関節リウマチ

 

この病気にはどのような治療法がありますか?

 

関節リウマチの治療

 

 

 

 

関節リウマチの薬物療法 関節リウマチの手術療法 関節リウマチのリハビリテーション
関節リウマチの治療薬物療法 関節リウマチの治療手術療法 関節リウマチの治療リハビリテーション

 

 

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関節リウマチの治療薬物療法

 

関節リウマチの薬物治療の基本方針(2023年)

関節リウマチと診断された時には以下のように治療を行います。ここでは日本リウマチ学会が2020年にまとめた治療のガイドラインをごく簡略化して説明します。日本リウマチ学会のガイドラインはアメリカリウマチ学会(ACR)、欧州リウマチ学会(Eular)が提唱したものに呼応して作られたものです。 詳細をお知りになりたい方は詳細版を参照ください。また各薬剤の内容については別にある薬剤毎の説明を参照ください。

 

 

【基本的治療

 

第1フェーズ 

メトトレキサート(MTX;リウマトレックス、メトレート、メトジェクトなど)
MTXを年齢や体重などから考えて4mgから16mgの間で使用します。原則として6か月以内に治療目標を達成できない時には第2フェーズに進みます。治療開始後3ヶ月で改善がなければ治療を見直します。ここでの治療目標とは寛解、あるいは低疾患活動性の状態に抑えるということです。

 

第2フェーズ  

生物学的製剤(バイオ製剤;注射)、あるいはJAK阻害薬(内服)にMTXを併用、あるいは単独で使用します。安全性を考えて通常は生物学的製剤を優先します。

 

第3フェーズ 

はじめに使用した生物学的製剤、JAK阻害薬で効果が見られない場合、他の生物学的製剤、JAK阻害薬への変更を考えます。TNF阻害薬で効果が不十分な場合は非TNF阻害薬への切り替えを優先します。

 

【補完的治療】


1)MTXが副作用などで使えない場合には、以前から使われてきた抗リウマチ薬ステロイド(ミネラルコルチコイド製剤;プレドニンなど)を代わりに、あるいは併用して使用することがあります。
2)疼痛をとるために非ステロイド系消炎剤(NSAIDs:ロキソニン、ボルタレンなど)を加えることがあります。
3)骨粗鬆症の予防・治療のために抗ランクル抗体を使用することがあります。

 

■疾患活動性とは

関節リウマチにおいて、疾患活動性とは自覚症状(患者さんの感じる関節の痛さ=VAS)の程度、腫れと圧痛(押されて痛いこと)のある関節数、炎症を示す検査(赤沈(血沈)あるいはCRP)の数値などにより決定します。いくつかの評価法がありますが、よく使われているのはDAS28という評価法でこれは自覚症状、28の関節数の状態と検査値から計算します。高疾患活動性、中等度疾患活動性、低疾患活動性、寛解に分けられます。
寛解とはほとんど自覚的な症状がなくなるとともに、診察でも検査でも関節リウマチの活動性が停止していると考えられる状態です。DAS28の計算では2.3未満に当たります。
低疾患活動性とは軽度の症状が見られるか、CRPが少し上がった状態でDAS28では2.3以上2.7未満です。

 

令和5年1月更新

 

  1. メトトレキサート
  2. 生物学的製剤
  3. JAK阻害薬
  4. メトトレキサート以外の抗リウマチ薬と免疫抑制薬
  5. 副腎皮質ステロイド(ステロイド) 
  6. 非ステロイド抗炎症薬(消炎鎮痛薬)  
  7. 骨粗鬆症の治療薬