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生物学的製剤 |
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生物学的製剤をやめると、リウマチがまた悪くなる可能性があります。また生物学的製剤の種類によっても異なり、これまで中止に関する報告が多いのはTNF阻害薬です。やめるにあたっては、リウマチがしばらくの間、寛解の状態であることが望ましいとされています。しかし、そのような状態でTNF阻害薬をやめた場合でも、5年間で約8割の患者さんでリウマチの悪化がみられたことが報告されています。但し、その場合でも、TNF阻害薬を再開すれば、多くの患者さんで再びよい状態になるとされています。また、TNF阻害薬を完全にやめるよりも、投与量の調節が可能な薬剤では量を減らして継続したほうがリウマチの進行が抑えられ、悪化も起こしにくいことが知られています。
高額な薬ですが、生物学的製剤を使ってリウマチの症状や進行を抑えることにより、これまで同様に働けるようになったり、将来、関節の手術を受けずにすむようになる可能性があります。費用は薬剤ごと、あるいは同じ薬剤でも投与量によって異なりますが、医療保険の3割負担で月に2万~3万円台となる場合が多いです。バイオシミラー(後発バイオ医薬品)は先発品の6割の薬剤費となります。医療費の負担が減る高額療養費制度が適応される可能性もありますので、現在加入されている健康保険組合やお住まいの市区町村、あるいは通院されている病院の相談窓口等にお問い合わせください。
生物学的製剤の効果が不十分な場合は、別の生物学的製剤に変更することがあります。残念ながら、どの生物学的製剤がその患者さんに最も効果があるのかを事前に知ることはできません。通常は3カ月ほど使用しても効果が不十分であれば、別の生物学的製剤に切り替えます。また、開始してしばらくは効果があっても使用していくうちに効果が弱くなってしまう場合があります。これは、からだの免疫システムが生物学的製剤を異物として捉えて排除してしまうためです。TNF阻害薬のレミケードでみられやすいとされています。この場合も生物学的製剤の切り替えが必要となります。また、生物学的製剤の無効例では、最近はJAK阻害薬が用いられることがあります。
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