リウマチQ&A
- Q.94膠原病でトシリズマブを3回打ったあと、左右のお尻が歩けないほど急に痛くなり、帯状疱疹のような発疹が臀部に出現しました。かかりつけ医では、神経痛と診断され、ロキソニンとリリカを痛みどめで処方されました。これは、トシリズマブの副作用ではないでしょうか。もし副作用だった場合には、生物学的製剤を中止しすれば、痛みや発疹はなくなりますか。
トシリズマブによって帯状疱疹が起こることは一定頻度で知られていますが、他の生物学的製剤とほぼ同等です。トシリズマブ自体で神経痛を起こすことはほとんど知られていません。やめてみて改善するものではないように考えます。
(令和2年2月)
- Q.93関節リウマチと診断されて3年、リウマトレックス週10mgから始めて8mgに減薬、フォリアミンは10mgを服用しています。 投薬開始以降、治めはこわばりや痛みの症状はなかったのですが、夏頃から足裏のむくみ、足膝裏にしこり(ベーカー嚢胞とのこと)の症状があり、翌年冬から手指のこわばりが急に強く出始めました。 主治医にはリウマトレックス増量の希望を伝えましたが、気圧の関係だと言われ様子をみています。こわばりは少し治まってきましたが不安な毎日です。 薬を増やしてもらえなければセカンドオピニオンをした方がいいでしょうか?
ベーカー嚢胞そのものがリウマチの活動性を示しているわけではないので、これだけでリウマトレックスを増すかどうかは考えるところです。
セカンドオピニオンは治療に少しでも不安があり、それが忙しい外来では十分に解決しない場合に活用するための制度です。かかりつけの先生に効率的にご自身の疑問や不安を伝えるために紙に書いて持っていき、それでも治療を十分安心して受けることができなければ、お薬手帳とこれまでの検査結果などを持参して。躊躇せずにセカンドオピニオンを受けていただけばと思います。(令和2年2月)
- Q.924年ほどメトレート10mg週一回、フォリアミン5mg週一回、シムジア注射1本二週に一回、という治療を続けています。 ここ1年ほど強い痛みは出ておらず、ここ半年は血液検査の数値も平均で安定しています。 主治医にはシムジア注射をやめたいと相談していますが、続けた方が良いとの判断です。いつやめられるでしょうか? 薬剤別の標準投与期間等がありましたらご教示ください。
関節の痛みもなく、腫れている関節もほとんどなく、CRPなどの炎症反応も無い状態(いわゆる「寛解」)がある程度の期間(少なくとも半年以上)続いていれば、シムジアなど生物学的製剤はいつ辞めても良い、と思います。
製剤ごとの差については、正確にはわかりませんが、ほとんど無いと思います。多くの臨床研究では、リウマチが発症してから2年以内の早期にしっかり治療(メトトレキサートと生物学的製剤など)された患者さんでは、寛解達成後、生物学的製剤を中止しても、大まかに言って80%の方はその後1年はほぼ寛解を維持できる、という研究が沢山あります。これらの研究では、生物学的製剤を中止して再燃した患者さんでも、再び同じ生物学的製剤を投与することで、ほとんどの方が再度寛解を達成できる、と言われています。
ただ、病歴が長くて生物学的製剤が導入された場合は、寛解後に生物学的製剤を中止しても、およそ半分くらいの患者さんが再燃する、と言われています。
ご相談の患者さんが、発症してすぐにしっかりした治療を受けたかどうかで、生物学的製剤の中止後の寛解の維持率には差がありますが、経済的負担や安全性の面でも、一旦中止することは妥当な治療だと思います。もし、再燃したらすぐにシムジアを再開すればよいのですから。
もう一つの選択は、シムジアの投与間隔を2週間に1回から、3週に1回、さらに4週に1回などと間隔を延長することです。これも、試験が実施されており、ほとんど問題なく延長できる、と言われています。完全な中止が再燃のリスクで心配なら、投与間隔の延長をまずは試みてはどうでしょうか?
(令和2年2月)
- Q.91京都で一人暮らしをしている77歳の母が関節リウマチで苦しんでいます。治療法は注射で症状を抑えるとのことですが、1か月注射代だけで16万円のようです。 費用のこともあり、母は誰にも相談できず、離れて暮らしている私も何もしてあげられない状況です。現在は寒さゆえに手の痛みが激しいらしく、普通の生活が送れないと苦しんでおります。 治療方法、治療費の件等何か良い方法はないでしょうか。
現在の治療に疑問がある場合は、率直に主治医に尋ねることをお勧めします。使用している薬剤名、今後の治療の方針、6カ月、1年なども訪ねても良いかもしれません。十分納得できない場合は、不安を持ちながら治療を受けるよりも、お薬手帳とこれまでの検査結果を持参して他の医療機関を受診されることも問題ないと考えられます。薬剤名と検査結果は今のかかりつけの医療機関で問題なく受け取れると思います。京都市内には多くのリウマチを専門に診療している医療機関があります。リウマチ財団のホームページにも登録医の先生のリストがありますので参考にしてください。
また、金銭的な問題については市の高齢者福祉課・保険課や地域包括ケアセンター(高齢者いきいきセンター)などにもご相談されるとよいと思います。高額医療費の支払いには上限があり、実際に毎月16万円を払っている方はおりません。
(令和2年2月)
- Q.90血液検査にほとんど表れない状態で両親指の変形1度。シェーグレンありです。 関節リウマチだろうと診断され、タクロリムス0.5㎎ケアラム25㎎1日1錠ずつと、メトレート2㎎を週1回で2年近く治療し、今はほとんど痛みが出ない状態です。 主治医は先月の血液検査の結果、薬を増やしたかったようですが、私が状態がいいと言ったので、薬は今までの分量で様子をみることとなりました。 長期間の薬の服用は問題ありませんか? 断薬はどうなると出来るのでしょうか?
薬の用量調整は関節炎の活動性、長期の関節破壊のリスク、血液検査での副作用モニタリングなどで相談となります。適切な副作用モニタリングがされていれば、薬剤を長期に使っても問題ないことがほとんどです。タクロリムス、ケアラムでは腎機能、メトレートでは肝機能などがモニタリングの対象になりますので、アルブミン、クレアチニン、AST、ALTなどが服用開始時から変化していないかご自身で確認して主治医と相談することも可能と思います。病状が落ち着いてきたら徐々に減量し断薬することも可能になることはありますが、まずは関節破壊を進行させないことが重要ですのであまり焦らないことも、高血圧や糖尿病の治療と同じで慢性疾患においては必要かもしれません。
(令和2年2月)
- Q.89現在,、関節リウマチの治療中ですが、線維筋痛症に似た症状が出てきているようなのです。 関節リウマチの治療中でも線維筋痛症になるのでしょうか?
関節リウマチと線維筋痛症との関連については、わが国では情報が少ないのが現状ですが、欧米では古くから両疾患は相互に併存しやすことが知られています。その併存頻度は、およそ10%前後です。線維筋痛症はわが国でも、人口の1.7%(約200万人)にみられるとされていることから、関節リウマチでは約6倍も高い合併率で線維筋痛症を併存します。このことは、関節リウマチに対してメソトレキサート(MTX)や生物学的製剤・経口分子標的薬などで積極的な治療を行って、関節の診察所見、採血検査やエコーによる画像検査で、関節リウマチの活動性が十分に抑えれているにもかかわらず、関節や筋肉・腱などに痛みやこわばりが残っている場合は、線維筋痛症の併存している可能性を考慮する必要があります。線維筋痛症の治療は関節リウマチの治療とまったく異なることから、線維筋痛症の有無の診断は重要です。
(令和2年1月)
- Q.100右中指第2関節の痛みと腫れが気になり健康診断でリウマトイド因子を調べて貰ったところRF数値が148となっており、再検査を勧められ リウマチ科を受診。 再度詳細な血液検査をしたところRf153. MMP3は24、血沈17,抗ccp抗体0.5未満でした。 生物学的製剤での治療を勧められたたのですが迷っています。 リウマトイド因子があるのは確実かと思いますが今のところは日常生活には支障はありませんが早目にから治療開始した方が良いのでしょうか?
右第2近位指節間関節に腫れと痛みがあり、検査ではリウマトイド因子がそれなりに高値陽性であることから、発症早期の関節リウマチ(RA)であろうと評価されます。RAの治療方針は関節の構造的破壊を起こさないために、早期診断、早期治療が原則です。したがって、現在の関節炎症状で日常生活に影響がないから様子をみることは、好ましいことではありません。しかし生物学的製剤をはじめから使用することは現時点では推奨されていません。発病早期であればあるほど従来型の抗リウマチ薬でも十分な効果が期待でき、使用可能な方にはメソトレキサート(MTX)が第一選択薬とされています。生物学的製剤は次の段階での使用薬剤と分類されています。そこで、現在の担当医と開始すべき薬剤とについて相談頂くことが必要ではないかと思います。(令和2年 6月)
- Q.101子供を出産後手のこわばりが強まり、検査で関節リウマチと診断されて治療していますが、数値が低いので医師は強い治療は控えています。しかし痛みが強いので注射を始めたほうが良いのか迷っています。注射をはじめて効かなくなったらとも思うと不安になります。
痛みが強いのは困りましたが、だから注射を使うというのではなく、医師は治療の方針を関節リウマチの病気の勢いを症状や検査の値から数値化してその判断をしています。注射(バイオ製剤)は単なる痛みどめではなく、病気をコントロールすることで痛みが消失するのです。また効かなくなる心配よりも使わないでいて関節が壊れてしまう方が心配です。リウマチの治療は多くの新しい薬が次々でてきており、効かなくなるのを心配して使わないという不安はありません。
(令和2年 7月)
- Q.137B型肝炎Hbs抗体陽性です。45歳に発症して現在63歳です。いままでメトトレキサートを使って来ましたが、肝臓の数値が悪い状態が1年以上続いているので、肝臓がこれ以上悪くならないか心配です。何か別の治療方法があるのでしょうか?
ご相談の患者さんにみられる肝臓の障害には、メトトレキサート(MTX)が原因の場合とB型肝炎の悪化、そしてMTX以外の薬剤が原因の場合が考えられます。B型肝炎の悪化についてはB型肝炎のDNAを定期的に調べてると思いますので、それを確認すれば良いと思います。葉酸を1錠(5mg)毎週服用してれば葉酸の摂取量は十分であり、葉酸欠乏が原因の肝臓の障害ではありませんので葉酸を増量する必要はありません。むしろMTX自体による肝臓の細胞毒性が原因と思いますので、リウマチの状態が安定しているならMTXを減量(可能なら中止)するのが良いと思います。リウマチの状態もある程度活動性があるなら、MTXは減量して頂き、肝障害のリスクの少ない他の抗リウマチ薬(ブシラミン、タクロリムス、生物学的製剤など)を代わりに投与していただくのが良いと思います。 (令和4年12月)
- Q.138母親(70代)が関節リウマチのため、治療開始時からメトトレキサートとプレドニンを約20年間服用しています。また、骨粗鬆症のための注射、胃炎の薬も使用しています。症状は落ち着いた状態が長く続いています。 このように関節リウマチの関節炎や痛みがコントロールされている状態で、数十年という長期間、ステロイドを使用することがあるのでしょうか。
現代においてはリウマチの治療薬が進歩し、ステロイドは少量で使用するとしてもなるべく短期間とすることが推奨されています。もちろんステロイドは使用しなくてすめば、それに越したことはないのですが、他剤の副作用やそのリスクある場合や、経済的理由など、何らかの理由で有効な薬剤が使用できないことがあり、ステロイドを使わざるを得ない場合もあります。また、過去長期間使用されている場合にはなかなか中止できない場合も少なくありません。 (令和5年1月)
- Q.13910年ほど前から関節リウマチがありメトトレキサートで治療を受けてきました。最近痛みが増してきたので、先生からエンブレルを薦められ、悩んでいます。エンブレルを使用するとき、現在服用しているメトトレキサートも併用するというお話がありました。メトトレキサートをやめて、エンブレルだけにすることはできますか?
痛みが増してきたとのこと、お辛いかと思います。
今回医師から勧められたエンブレルは、単独使用も可能な薬剤ではありますがが、これまでの臨床データによりますと、メトトレキサートと併用することで、その効果を最大限発揮できるため、エビデンスに基づき、寛解を目指してメトトレキサートを併用することを医師がお勧めしているかと思います。
しかしながら、メトトレキサートの副作用等でどうしても使用継続が困難な場合には、単独使用も可能な薬剤です。
関節リウマチは早期から適切な治療を行えば、症状をコントロールできるため、現在何が一番辛いのかを担当の医師と十分に話し合った上で治療をすすめることが大切と思います。
(令和5年1月)
- Q.140関節リウマチです。生物学的製剤、JAK阻害薬と色々試しJAK阻害薬で落ち着いています。しかし少しずつ痛みが増えて来ました。これまでの流れだと違う治療薬に変更していますが今の薬にしてから初めてこわばりがありません。このままで治療の追加とかはできないのでしょうか?薬が効かなくなってから薬の変更以外にできることはありますか?
JAK阻害薬だけで落ち着いていたのが少し関節リウマチの炎症に再燃傾向が出てきた、ということでしょうか。再燃の場合、いくつか方法があります。①他の抗リウマチ薬を追加併用する②他のJAK阻害薬に変更する、③今まで使用していない生物学的製剤に変更する、などです。軽い再燃なら現在のJAK阻害薬を継続して、非ステロイド抗炎症薬や少量のステロイドを追加併用するのも良いかもしれません。またリウマチの再燃でなく、関節が壊れたりしている場合などは薬でなく外科的な治療法も考えられます。
(令和5年2月)
- Q.14188才の母が、2年前にリウマチ性多発筋痛症と診断され、プレドニンを1年以上服用(徐々に減薬)し、今はアクテムラの皮下注射のみを月2回していて、血液検査の結果が良く、変化がなければ、今後は減らしていくようです。アクテムラはいつまで、投与しなければなりませんか?筋肉低下がみられますが、改善方法はありますでしょうか?胸のレントゲンで、胸部大動脈瘤があるかも、と言われ、もし、動脈瘤があった場合、アクテムラは継続して良いのでしょうか?
リウマチ性多発筋痛症にはアクテムラは日本の健康保険での利用はできません。ただし有効であることは国内外の報告でわかっています。特に高齢者ではステロイドの長期投与による骨粗鬆症、糖尿病などの有害事象を回避することができます。本例はステロイドを中止してアクテムラのみでも症状が治まってるとのことですが、いつまで続けるかの決まりはなく、ある程度良い状態が続けば、アクテムラの投与間隔を伸ばして(3〜4週に1回など)、その後に中止できれば良いと思います。
筋力低下はステロイドの長期投与ではステロイドミオパチーと呼ばれるステロイドの副作用で見られます。それ以外では、疼痛であまり動けなかったための廃用性筋萎縮が原因と思われます。回復には大変時間がかかりますがリハビリを丹念に行うしかないと思います。
大動脈瘤については、ほとんどが動脈硬化が原因ですが、リウマチ性多発筋痛症では巨細胞性動脈炎による動脈瘤であった可能性もあります。その場合はしっかりアクテムラを使用して炎症を抑えることが重要です。
- Q.142今はJAK阻害薬を服用しています。効果無し、副作用等で3種類目です。次は生物学的製剤の注射の治療しかないといわれていますが、どうしても注射は苦手です。他に方法はないのでしょうか?
関節リウマチの治療法は、現在幅広く、一般的な効果と一人一人の患者さんにおける反応は必ずしも同じではありません。まずは、診断や併存疾患の検索も含めて相談してみることも一つの方法と考えられます。
(令和5年2月)
- Q.143リウマトレックスを飲んでいましたが吐き気が酷く中止になりました。他の治療をしていますがだんだん効かなくなり、リウマトレックスを飲んでないとできない治療や効果が続かないものもあると言われ治療が限られています。また、リウマトレックスを試してみることはできないのですか?量を調整することはできないのでしょうか。
メトトレキサート(リウマトレックスの一般名)を少ない量にすれば吐き気は弱くなる可能性がありますが、効果も低下します。最近、メトトレキサートの注射製剤が発売されました(商品名:メトジェクト)。週1回の皮下注射ですが、ご自宅で自分で打つ自己注射も可能です。飲み薬に比べて、吐き気などの消化器症状が出にくいことが知られていますので主治医の先生に相談していただくとよいかと思います。
(令和5年2月)
- Q.106線維筋痛症の患者です。長い間何種類も薬を服用しており現在は8種類処方されています。調べてみると、てんかん薬や胃薬のようなものも処方されているようです。どうして痛みに対する薬ではなく、抗てんかん薬や胃薬など多数の薬が処方されるのでしょうか?また、薬は減らすことはできないでしょうか?
線維筋痛症は原因不明の病気であり、原因療法ができないために、主症状であるつらい全身の痛みを和らげる(緩和)慢性疼痛治療薬が使われます。線維筋痛症の痛みは、痛みを感じる神経が、痛みを感じる場所(例えば腕や背中など)にまったく異常がなく、その部位の痛みを感じる神経が、自然に過剰に興奮しているために感じる痛みです。急性の痛みの薬剤(ロキソニンなど)はまったく効果がなく、痛みの過剰興奮を抑えるために、薬の分類としては本来は抗てんかん薬と分類される薬剤(リリカなど)が使われます。十分な効果が得られない場合は、時には他の抗てんかん薬(デパケン、リボトリールなど)を併用したり、抗うつ薬(サインバルタなど)なども使用されます。ですから線維筋痛症に抗てんかん薬を使うのはてんかん発作を抑えるためではありません。一方、線維筋痛症では精神・心理療法(認知行動療法など)、運動療法も行われることがあります。さらに、線維筋痛症では痛み以外に、随伴症状として抑うつ気分、疲労、睡眠障害や脱力症状など多彩な症状があり、これらに対しても対症療法として、いくつかの薬剤(ドグマチールなど)が、しばしば追加されることがあり、結果的に多数の薬剤の服用(ポリファーマシー)となります。しかし、線維筋痛症の中心症状である身体の広範囲の痛みが緩和・軽減されれば、上記の随伴症状も改善し、薬剤を減らすことも可能です。
線維筋痛症は痛みと多彩な随伴症状があっても、改善すれば、後遺症はまったく残しません。したがって、ご自身なりに、線維筋痛症とうまく付き合う無理のないライフスタイルを工夫され、軽い運動を定期に行い、症状の改善がみられれば、服用する薬剤を一つでも減らせ、気分もよくなり、さらなる好循環で薬剤の減量につながります。(令和3年1月)
- Q.1052年前より総合病院の整形外科で、右膝の変形性膝関節炎の治療を受けていましたが、改善が見られない事から内科転科で検査の結果、昨年、関節リウマチと診断されました。薬の服用により、血液検査の数値は正常値になりましたが、関節の症状に改善は見られません。先月のレントゲンでは膝関節の破壊が進んでいるとの診断を受けて、エンブレル投与が開始されました。丁度一か月が経ちますが、症状に改善がありません。むしろ、これまで唯一、右手中指にだけあった痛みが今は他の指にも広がり、強ばりがあります。このまま、内科で治療を続けるべきか悩みとても不安です。
現在の治療については、エンブレルを導入されても症状の軽快・消失がなく、逆に他の手指の症状やこわばり感の増強があるということですので、エンブレルの効果の判定(効いているのかいないのか?)やエンブレル以外の内服薬の変更などを主治医にまずご相談されてはいかがでしょうか?
関節リウマチの関節痛には主に二つの原因があります。一つは“関節の炎症(関節炎)”による痛みで、もう一つは“関節の変形・破壊”による痛みです。ご相談いただいた膝関節に関しては、元々“関節の炎症”による痛みよりは、“関節の変形・破壊”による痛みの方が強かったのではないかと考えます。“関節の炎症”による痛みのみであれば、エンブレルや他の薬剤に効果があればある程度治まるはずですが、今回の場合症状に改善がないということですので、エンブレルを含めた薬剤が効いていないか、あるいは“関節の変形・破壊”による痛みの方が強いのではないかと考えます。
小さな関節であれば生物学的製剤には関節修復の効果も期待できることがありますが、膝関節のような大きな関節では一般的に修復は望めません。“関節の変形・破壊”の程度にもよりますが、手術治療が必要となる場合もあります。(令和3年 1月)
- Q.104この1月初旬から起床時に両手の指(第2、第3関節)にこわばりの症状が出始め、マッサージをすると5分くらいで治る感じです。でも毎日なので心配で今、検査をしてもらおうと考えています。 関節リウマチと診断された場合どのような治療が始まるのでしょうか? 現在ジョギングで週末10kmほど走っていますが、やめた方が良いでしょうか?治療しうまく寛解状態になったとしたら、どのくらいまで運動しても大丈夫でしょうか?これまでトレッキングもしていましたが続けることは出来ますか?
① ご相談いただいた症状からは関節リウマチの可能性が高いと思われます。なるべく早くリウマチ専門医の診断を受けた方がよいと考えます。
② 仮に関節リウマチの診断がなされた場合、治療に関しては内服の薬剤による治療が開始になると思います。その他関節保護や日常生活動作の指導なども必要になります。薬物治療の詳細に関しては、様々な選択がありますので主治医の先生と十分な話し合いをして決めていただくことが大切です。
③ 関節変形や関節破壊がなければ、元々運動をされていた方は寛解状態にあれば、元の運動レベルに戻してよいと考えます。
(令和3年 1月)
- Q.103母が2年前からリウマチの治療を受けており、現在シェーグレン症候群と間質性肺炎を併発しています。 薬はメトトレキサートを服用中です。 今年の7月に関節の痛みが酷くなり、かかりつけの病院を受診したところ、関節リウマチが急激に悪化していると診断され、アクテムラの皮下注射を週に1回、5週分処方して頂きました。 しかし、アクテムラの副作用の項目に間質性肺炎と書かれており、既に間質性肺炎を患っている母がアクテムラを打つ事により、病状が悪化するのではないかと心配です。
間質性肺炎は何らかのきっかけで炎症が一気に悪化することがあり、命に関わる非常に危険な状態であるため、何よりも早期発見が大切となっています。
アクテムラを使用の際には間質性肺炎に気を付けなければならないのは確かですが、抗リウマチ薬には少なからず間質性肺炎への注意喚起がなされております。現在メソトレキサートを内服中とのことですが、この薬剤も(むしろ本剤の方が)同様に間質性肺炎について注意が必要な薬剤であります。
大切なのは、肺炎の症状が悪化した時にしっかりと対応できることを考え、かかりつけの医師(呼吸器科の先生やリウマチの先生)に使用している薬剤と自覚症状の報告をきちんとしてフォローしてもらえるようにしてください。自覚症状は空咳が増えたり、倦怠感があったりしますが、自覚しづらい場合があるため、普段からお母様が呼吸を苦しそうにしていないか注意して観察するようにしてください。
薬の影響のみならず、病態の影響があることを理解して、症状が悪化したときに自身が対応できる方法(普段から相談できるかかりつけ医や薬剤師などに相談)を検討ください。
(令和2年 10月)
- Q.102シェーグレン症候群と強皮症の未病といわれ、さらに関節が痛いのは血液学的陰性リウマチと言われて、たくさんの薬剤を処方されたが服用しなければならないのでしょうか?(メトトレキサート、プレドニン、フォリアミン、ネキシウム、ボンビバ、エディロール)
あなたの場合はいくつかの病気が合併しているように見えますが、これらはお互いに関係があり、もともとは同じ一つの病気から出ている症状と考えたほうがご理解いただけるものと思います。それらの症状に対していろいろな薬剤が必要になりますし、これらの薬の副作用を予防するためにあらかじめ葉酸、胃薬や骨粗鬆症の薬が必要になります。拝見したところ処方内容に医師としては違和感はありませんが、薬が多いというのであれば医師にそれぞれの薬の必要性を確認されてはいかがでしょうか?
(令和2年 7月)
