1. メトトレキサート
  2. 生物学的製剤
  3. JAK阻害薬
  4. メトトレキサート以外の抗リウマチ薬と免疫抑制薬
  5. 副腎皮質ステロイド(ステロイド) 
  6. 非ステロイド抗炎症薬(消炎鎮痛薬)  
  7. 骨粗鬆症の治療薬

 

 
 
 

 

メトトレキサート   

 

 

メトトレキサートは関節リウマチ薬物治療の中心と位置づけられている免疫抑制作用のある抗リウマチ薬であり、ガイドラインでも関節リウマチの診断とともに、まずはメトトレキサートの使用を考慮することが推奨されています。通常1週間単位の投与量は6mgで、本剤1カプセル(メトトレキサートとして2mg)を初日から2日目にかけて12時間間隔で3回経口投与し、残り5日間は休薬します。毎日服用する薬剤ではありません。現在、成人では必要に応じ週16mgまで増量することが認められています。また、週1回の投与の自己注射製剤(メトジェクト皮下注)が2022年から発売され、ニーズにあった製剤の選択が可能となりました。経口投与で吐き気などが出る場合には、注射に切り替えることでこのような症状を避けることができます。
メトトレキサートの治療効果は他の抗リウマチ薬に比較して速やかで、投与4週目で発現する場合も少なくありません。その後3~6か月間にわたり、その効果が増強します。
副作用として口内炎、脱毛、吐き気などが見られることがありますが、これらは服用量を減量することで改善することができます。危険な副作用として間質性肺炎があります。これはアレルギー性と考えられ、投薬後のどの時期でも、また服用量に関係なく発生する可能性があります。肝機能検査の異常もしばしばみられます。さらに白血球が減少して感染症をおこしたり、貧血を起こすことがあり、とくに高齢者では注意して使用しなければなりません。また催奇性があることから妊娠を考えている男女には使えません。稀にリンパ腫が発生することがありますが、服用の中止で治る例も見られます(リウマトレックス関連リンパ増殖性疾患)。このようにメトトレキサートの副作用の頻度は低くないのですが、効果も高いことから治療の第一フェーズなどで現在最も重要な薬と考えられています。

令和5年1月更新