リウマチQ&A
- Q.16関節リウマチと変形股関節症との因果関係はありますか?
関節リウマチと変形性股関節症の直接的な因果関係はありません。(2025年3月)
- Q.15関節リウマチは免疫が強すぎて関節を攻撃をするので、もともと健康すぎる人がなる病気だと知人に言われました。本当でしょうか。
関節リウマチの原因はまだそのすべてがわかっているわけではありません。しかし、リウマチになりやすい遺伝的素因(必ず遺伝するという意味ではありません)があります。また、喫煙、歯周病といった生活習慣がリウマチの発症の要因になり得ると言われています。最近では腸内細菌がリウマチと関連するという研究報告もあります。「健康すぎる人がなる病気」とは言えないと思います。(2025年3月)
- Q.196リウマチと診断されて10年以上、メトトレキサート+ブレドニゾロン+ファモチジンで治療をしてほとんど痛みのない生活を送っていました。1年ほど前にMTX-LPDになりメトトレキサートをやめ、イグラチモドにかえました。メトトレキサートを使用していた頃の痛みのない生活よりかは多少痛みのある生活になりました。MTX-LPDになってしまうと、やはり薬の制限があるので仕方のないことなのでしょうか?
MTX-LPD(メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患)を発症された場合、再発を避けるためにメトトレキサートの継続が難しくなることが多く、他の治療薬への変更が必要になります。現在使用されているイグラチモドもリウマチの治療薬として有効ですが、メトトレキサートと比べると抗炎症作用の強さが異なるため、以前より痛みを感じやすくなることがあります。
治療の選択肢としては、イグラチモド以外のサラゾピリンなどの抗リウマチ薬(DMARDs)やIL-6Rに対する生物学的製剤、JAK阻害薬などが考えられます。ただし、これらの薬剤の使用がMTX-LPDの既往のある方に適しているかどうかは慎重な判断が必要です。担当医と相談しながら、ご自身に合った治療を見つけていくことが大切です。日常生活の工夫やリハビリも痛みの軽減に役立つことがありますので、主治医に被薬物療法に関してもご相談ください。(2025年3月)
- Q.68リウマチで、右手の痛みがなかなか治らない為整形外科でレントゲンを撮ったところ、手首の骨の隙間が狭くなり軟骨が擦り減っていました。 バイオシミラーでの治療を考えているのですが、擦り減った部分は痛いままでしょうか?
「手首の骨の隙間が狭くなり軟骨が擦り減っていました」とのことですが、おそらく手関節周囲の骨の周りの軟骨の厚さが減ってきている(関節裂隙狭小化といいます)のだと思います。関節リウマチの滑膜炎による影響だと思います。症状としては、局所の痛みや腫れ、そして関節の変形などが起こる可能性があります。既に関節裂隙狭小化が始まっていると考えると、生物学的製剤(バイオ)、バイオシミラーやJAK阻害薬などの強力な治療薬は関節炎を止めるためには有効な薬剤です。うまく効けば疼痛は止まる可能性があります。(2024年12月)
- Q.27少量5mgのステロイドを内服しています。 医療費がキツく、夜勤の仕事を考えいますが、ステロイド内服中でも夜勤の仕事は可能ですか? 影響はありますか?
ステロイドを内服しているから夜間勤務ができないということはないと思いますが、睡眠不足、夜勤による心身へのストレスは関節リウマチにとっては良い状況とは言えないと思います。(2024年12月)
- Q.26アザルフィジン朝1錠内服中なのですが、家電美容機器には免疫疾患、免疫抑制剤服用の方は使えないと書いてあるのですが免疫調整剤でも使うことはできないのでしょうか?
どのような家電美容機器かにもよるとは思いますので、主治医の先生・製造メーカーにお問い合わせになるのがよろしいと思います。(2024年12月)
- Q.16関節痛と皮疹があり検査しましたが陰性でした。数年たち検査結果が陰性から陽性に変わることはありますか?疑われたのは混合性結合組織病か皮膚筋炎でした。細かい抗体も陰性でした。しかし、どんどん皮疹がひどくなっていきます。混合性結合組織病か皮膚筋炎を疑われたが、血液検査結果は陰性。医師から「普通は陽性にでるんだけどな・・」と言われましたが、皮膚症状はひどくなっていきます。今後、血液検査が陽性に変わることはありますか?
診断が確定していない点が悩ましいです。今かかっている医師は何科の医師でしょうか?リウマチ内科でしょうか?整形外科ですか?皮疹がメインの症状ということであれば、信頼のおける皮膚科で一度診て頂くのはいかがでしょうか?まずはしっかりと診断を確定させることが大切でしょう。(2024年12月)
- Q.14関節リウマチです。温めるといいと言われましたが、温泉に入れば良くなる治るというわけではありません。リウマチと温泉の誤解はなぜ生まれたのでしょうか?何か対処はされていますか?
関節リウマチと温泉の関係は、医学の進歩とともに変化してきました。かつては、関節リウマチを含むさまざまな関節痛が温泉療法によって改善すると考えられていましたが、現代の医学では、関節リウマチは免疫が関与する病気であることが明らかになり、薬物療法が中心的な治療法となっています。温泉療法は、温熱効果による筋肉の弛緩や血行促進、浮力により関節にかかる負担が減少するなど、痛みを和らげる効果が期待できるため、薬物療法の補助的な手段として活用されることがあります。しかし、関節リウマチの根本的に治療するには、専門医の指導の下、適切な薬物療法を受けることが重要です。日本リウマチ財団や日本リウマチ学会も、関節リウマチの早期診断と早期治療を積極的に推奨しています。(2024年11月)
- Q.13関節リウマチで治療中ですが、風邪を引いたり、一般的な病気でも近医での受診を断られたり、診察してもらっても分からない点が多く、主治医に聞いた方がいいと言われることが多々あります。普段は大きな病院にかかっているため、簡単に受診できません、風邪かもしれないとき、発熱時の原因が不明な時、お薬など専門医しか分からない時、など簡単に受診できません、リウマチの方はどのようにしているのでしょうか?
関節リウマチ治療中は免疫を抑える薬を使用しているため感染症にかかりやすい状態にあります。そのため、軽い風邪でも肺炎の可能性がある場合があるので、早めの対策が必要となります。
特に、咳がとまらない、38度を超える発熱、食欲がほとんどない、息苦しい、ひどくだるいなどの症状がある場合には、その症状をお伝えして、できるだけ早い受診を行うことが必要です。
軽度な場合には市販薬の風邪薬や抗生物質を併用しても問題ありませんが、上記症状がある場合には主治医や専門医に確認して必要に応じて受診することが基本となります。
判断に迷った場合には、かかりつけ薬局に相談しても良いと思います。(2024年11月)
- Q.195関節リウマチで生物学的製剤の治療を受けています。数値も落ち着いています。痛みは少しは出ますが、金銭的な影響で例えば、生物学的製剤を1年間だけ使わないなどの選択をしたいと考えています。慢性期(ずっと変化なしと言われています)であればすぐに進行しない、維持できる期間があったりしますか?
関節リウマチが非常に落ちついている状況が半年以上続いている場合には、生物学的製剤をやめられることがあります。しかし、やめることによりリウマチがまた悪くなる可能性もあります。通常は現在のリウマチの状態、生物学的製剤の種類、他の抗リウマチ薬の使用状況などを参考にします。また生物学的製剤をやめられなくても、種類によっては投与量を減らすこともあります。いずれにせよ主治医とよく相談してどうするか決めることが大事です。(2024年11月)
- Q.12関節リウマチの治療でリツキシマブの投与がガイドラインに載せられ承認される見込みと聞きました。実際に承認され使えるようになる見込みはあるのでしょうか?いつ頃ですか?
すでに治験は終了していますので、数年以内には使用可能となる可能性が高いと考えられます。(2024年11月)
- Q.194関節リウマチで治療の前など痛みが強い時にリメタゾンを処方してもらうことがあります。リメタゾンは普通のステロイド剤とどう違いますか? またリメタゾンを注射後、痛い関節がズキズキと刺激されていくような感覚が強くなります。その後一気に落ち着いてきます。こういうことは起こりますか?
リメタゾンは、炎症や痛みを強力に抑える効果があるステロイド薬で、特に急性期の関節リウマチなどの症状に対して使用されることがあります。この薬の特徴として、ミセル化されている場合、患部への薬剤の移行性が高まり、炎症のある箇所で効果を発揮しやすい点が挙げられます。
リメタゾンを注射後、痛みのある関節が一時的にズキズキと強く刺激されるような感覚が生じることがあります。これは薬剤が炎症部位に集中し、その過程で一時的に神経を刺激することが原因と考えられます。この現象は特に炎症が非常に強い箇所で起こりやすいですが、通常は短時間で収まり、その後急速に痛みが軽減していきます。このような反応はリメタゾンに特有というわけではなく、他のステロイド製剤でも注射後に一時的な増痛が見られることがあります。
この一時的な症状は薬の作用の一部であり、多くの場合心配は不要ですが、痛みが長時間続く、あるいは他の症状が加わる場合には、医師に相談することをおすすめします。(2024年10月)
- Q.193私は関節リウマチで生物学的製剤の治療を受けています。多少の痛みはあるものの数値は何年も大して変わらずいます。抗リウマチ薬の飲み薬のタイプは副作用が強くて何種類か試しましたが使えずにいます。生物学的製剤で多少は改善されましたが、結局完全に良くなるわけではないのが現状です。費用も大変ですしそんなに進行もなく、悪化もしていません。あまり進行しないタイプというようなことを言われました。治療をやめて痛みには痛み止め等の対処をすれば過ごせると思いますが、リウマチ自体や合併症など支障はどの程度ありますか?
お尋ねの内容からは、寛解(関節炎なし)には至っていないが、骨レントゲンでは骨破壊が進行していないとお察しします。生物学的製剤の中止は、寛解を半年以上持続出来ている場合に考慮されますが、寛解していても中止により再燃する確率は6-8割と高いです。中止ではなく、生物学的製剤の投与間隔を伸ばすなどの減量を試すなど、主治医と相談してみてはいかがでしょうか。再燃は、骨破壊の進行へとつながりますし、合併症はリウマチ自体がコントロールされていないと出現しやすいため、リウマチ自体がコントロールされていることが最も重要です。(2024年10月)
- Q.11関節リウマチの治療費はたびたび問題になっていると思います。薬価が毎年下がることで負担が減る人もいると思いますが、高額療養費(特に多数該当)を利用している人は私も含め薬価が下がることで該当しなくなり、負担が増え治療が続かないことさえあります。 また、ひとりひとりそうした区分や使っているお薬、処方日数によって変わってくると思いますし、それを個人で計算したり病院側が計算することも困難なのが現実です。 そういったものの指標や、わかりやすいガイドはないでしょうか? また単に薬価が下がれば負担が減ると考えずに何か対応があれば嬉しく思います。 費用に関して案内があれば教えていただけますでしょうか?(確定申告、高額療養費、障害手帳等は除く)
A:ご存じの通り、高額療養費制度とは、年齢や所得によって異なるため、医療機関や薬局の窓口で確認されるのが良いと思います。現在では、各製薬企業が薬剤毎に高額医療制度に対する冊子などを作成して患者さんに配布しているものもございますので、受診されている診療施設や薬局で確認するのが確実かと思います。(2024年10月)
- Q.192関節リウマチ治療のためJAK阻害薬を希望したところ帯状疱疹ワクチン「シングリックス」を接種してくださいと指示があり一回目の接種をしました。JAK阻害薬を使えるようになるのは最短でどのくらいからなのでしょうか? 関節リウマチでメキサトトーレを現在も服用していますが緩やかな効果で寛解までに至っておりません。仕事は官公庁職員で私傷病休暇や勤務軽減を利用しながら現在に至ります。所属からは「いつから通常勤務できるのですか」と言われつらい思いをしております。 アドバイスや事例、回答お願いいたします。
A:帯状疱疹ワクチンの効果が十分に得られるのは、2回目接種の1か月後くらいからとなります。ただ完全にはわかっておりませんが、JAK阻害薬を始めた後にワクチンを接種しても効果はあると考えられていますので、リウマチの状態が悪く待てないような場合は主治医に早めに始めることを相談されてみてもよいかと思われます。(2024年10月)
- Q.191今まで注射で治療していましたが、その注射薬が販売中止になりアザルフィジンEN500㎎に変わりました。週1回朝食後に1錠の服用ですが、調べると1日2回服用と出てきます。何か特別な治療法なのでしょうか?量が少なすぎて効果がないのではと不安です。
アザルフィジンENというリウマチ薬は古くからあるお薬で、日本のみならず世界中でよく使われています。ただ、飲み始めた時に、副作用として激しい蕁麻疹(薬疹といいます)が出る場合があります。そのために半量より始めることがあります(身体を慣らすというイメージ)。また年齢や体重によっては規定の量の半量を投与する場合もあります。主治医の先生に素直な疑問をぶつけてみるのも良いと思います。(2024年10月)
- Q.190現在のところリウマチ寛解で、週1でメトトレキサートを服用しています。最近手指の付け根の痛み、手首や手のひらの腱がつっぱり痛みがあります。リウマチ の薬を飲んでいても、免疫ミルクのサステナを飲んで調子が良くなった方がいらっしゃるようですが飲んでも大丈夫でしょうか?。
個々の健康食品が関節リウマチに効果があるのかないのか、またどのくらいの効果があるのかについては、なかなか判断が難しいところです。そもそも現在のお薬との飲み合わせもありますので、主治医とご相談するのが良いと思います。(2024年10月)
- Q.10一昨年リウマチ性多発筋痛症を発症し、3週間ほど入院しました。ステロイドの服用で起き上がり動けるようにもなりましたが、現在はリウマチ症状が発現しており、リウマトレックスでは効果がみられないといわれ、生物学的製剤を勧められていますが、注射が高いこともあり明らかに生活を圧迫するので踏み切れません。医療費の補助がでるようにならないのでしょうか?
医療費助成は、医療費の自己負担を軽減する制度で、対象疾患や給付内容、自己負担割合なども様々です。世帯収入なども関係してきますので、詳しいことは、おかかりになっている病院・クリニックの医療相談の窓口でご相談されるのが良いと思います。(令和6年10月)
- Q.461回目モデルナアーム、2回目39度の高熱、3回目コロナワクチン接種後38度以上の高熱、その後左右股関節痛から左右肩関節痛へと痛みが広がりました。それまで病気らしい病気はしたことなく、おかしいと感じたので早期に血液検査、エコー検査等をして関節リウマチと診断されました。健康被害として申請できますか?
2021年から現在までにPMDAに報告があったデータを確認してみますと、コロナウイルス(SARS−CoV−2)RNAワクチンが被疑薬となっている関節リウマチの報告は、スパイクバックスが11件、コミナティーが78件でした。
いずれも原因は不明となっていますが、ワクチン接種により、細胞免疫を活性化するため、それに対する抗体が生じて、そこに炎症が発生する可能性は否定はできないと考えれらます。(令和6年9月)
- Q.67初めてアダリムマブ注射をし、一週間が過ぎて注射部位に発赤があらわれ赤みが増しています。かゆみや痛みはないですが、自然に消失するのでしょうか。次の受診までそのまま経過を見ても大丈夫でしょうか。
アダリムマブ注射後一週間での注射部位の発赤ですね。赤みが増しているとのことですので、主治医の診察をお受けになることをお勧めします。(令和6年9月)
