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1.非ステロイド抗炎症薬(消炎鎮痛薬)
2.副腎皮質ステロイド(ステロイド) 3.抗リウマチ薬と免疫抑制薬 4.生物学的製剤 5.JAK阻害剤薬
6.骨粗鬆症治療薬
5.JAK阻害薬
JAKとは
メトトレキサートなどの抗リウマチ薬が効果不十分な場合には、生物学的抗リウマチ薬、もしくはJAK阻害薬が用いられます。また、生物学的抗リウマチ薬が効果不十分な場合にも用いられ、TNF阻害薬が効果不十分な患者さんで有効であることが報告されています。JAK阻害薬開始前には、現在および過去の結核やウイルス性肝炎などの感染症の有無、肝臓や腎臓の機能などについての検査を行います。副作用を明らかにするため、これまでに発売されたすべてのJAK阻害薬で全ての患者さんに対する市販後調査が行われていますが、日本リウマチ学会によるJAK阻害薬の全例市販後調査のためのガイドラインでは、十分量のメトトレキサートを3カ月以上継続しても効果が十分でない活動性の関節リウマチに対して投与することが推奨されており、感染症の危険性が高い、腎機能障害・間質性肺炎などで安全性の面からメトトレキサートが使用できない場合には原則として投与しないことが望ましいとされています。JAK阻害薬は、単剤もしくはメトトレキサートとの併用で用いられます。妊娠中や妊娠を希望されている場合には服用することはできません。
オルミエントは2017年9月に発売された2番目のJAK阻害薬です。オルミエントはJAK1とJAK2を特に強く抑えるところが作用としてゼルヤンツと異なる点です。通常はオルミエント錠4㎎を1日1回内服しますが、効果が認められた場合には2mg1日1回に減量することがあります。また、この薬剤は腎臓から排出されるため、腎臓の機能が低下している場合には1日1回2mgに減量する必要があり、また腎臓の機能が高度に低下している場合には使用することができません。
スマイラフは日本で創製、開発され、2019年7月に発売された3番目のJAK阻害薬で、JAK1、JAK2、JAK3およびTYK2の全てのJAKファミリーを阻害します。通常はスマイラフ錠を150mg1日1回服用しますが、患者さんの状態によっては100mgで使用することもあります。また、腎機能障害患者さんに対する用量の制限はありませんが、中等度の肝機能低下が認められる場合は50mgに減量する必要があり、重度の肝機能低下が認められる場合には使用する事ができません。
リンヴォックは、2020年4月に発売された4番目のJAK阻害薬です。この薬剤はJAKのなかでJAK1を強く阻害するため、JAK1選択的阻害薬といわれています。通常は15㎎を1日1回投与しますが、7.5㎎1日1回で投与することもあります。臨床試験において、メトトレキサートとの併用でひとつのTNF阻害薬に優る有効性が報告されています。
令和3年4月更新