチQ&A

Q.33関節 リウマチ歴8年。リマチル→アザルフィジン→メトレートと投薬治療を続け、現在CRPは正常値、手指の腫れや痛みはなく支障なく生活を送れています。但し左膝に腫れと痛みあり。MMP-3の数値は治療を始めた頃から高く、3年前からは800越え、ここ1年は1200〜1600越えです。免疫内科の主治医からは先月「症状からみてRAが原因の高数値とは断言し難い」としながらも生物学的製剤を強く薦められました。膝以外は治療開始以前のような調子なので、高額な治療に踏みきる決意が出きずにいます。MMP-3の高数値は何を表しているのでしょう?

実際に拝見して他の検査値などもみないと何とも言えませんが、一般的にはMMP-3の値が高いと関節、特に軟骨の破壊が進みやすいといわれています。リウマチの治療薬でCRPが低下してもMMP-3は下がり難いことがあります。ステロイドという薬を飲んでいるとMMP-3値が高くなります。また、膝などの大きな関節に症状があるとより値が高くなることも考えられます。生物学的製剤を開始するかどうかはMMP-3の値だけでなく。症状やその他の血液検査、レントゲンの所見などを参考にして決めるので、主治医の先生とよく相談されたらよいかと思います。(平成26年9月)

Q.32去年の10月から足の痛みでリウマチ科で経過観察中でした。3月に血液検査をした所、RF33、CPP18、Ig-G1909、r-G22,6、補体価51,7、赤沈1時間で40でした。CRP、MMPは正常です。担当医(膠原科)は関節リウマチではないとのことで経過観察するといいます。そして4月に足の裏がとても痛くなり担当医に言った所、検査をしてくれないので整形外科に行き、セレコックス100を飲んでいます。また1か月後に来てくれと言われていますが薬を飲んでもあまり変わりません。左手も少しこわばっています。セレコックスだけであと1か月も放置してても大丈夫でしょうか?足の裏と指がかなり腫れた状態です。手はこわばりだけで生活に支障はないです。私は関節リウマチではないのでしょうか?

拝見しないと何とも言えませんが、関節リウマチの診断は難しいことも多く、痛み止めで経過観察することもよくあります。足の裏は部位によっては関節リウマチと直接は関係がない可能性もありますが、関節の腫れや痛みなどの症状が強いようでしたら早めにもう一度受診されたほうがよいかと思います。ご不安であれば別の先生に診てもらうのも一案です。(平成26年8月)

Q.31関節 リウマチは手の指だけかと思っていたら、全身の病気だと知りました。そういえば、最近は手の指の関節だけでなく、足の付け根も少し痛い気がします。関節リウマチが進行すると歩けなくなったり、車椅子の生活になるのでしょうか?また、腰痛で朝起き上がりにくいのも、関節リウマチが原因の場合もあるのでしょうか?将来起き上がれなくなることもあるのでしょうか?先行きが不安です。リウマチ体操で、進行が防げたり、進行の程度を下げることができますか?

関節リウマチは関節だけの病気ではなく、全身に症状をきたす疾患です。関節は手指だけではなく、手首、肘、膝、足首、足趾などの関節にも病変が及びます。1時間以上持続する朝方の手指のこわばりは関節リウマチに特徴的にみられます。大事な事は、リウマチの専門医による適切な早期からのメトトレキサートを中心とした抗リウマチ薬と生物学的製剤による治療です。内科的な治療をした上でのリウマチ体操などのリハビリテーションは有効です。心配な事があれば、主治医にご相談してください。(平成26年7月)

Q.40眼科で栄養状態を見るという目的で血液検査を行ったところ、リウマトイド因子がかなり高く、ホームドクターに相談し、追加で抗CCP抗体を検査して頂きました。結果は陰性でした。特に、関節が痛むこともないので、様子見と言われました。 ホッとした反面、何故リウマトイド因子が高いのかわかりません。 どちらに相談して良いかもわかりません。

リウマトイド因子がなぜできるか(陽性になるか)、ということはまだわかっていません。喫煙者や歯周病のある方に陽性になることが多い、という成績はありますが、それがどういうメカニズムでリウマトイド因子ができるのかは不明です。リウマトイド因子は関節リウマチ患者に多く(約80%)見られることからこのような名前がつきましたが、他の膠原病(特にシェーグレン症候群)、ガンマグロブリンが増える他の病気(肝硬変など)でもしばしば見られます。したがって、リウマトイド因子が陽性ということと、関節リウマチという病気を持っている、ということとは一致しないことも多いのです。今回お問い合わせいただいた患者さんは、関節症状もなく、また、特に関節リウマチとより関連が深いとされる抗CCP抗体も陰性であることから、リウマトイド因子が陽性ですが関節リウマチではないと言えます。将来関節リウマチになるかもしれない、という不安もあるかもしれませんが、関節症状(関節の腫れや痛み)がなければ心配いりません。関節症状が出てから専門医を受診すれば良いと思います。しかし、先に述べたように、他の膠原病や、慢性肝臓病などガンマグロブリンが増加する病気がないか、などを検索する必要はあります。もし、それらも特に異常がない場合は、特に気にしないで通常の生活をされれば良いと思います。
(令和元年5月)

Q.41数ヶ月前から関節が痛くて痛くてたまらない。 どの病院へ行ったらよいか悩んでいる。 誰にも相談できずにいる。

すぐにリウマチの専門医・登録医のいる近くの病院をインターネットで検索して(自分でできなければ誰かできる人に)受診することをお勧めします。

Q.50関節リウマチになり治療中ですが、だいぶ落ち着いています。しかし、生活の中で当たり前に出来ていたことがうまく出来なくなってしまいました。 痛みが収まってもうまくいきません(変形はないです)。字を書いたり、ハサミを使ったり、蓋を開けたり、運転時ハンドルを回したりするのが難しいです。 よくなる方法がありますか?こういった症状はよくあることで、続くものでしょうか?

関節リウマチのコントロールが良好で、かつ全く変形のない状態では、ご相談のような日常生活動作が困難となることは考えにくいです。自分では気づかない変形が既に始まっている、あるいは病気のコントロールが不十分なことによって症状が出ている可能性があります。また以前、病気の勢いが強かった時があれば、その際に関節破壊が若干出現し(変形と認識されるほどではない程度)、それによって手が使いにくい状況があることもあり得ます。担当医に日常生活動作でやりにくいことなどを伝え、必要に応じて薬物治療の強化、リハビリテーション、あるいは手術治療の必要性などをご相談されることをお勧めします。

(令和3年11月)

Q.49リウマトイド結節とはどのようなものですか?検査に現れないほどの発症初期にも出ますか?左右対称にできたり、耳の裏にできることはありますか?

リウマトイド結節は、関節リウマチ患者に見られる皮下の腫瘤性の病変で、代表的な部位は前腕の肘関節の近くにできます。その他、後頭部、仙骨部(お尻のあたり)、足の裏やかかと、手指の関節周囲など、圧迫を受けやすい場所にできると言われています。その他稀ですが、声帯にできると嗄声(声がかすれる)となることもあります。耳の後ろもできる可能性はあると思います。通常は活動性の高い患者で見られますが、まれに活動性のまだ低い初期の段階で見られることもあると言われていいます。リウマトイド結節ができる場合、関節以外の症状(目の強膜炎、心膜炎や胸膜炎、皮膚潰瘍など)を伴うことがありますので注意が必要です(このような場合、悪性関節リウマチといいます)。(令和3年7月)

Q.48関節リウマチは温めると痛むことがありますか?血液検査やレントゲンでは異常なし(好中球の割合のみ多い)ですが、一月ほど両手足の関節の痛みと若干の腫れ、動かしづらさがあります。圧痛はなく、動かしたときに時々痛みます。はじめの頃は1時間ほど朝のこわばりがありましたが、今は朝よりも、入浴後や身体が温まると痛みやこわばりが悪化するような気がします。

関節リウマチは全身性炎症性疾患ですので、一般的には温熱療法は有用とされています。温熱療法では局所の血流増加や血行促進効果があると報告されており、また疼痛による筋肉の異常な緊張を抑えると考えられています。ただし熱感や腫脹を伴う急性期症状を示す関節では逆効果(痛みが増す)の場合もあります。
患者さんによって関節の疼痛やこわばりの感じ方には違いもあり、服用している薬の作用時間との兼ね合いも影響している場合も考えられます。例えば副腎皮質ステロイド薬は朝に服用すると1日が問題なく過ごせる方がいらっしゃる一方で、夕食後に服用したほうが、翌朝の起床時からスムーズに動ける方もいます。日常生活のパターンや症状の出方などを含めて担当の先生にご相談してみてはいかがでしょうか?

(令和3年5月)

Q.47現在、ケブザラ治療を開始して4ヶ月経過しています。先月までは徐々に症状もよくなり、あともう少し良くなればというかんじでした。しかし、関節の痛みや腫れが復活し、自分でベッドから起き上がれるようになったものの、今ではリクライニングを使用、家のなかでの杖歩行も復活してしまいました。免疫抑制剤を使用していても、また症状は戻ってしまうのでしょうか?

治療を受けていて一旦良くなっても、症状が再燃してまた悪くなることはよくあります。その原因として、疾患自体の勢いが自然に強くなる場合や、ケブザラのような生物学的製剤では、製剤に対する「抗体」ができて製剤の効果が弱まる場合があります。その場合は、他の薬剤に変更するか、ケブザラを使用しながらステロイドやメトトレキサートなどの免疫抑制薬を併用(増量)すると改善することがありますので、主治医の先生にご相談されれば良いと思います。

(令和3年1月)

Q.462年前に関節リウマチと診断され、現在サラゾスルファピリジン500㎎×2を処方。昨年から最初は左手だけ、現在は両手の握力が10未満、蓋を開けれない、親指を横に開けない、手をまっすぐに出来なくて指が浮いている状態です。包丁を持つのも力が入らないです。レントゲンでは軟骨の減りは少々。むくみもあります。装具の装着、注射も何回か受けましたがよくなりません。これ以上は、よくならないものでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
読ませていただいた内容からは、2018年に診断を受けられてから約2年で手指の変形がある程度進んでいらっしゃるようで、生活でのご苦労や精神的なご負担は相当強いと思いました。
 まず、2年間で手指の変形が明らかに進行しているようであれば、薬による治療の強化(他の薬に変更、あるいは新しい薬に替える)が必要と考えます。担当医にご相談された方がよいかと思います。患者さんからはなかなか伝えにくいことですが、勇気を出して伝えてみてください!
一般的に手指の“痛み”に対しては装具療法や関節注射はとても有効ですが、“変形”に関しては改善を期待するものではありません。ただ、装具を使って行う日常生活動作は変形の進行を遅らせる意味はありますし、リハビリテーションでは軽度の変形ならば矯正する(指が浮いている状態を戻す)ことが可能かもしれません。
手指の手術を受けるという選択肢もあります。リウマチの手指の手術に関しては私の施設では積極的に行っていますが、患者さんによって満足度に差がある(手術をして”とてもよかった”から“しなければよかった”まで)ので、慎重な判断が必要です。また手術では、決して元通りの関節・指に戻すことが目標ではなく、新しい手指の形を手にいれる、と考えた方がよいと思います。
薬による治療や手術のどちらも、患者さんが思い立ったらすぐに担当医に伝えることが大切だと思います。関節リウマチによる関節変形は知らぬ間に進行していることが多いので、早め早めの対応が大切です。ご参考になれば幸いです。

(令和2年10月)

Q.45節々が痛いため近医に受診し、採血をしたところRF19でした。他CCP、炎症反応等々は正常です。先生からは抗リウマチ薬はいらないとのことでした。私はリウマチは早期発見早期治療が大事ですぐ薬を投与のイメージですが、この場合抗リウマチ薬は飲まなくていいのでしょうか?日常生活は関節の腫れ、強張りは全くなく夜もよく眠れていて、痛いのも痛くない時間の方が長いくらい不便なく過ごせています。 またリウマチになったらリウマチ専門に通ったほうがいいのか教えてください。リウマチ専門病院は少し遠いので、、整形外科でも大丈夫であればそちらで通院したいと思っています。

リウマトイド因子は関節リウマチでなくとも陽性になることがあり、高齢者では4-5人にひとりが陽性といわれています。また、典型的には関節リウマチでは、関節の痛みと腫れが持続し、熱感をもったりします。関節の痛みはリウマチ以外の様々な原因で起こるので、一度はリウマチ専門医に診てもらい、定期的に経過をみたほうがよいのか判断してもらったほうがよいと思います。もちろんお近くの整形外科の先生にまずはご相談いただいてもよろしいかと思います。

Q.4472歳の母の件でご相談させてください。 関節リウマチと診断されて30年になり、その当時から冷気が辛いと言っています。 現在はオレンシア自己注射、リウマトレックス服用していますが、手足の指は変形しきったように見えます。 今一番辛いのが冷気の事で、夏のエアコンや、冬には窓からの冷気やドアからの隙間風などです。 室温28度、隙間テープ等で密閉した室内、エアコン未使用の状況でも辛いと言っており、夜も眠れず、冷気を我慢するだけの毎日でノイローゼになりそうだと泣き出します。 他の人には感じられない冷気なので、対処しようにも限界があります。母親のために何とかしてあげたいと色々冷気防止の策はしているのですが、効果はあまりないようです。 何か他の病気の可能性がありますか? 汗も毎日多量にかいていますが、主治医に相談してもこれといった解決策を聞くことはできませんでした。診療科、治療法など、教えていただきたいです。

お母さまが大変辛い思いをされておられる、著明な冷感ですが、関節リウマチ(RA)との関連で考える場合には、30年間も持続しているRAがあり、現在のリウマトレックス(MTX)とオレンシアの併用療法が必要であることから、これら薬剤が使えなかった頃はかなり活発なRAが続いていたものと思います。活発なRAが持続すると、RAアミロイド症が発症し、身体の様々なところにアミロイドタンパクが沈着し、沈着部所によってさまざまな症状がみられます。このRAアミロイド症の一つとして、自律神経へのアミロイド沈着が起こった場合には自律神経症状として冷感などが出現します。また、RAには時にシェーグレン症候群などの他の膠原病の併存があり、そのような場合は、膠原病の皮膚症状としての末梢循環障害による冷感がよくみられます。他の膠原病の併存がなくても、ごくまれにはRAそのものでも末梢循環障害がみれることがあります。
 一方、RAや膠原病と関連ないものとして、何らかの原因による自律神経障害があり、その結果として末梢循環障害や皮膚の冷感が起こることもあります。
 そこで、現在の担当医が内科系のリウマチ医なら上記についてご相談頂き、担当医が整形外科のリウマチ医なら内科のリウマチ医、あるいは自律神経の問題ですので脳神経内科医に相談されると良いと思います。また汗を大量にかくなどの症状はリウマチで一般的に診られる症状ではなく、他の疾患の可能性についても主治医に検討していただいた方がよいかもしれません。

(令和2年6月)

Q.43現在、関節リウマチの治療でメトレートを週に一回6錠飲んでいます。暫くは痛みもなく元気だったのですが、3〜4日くらいの間隔であちこちに痛みが出るようになりました。今は利き手の第三関節が熱感と痛みで握りづらくなっていて生活に少し支障をきたしています。 主治医からは私がステロイドを嫌ったため(以前はプレドニンを使用してきました医師の判断でやめても良いと言う事で現在は飲んでいません)もう少し様子をみましょう。変わったことがあれば連絡してきて下さいと言われていますが、変わったことと言うのは些細な事でも良いのでしょうか…。様子見と言われていて多少痛くとも痛み止めが効いてくれば、痛みはゼロにならないものの動かせないわけではないし…といつ連絡したら良いのかわかりません。 関節リウマチにおいて、この程度であれば連絡はいらない症状のライン、このような症状が出たら絶対に連絡して欲しいという目安があれば教えて頂きたいです。

主治医もしくは通院されている診療科に連絡したほうがよいのは、高熱や息苦しさなどがみられ、感染症が疑われる場合です。関節リウマチ自体としては、関節症状が明らかに増悪している場合ですが、目安としては痛み止めの効果が乏しい、痛みが耐え難い、痛み等で日常生活が困難になっている、などかと思われます。次回の受診日がいつか、にもよると思われます。また、主治医の先生のお考えもありますので、一度目伺ってみてもよいかもしれません。

(令和2年6月)

Q.4285歳の義母が二か月ほど前に関節リウマチと診断され治療を始めました。手や指、肘や肩の痛みの他に、足が重いのが気になると言います。常に水の中を歩いているように、一歩一歩がとても重いというのですが、それもリウマチの症状なのでしょうか。

リウマチの症状としても矛盾しませんが、リウマチ性多発筋痛症など他の疾患でももちろん認められる症状です。主治医の先生は専門的な知識から診断をしているはずですので、何か疑問があれば受診時に訪ねてみてはどうでしょうか。

Q.25リウマトレックスを朝2錠、夕方1錠服用しました。飲んだ日の昼過ぎから喉の違和感があり、夕方からは水が飲めなくなり、声もかすれました。 医者は、副作用ではないといいますが、怖くて飲めません。 こういう副作用は考えられないのでしょうか。

薬剤の副作用はしばしばみられるもの、珍しいもの、全く記録がないものなど、さまざまです。それぞれの薬によって、その副作用がどの程度起こるかについては発表されています。ご質問いただいた喉の違和感や声のかすれについての症状は、リウマトレックスにあまり見られる副作用ではないと思います。副作用がどれだけ小さくても可能性がないわけではないですが、そのために声が出なくなってしまうことは起こらないでしょう。

リウマトレックスの副作用が強調されることが多く、そのために過剰に反応される人が多いのも事実です。一度中止したうえで、少量から始めてみるのもひとつの方法かと思います。(平成25年4月/平成29年12月更新)

Q.26生物学的製剤とリウマトレックスを併用することにより、痛みが全くないという状態を1年以上維持し、5年程度経過しても関節の変形などが全く進行していない場合、このような寛解の状態を維持していけば、10年・20年のスパンで、QOL(生活の質)は現状維持のまま、関節リウマチは基本的にほとんど進行しないだろうという理解をしてよいでしょうか?

関節リウマチによる症状(関節の腫れや痛み)がなく、血液検査でも炎症反応(CRPや赤沈)が正常となっている状態が続いている限り、一般的には骨破壊は進まないと考えてよいと思います。

ただし、一見関節の腫れがないように見え、血液検査でも炎症反応が陰性であっても、最近発達した診断技術(関節の超音波検査は、エコー検査やMRIという画像検査により行う)によって病変が確認される場合があることが指摘されています。

さらにリウマトレックスもやめて完全に「治癒」という状態を目指したい、ということであれば、これらの画像検査も実施して完全に関節リウマチの病変がないことを確認した方がよいと思います。(平成25年7月/平成29年12月更新)

Q.27昨年8月からリウマトレックスを服用し11月からヒュミラを注射していますが、痛みは早々に無くなり寛解らしいので、そろそろ薬の離脱をするのかと思います。しかし昨年秋から腫れていた足の親指が今年になって腫れが引いて、1月に爪を切ってから伸びません。先月、皮膚科医からは爪が生えてきていないと診断されました。関節リウマチではよくあるのでしょうか?原因は薬ですか?爪は剥がれてもまた生えますか?

関節リウマチで時に爪の変化がみられることがあります。爪の周囲が赤くなったり(紅班)、爪のあまかわの血管の拡張、黄色爪、手足指の変形による陥入爪、巻爪など、爪白癬(爪の水虫)、爪の下の化膿があります。また、今回のような爪の発育障害があり、これは爪の皮膚の血行障害によっておこります。これら爪の変化は時にみられる程度です。足の指の腫れがとれたとのことですので、爪が根っこからゆっくりと出てきます。 (平成25年10月)

Q.28関節リウマチとライター症候群のちがいは何ですか?またライター症候群は関節リウマチの内に入るのでしょうか?

ライター症候群と関節リウマチは全く異なる疾患です。ライター症候群は最近では反応性関節炎と呼ばれます。反応性とは、何らかの病原微生物(例えば性感染症の一つであるクラミジア感染症)に対する免疫反応によって関節炎を引き起すため、このように名付けられました。両疾患ともリウマチ性疾患に分類されますので、ご心配であれば内科系のリウマチ専門医を受診されることをお勧めします。なお反応性関節炎については、ホームページの対象とする疾患の中にありますので、ご覧になってください。 (平成26年1月)

Q.29乾癬性関節炎でリウマトレックスを飲んでいます。リウマトレックスを始めて10か月経ちますが,数か月前から痙攣が頻繁におきるようになりました。太ももや二の腕が多く,痙攣しない日はほとんどありません。薬の副作用なのでしょうか。それとも,ただの痙攣で気にするようなことではないのでしょうか。

リウマトレックス(メトトレキサート)は関節リウマチ、その類似の関節疾患に基本的治療薬として使用されます。骨格筋の痙攣は、頻度は非常にまれですが、薬剤の重大な副作用としての報告例があります。したがって、現在処方を受けている担当医に相談して、薬剤(メトトレキサート)によるものか、他の原因によるかの検討が必要だと考えます。もしメトトレキサートが副作用のために使用できないとの結論になっても、乾癬性関節炎の治療薬は他にも有効なものがいくつかあります。(平成26年2月)

Q.3074歳の女性です。5か月ほど前リウマチ性多発筋痛症の診断を受けてその後関節リウマチの診断を受けました。2か月ほど前から午後3時頃になると動悸や頻尿、目の前がかすむ等の症状が起こるようになりました。血圧は朝130〜75ぐらいだったのが155〜85ぐらいになります。症状は3,4時間すると良くなることが多いです。この症状についてどういったことが考えられるでしょうか?膠原病と循環器系の薬等を服用しています。現在服用している薬は、ブレド二ゾロン11mg/日、メトトレキサート16㎎/週、胃薬、葉酸、睡眠導入剤、血圧の薬、狭心症の薬等です。

おっしゃっている症状は通常の関節リウマチ自体の症状ではないので、内科の先生にご相談されたほうがよいと思います。また、プレドニゾロンを服用することにより血圧が高くなることがあります。その他の薬の影響もあるかもしれないので、それぞれの科の先生に今の症状をお話しして聞いてみたらいかがでしょうか。(平成26年4月)