リウマチQ&A
- Q.887年前に関節リウマチと診断されリウマトレックス、レミケード、シンポニーの治療を続けました。痛みがなくなり寛解状態が長く続きましたが2年前の冬に乳がんが見つかり抗がん剤治療、手術をして現在はホルモン治療中です。その間リウマチの治療はできず薬も服用しておりませんでした。最近の検診でRF定量が100を超えましたがMMPー3の値が平均値であるため経過観察中ですが今後痛みが出た時にはシンポニーを再開する事を勧められました。生物学的製剤を使うことによって癌が再発するのではないかと不安です。どのように治療すればよいでしょうか?
一般には、関節リウマチの治療中にがんなどの悪性腫瘍を合併した場合は、生物学的製剤などの免疫抑制薬は休薬となります。がんの治療後関節リウマチの積極的治療が必要な場合は、乳がん治療後5年間(がんの種類によっては10年間)再発などがなく、がんが治癒していると評価される状態であれば、生物学的製剤などの免疫抑制薬などの使用が可能となります。当然、乳がん治癒後といえどもこれら薬剤の使用により乳がんの再発の有無の定期的評価は必要です。しかし、乳がん治療後5年以内でも関節リウマチが活動性であったり、再燃した場合は、生物学的製剤などの薬剤は使用はできませんので、従来から用いられている抗リウマチ薬での治療となります。今回ご質問のケースでは、乳がん手術後ホルモン療法が継続中であり、また治療後5年以内の時期でもあり、関節リウマチが再燃しても、以前のように生物学的製剤使用は困難と思いわれます。現在の担当医と、乳がんの主治医との緊密な連携で現在の乳がんの術後の状況と今後のがん治療の見通しなどを考慮して生物学的製剤などの免疫抑制薬の使用のタイミングを決めて頂く必要があるようです。
(令和元年12月)
- Q.87関節リウマチと診断され、アザルフィジン250ミリを処方されました。抗ccp抗体は一昨年からわずかに上昇、今回500を超え、関節の痛みもあります。比較的小さな関節のためか、炎症反応や血沈の数値は正常でした。 関節リウマチの治療ははじめにメトトレキサートを使っていらっしゃる方がおおく、不安になりました。ご意見をいただきたいです。ちなみに、mmp3も正常でした。 シェーグレン症候群もあるので関節の腫れはそれでも起こると診断か遅れた気もしています。
アザルフィジン250mg/日の服用は効果もほとんど期待できず、服用の意味はありません。関節炎があり、CRPも陽性で関節リウマチの診断が確実なら、禁忌がない限りメトトレキサートを使用すべきです。ご相談のケースは、シェーグレン症候群があるようですが、シェーグレン症候群では、リウマトイド因子や抗CCP抗体が陽性になりますので、関節リウマチと間違われることが多いです。両疾患を合併していることもありますが、もし活動性の関節リウマチを合併している場合は、CRPが陽性とになります。
(令和元年11月)
- Q.863ヶ月前に整形外科で関節リウマチと診断され治療開始していますが、関節の痛み以外に手の甲などに赤い斑点が出たり喘息の様な症状が出てきました。関節リウマチは膠原病の一種で関節以外にも症状が出ると聞きましたが、整形外科ではなく内科のリウマチ科で治療した方が良いのでしょうか?
関節リウマチの診療に関しては、リウマ財団登録医、日本リウマチ学会専門医等、関節リウマチに関する専門的な知識を有している医師であれば、整形外科、内科を問わず、治療が可能です。もし呼吸器など内臓の病気で、内科的な判断が必要である場合には、内科と連携して治療を進めることになるかと思われますが、特に内科的に気になることがあるようであれば、主治医にご相談されてみては如何でしょうか。
(令和元年7月)
- Q.85乾癬性関節炎という診断を受け治療が始まり、リウマトレックスを服用していますが毎回吐き気 倦怠感 頭痛 口内炎に悩まされます。 まだ飲み始めたばかりで、リウマトレックスは増量していく予定のようです。 多発性硬化症のため10年前からタクロリムスを毎日3mg服用していますが、リウマトレックスではなく生物学的製剤を使用する事は可能でしょうか?
生物学的製剤は炎症をおこすサイトカインと呼ばれる物質なとに作用して働きを抑えますが、乾癬で使用される生物学的製剤は大きく分けてTNF、インターロイキン(IL)-17、IL-23という3つのサイトカインを抑えるものがあります。このうちレミケードやヒュミラといったTNFを抑える製剤は多発性硬化症を悪くする可能性があるため、多発性硬化症の患者さんに使用することはできません。その他のIL-17やIL-23を抑える生物学的製剤は多発性硬化症の患者さんでも通常は使用可能で、タクロリムスとも併用できると考えられます。但し、使用にあたっては多発性硬化症の主治医の先生にあらかじめ確認していただくことが必要です。
(令和元年6月)
- Q.84私は3歳から5歳の間に関節リウマチになりました。 リウマトレックス系の薬を使ったのですが、これらの薬で吐いてしまいます。 吐き気の副作用がでない、変形を抑えられる薬はありますか? 私は高校生ですので、これから先ずっと痛みと薬の副作用と変形と戦いながら生活するのは辛いです。家族に治療費の負担をかけたくないというのもあります。
どの薬もそれなりの副作用はありますが、あなたにリウマチの薬を使った時に全ての薬で副作用が必ず起こるということではありません。
また、メトトレキサートの吐き気も量によって変わってきます。
メトトレキサート製剤で嘔気があり使用できない場合、経済的問題を考えなければ注射製剤(生物学的製剤)で治療をするのが、1番良い選択だと思います。特にIL-6を抑制する製剤(商品としてアクテムラとケブザラの2つがあります)は、メトトレキサートが使用できない場合の単独使用で有効性が証明されています。しかも、肺や腸の病気など他の内臓の病気がなければ、吐き気が出ることはまずありません。
しかし、治療費は1か月あたり3割負担の方で3〜4万円程度かかります。
ただ、病状が安定すれば注射の間隔を伸ばしたりすることもできますので、もう少し節約することは可能です。
最近話題になっている内服薬のゼルヤンツやオルミエントも大変有効性の高い薬剤ですが、注射製剤と同じくらい高価なのが難点です。
安価な薬剤としては、内服のイグラチモド(商品名ケアラム)、ブシラミン(商品名リマチルなど)が有効性もある程度期待できます。メトトレキサートよりはどれも副作用は少ないといえます。概ね、前者は肝機能障害、後者は膜性腎症という腎臓の障害がたまに出ることがあります。
症状が軽い場合は、作用は弱いですがアザルフィジンという薬剤も安価である程度有効です。
(平成31年1月)
- Q.96リウマチとがんの因果関係についてお尋ねしたいことがあります。 最近では、関節リウマチだからといってがんになる可能性が高くなるわけではないというふうに聞きますが、その真偽はどうなんでしょうか? またその逆、がんが原因で、あるいはその治療の影響で、関節リウマチになることやリウマチになる可能性はあるのでしょうか?
現在のところ、血液のがんのひとつである悪性リンパ腫に関しては、関節リウマチの患者さんで一般人口と比べて多いとされ、肺がんに関しても、若干、その傾向があることが報告されています。しかし、がん全体でみると、関節リウマチと一般人口でほとんど差はないとされています。がん患者さんの一部では、関節痛が起こることがあります(腫瘍随伴症候群)。また、ニボルマブ(商品名オプジーボ)などの免疫チェックポイント阻害薬といわれる薬剤では、副作用として関節炎が起こることがあります。しかし、一般的には、がんやその治療薬が原因で関節リウマチが起こるとは考えられていません。(令和2年4月)
- Q.97悪性リウマチを10年以上患っています。 生物学的製剤も、レミケード、アクテムラをしましたが、足だけでしたが、右手も腫れて、物が持てなくなったので、オルミエントにかえて2ヶ月になろうとしていますが、膝から下の浮腫が酷く、靴が履けないくらいになり不安になっています。 足首からリウマチが始まっているので、足に薬が効果を出しているのでしょうか? 手の腫れはましになりましたが、足が浮腫み不安です。
悪性リウマチというのは悪性関節リウマチ(血管炎を伴い全身の臓器障害を伴う関節リウマチ)のことでしょうか?そうであれば心臓や腎臓にも影響を及ぼして、特に下肢(足)のむくみがでることがあります。また多くの薬剤の関連で浮腫むこともあります。さらに関節自身が腫れていてむくみになることもあります。これらのことを主治医の先生に鑑別していただき、どのような治療をするのかを考えていただくようにご相談ください。(令和2年4月)
- Q.131関節リウマチ歴17年になり、各関節などに変形があります。2週間前に中指の第二関節が脱臼したようなのですが、元に戻す治療はありますか? もうこのまま変形していくのを待つだけなのでしょうか?
「2週間前に第3指第2関節の脱臼した」ということですが、急に脱臼すると激痛になりますので、徐々に亜脱臼が進行していたものが2週間前に判明したということだと考えられます。亜脱臼の程度によりますが、軽度の亜脱臼や関節変形が出現してあまり時間が経っていない状況であれば、関節周囲の軟部組織に対する手術のみで変形が解消する場合があります。一方、中等度の亜脱臼や関節変形が出現して時間が経った関節の場合、人工関節置換術や関節固定術の適応になる場合があります。一度亜脱臼が出現すると、いくら薬物治療を強化しても亜脱臼は解消せず、関節変形が進行する場合がありますので、日常生活に支障がある場合は手術を考慮されてよいと思います。
リウマチの手指関節の手術は専門性が高いため、通常の整形外科では対応不能の場合が多いので、関節リウマチの手術を積極的に行っている、あるいはより具体的に、リウマチ手の手術を行っているという施設を探されるとよいと思います。(令和4年6月)
- Q.132私は診断から6年目の関節リウマチ患者で、ずっとメトレートを週一回現在は8mgを服用しています。また約1年前からリンヴォックを服用しています。 最近メトレートを朝に飲むと昼ごろから具合が悪くなり、下痢をするようになりました。排便したもののなかにメトレート(あるいはリンヴォック)の錠剤がそのままの形でありました。この現象が3週くらい続いています。下痢の体調不良は大変辛いですが半日程度で動けるようになり、関節リウマチ自体は良くも悪くもなっていないと感じています。これはよくある副作用なのでしょうか、すぐに主治医に受診したほうがよいでしょうか。
メトレートを服用した後に下痢や気分不快があり、服用しない日はあまり異常が無いならば、メトレートの副作用である可能性が高いと思いますので、主治医に相談してメトレートの減量や中止を検討していただくのが良いと思います。もし、下痢が持続してるなら、メトレートだけでなくリンヴォックも含めた薬剤の有害事象(感染症や悪性腫瘍など)かもしれませんので、やはり主治医に相談して、消化器科の専門医に診療をいらしてもらい、内視鏡などできちんと精査をしてもらうのが良いと思います。
(令和4年7月)
- Q.1331年半程前から、アクテムラ皮下注射と、ケアラム25mg朝1錠、ファモチジンD10mg朝1錠服用しています。 主治医からケアラムで胃が荒れないようにと言われていますが必ずファモチジンも飲んだ方がいいのでしょうか。 私はやせ形で、体力をつけるため食事に気をつけていますが、全く体重が増えず、胃酸抑制剤が原因のひとつではないかと思っています。
まず、医師から処方されたお薬は、医師の指示通りに服用することが大原則です。それは、医師は診察の際に処方されたお薬をきちんと服用した上での治療効果や副作用などを総合的に判断して治療方針を立てているからです。
現在服用されているケアラム錠には副作用として消化性潰瘍があらわれる可能性があることから、主治医の先生はファモチジンを処方されている意図が読み取れますので、自己判断で中止しないで必ず主治医に相談してください。
(令4年7月)
- Q.134なかなか治療が効かない関節リウマチです。副作用やアレルギー、二次無効で生物学的製剤やJAK阻害薬を使い切ってしまった場合今後はどうなるのでしょうでしょうか?痛みを抑えられず痛み止めも多く使っているため腎臓に負担がかかっています。良い方法はありますか?
ご相談の患者様の場合、詳細なデータが分かりませんので正しいコメントはできませんが、全ての薬剤が使えない/無効ということはあまり経験なく、もしリウマチによる痛みならステロイドを使うしかないと思います。しかし、診断が本当に関節リウマチなのか、が気になります。線維筋痛症など精神的ストレスなが背景にあって起こる「痛覚変調性疼痛」のこともあります。またそれ以外の病気も再検討される必要があるかと思います。
(令和4年9月)
- Q.135関節リウマチとアレルギーは関係ありますか?関節リウマチになってから色々な薬にアレルギーが出ることが多くなりました。今後色々な薬を使うことも不安です。
関節リウマチと薬剤アレルギーの関連は特にいわれておりません。ただ、抗リウマチ薬の副作用で、薬疹がみられる場合があります。点滴で投与する生物学的製剤レミケードは投与中や投与後にアレルギー症状がみられることがあり、重篤な場合もあるため、慎重に投与します。内服薬ではアザルフィジンで強い薬疹がみられることがあります。バファリン(アスピリン)で喘息となったことがある場合は、痛み止めは避けることが必要です。その他の薬剤でも薬疹の可能性はありますが、アナフィラキシーなど重篤なアレルギーがみられることはあまりありません。主治医とよく相談し、治療薬を選択するようにしてください。
(令和4年9月)
- Q.136関節リウマチで治療中です。ネットで見たのですがリンパ球除去療法(LCAP)という治療は現在も行われていますか。
関節リウマチのリンパ球除去療法(LCAP)につきましては、使用するフィルターの製造が困難となり、2020年3月に製造中止となったことに伴い、現在は行われておりません。また、残念ながら製造再開の見込みはないとのことです。(令和4年12月)
- Q.137B型肝炎Hbs抗体陽性です。45歳に発症して現在63歳です。いままでメトトレキサートを使って来ましたが、肝臓の数値が悪い状態が1年以上続いているので、肝臓がこれ以上悪くならないか心配です。何か別の治療方法があるのでしょうか?
ご相談の患者さんにみられる肝臓の障害には、メトトレキサート(MTX)が原因の場合とB型肝炎の悪化、そしてMTX以外の薬剤が原因の場合が考えられます。B型肝炎の悪化についてはB型肝炎のDNAを定期的に調べてると思いますので、それを確認すれば良いと思います。葉酸を1錠(5mg)毎週服用してれば葉酸の摂取量は十分であり、葉酸欠乏が原因の肝臓の障害ではありませんので葉酸を増量する必要はありません。むしろMTX自体による肝臓の細胞毒性が原因と思いますので、リウマチの状態が安定しているならMTXを減量(可能なら中止)するのが良いと思います。リウマチの状態もある程度活動性があるなら、MTXは減量して頂き、肝障害のリスクの少ない他の抗リウマチ薬(ブシラミン、タクロリムス、生物学的製剤など)を代わりに投与していただくのが良いと思います。 (令和4年12月)
- Q.138母親(70代)が関節リウマチのため、治療開始時からメトトレキサートとプレドニンを約20年間服用しています。また、骨粗鬆症のための注射、胃炎の薬も使用しています。症状は落ち着いた状態が長く続いています。 このように関節リウマチの関節炎や痛みがコントロールされている状態で、数十年という長期間、ステロイドを使用することがあるのでしょうか。
現代においてはリウマチの治療薬が進歩し、ステロイドは少量で使用するとしてもなるべく短期間とすることが推奨されています。もちろんステロイドは使用しなくてすめば、それに越したことはないのですが、他剤の副作用やそのリスクある場合や、経済的理由など、何らかの理由で有効な薬剤が使用できないことがあり、ステロイドを使わざるを得ない場合もあります。また、過去長期間使用されている場合にはなかなか中止できない場合も少なくありません。 (令和5年1月)
- Q.13910年ほど前から関節リウマチがありメトトレキサートで治療を受けてきました。最近痛みが増してきたので、先生からエンブレルを薦められ、悩んでいます。エンブレルを使用するとき、現在服用しているメトトレキサートも併用するというお話がありました。メトトレキサートをやめて、エンブレルだけにすることはできますか?
痛みが増してきたとのこと、お辛いかと思います。
今回医師から勧められたエンブレルは、単独使用も可能な薬剤ではありますがが、これまでの臨床データによりますと、メトトレキサートと併用することで、その効果を最大限発揮できるため、エビデンスに基づき、寛解を目指してメトトレキサートを併用することを医師がお勧めしているかと思います。
しかしながら、メトトレキサートの副作用等でどうしても使用継続が困難な場合には、単独使用も可能な薬剤です。
関節リウマチは早期から適切な治療を行えば、症状をコントロールできるため、現在何が一番辛いのかを担当の医師と十分に話し合った上で治療をすすめることが大切と思います。
(令和5年1月)
- Q.140関節リウマチです。生物学的製剤、JAK阻害薬と色々試しJAK阻害薬で落ち着いています。しかし少しずつ痛みが増えて来ました。これまでの流れだと違う治療薬に変更していますが今の薬にしてから初めてこわばりがありません。このままで治療の追加とかはできないのでしょうか?薬が効かなくなってから薬の変更以外にできることはありますか?
JAK阻害薬だけで落ち着いていたのが少し関節リウマチの炎症に再燃傾向が出てきた、ということでしょうか。再燃の場合、いくつか方法があります。①他の抗リウマチ薬を追加併用する②他のJAK阻害薬に変更する、③今まで使用していない生物学的製剤に変更する、などです。軽い再燃なら現在のJAK阻害薬を継続して、非ステロイド抗炎症薬や少量のステロイドを追加併用するのも良いかもしれません。またリウマチの再燃でなく、関節が壊れたりしている場合などは薬でなく外科的な治療法も考えられます。
(令和5年2月)
- Q.14188才の母が、2年前にリウマチ性多発筋痛症と診断され、プレドニンを1年以上服用(徐々に減薬)し、今はアクテムラの皮下注射のみを月2回していて、血液検査の結果が良く、変化がなければ、今後は減らしていくようです。アクテムラはいつまで、投与しなければなりませんか?筋肉低下がみられますが、改善方法はありますでしょうか?胸のレントゲンで、胸部大動脈瘤があるかも、と言われ、もし、動脈瘤があった場合、アクテムラは継続して良いのでしょうか?
リウマチ性多発筋痛症にはアクテムラは日本の健康保険での利用はできません。ただし有効であることは国内外の報告でわかっています。特に高齢者ではステロイドの長期投与による骨粗鬆症、糖尿病などの有害事象を回避することができます。本例はステロイドを中止してアクテムラのみでも症状が治まってるとのことですが、いつまで続けるかの決まりはなく、ある程度良い状態が続けば、アクテムラの投与間隔を伸ばして(3〜4週に1回など)、その後に中止できれば良いと思います。
筋力低下はステロイドの長期投与ではステロイドミオパチーと呼ばれるステロイドの副作用で見られます。それ以外では、疼痛であまり動けなかったための廃用性筋萎縮が原因と思われます。回復には大変時間がかかりますがリハビリを丹念に行うしかないと思います。
大動脈瘤については、ほとんどが動脈硬化が原因ですが、リウマチ性多発筋痛症では巨細胞性動脈炎による動脈瘤であった可能性もあります。その場合はしっかりアクテムラを使用して炎症を抑えることが重要です。
- Q.142今はJAK阻害薬を服用しています。効果無し、副作用等で3種類目です。次は生物学的製剤の注射の治療しかないといわれていますが、どうしても注射は苦手です。他に方法はないのでしょうか?
関節リウマチの治療法は、現在幅広く、一般的な効果と一人一人の患者さんにおける反応は必ずしも同じではありません。まずは、診断や併存疾患の検索も含めて相談してみることも一つの方法と考えられます。
(令和5年2月)
- Q.143リウマトレックスを飲んでいましたが吐き気が酷く中止になりました。他の治療をしていますがだんだん効かなくなり、リウマトレックスを飲んでないとできない治療や効果が続かないものもあると言われ治療が限られています。また、リウマトレックスを試してみることはできないのですか?量を調整することはできないのでしょうか。
メトトレキサート(リウマトレックスの一般名)を少ない量にすれば吐き気は弱くなる可能性がありますが、効果も低下します。最近、メトトレキサートの注射製剤が発売されました(商品名:メトジェクト)。週1回の皮下注射ですが、ご自宅で自分で打つ自己注射も可能です。飲み薬に比べて、吐き気などの消化器症状が出にくいことが知られていますので主治医の先生に相談していただくとよいかと思います。
(令和5年2月)
