リウマチを知ろう!

リウマチQ&A

Q.188JAC阻害薬は生物学的製剤に比べて、悪性腫瘍などの発生率が高いなどの報告がありますか。また、ヒュミラが効果無くなったので、すぐにJAC阻害薬にする流れは通常でしょうか?

JAK阻害薬の悪性腫瘍のリスクは、1つの臨床試験でTNF阻害薬(主にヒュミラとエンブレル)よりも多かった、というデータがあるのみで、5つのJAK阻害薬の多くの臨床試験では、悪性腫瘍が増加するというデータはありません。その1つの試験のデータもよく見ると、JAK阻害薬(ここではゼルヤンツ)で悪性腫瘍が増加しているわけではなく、相手のTNF阻害薬でむしろ悪性腫瘍の少なかった、ということでした。よってJAK阻害薬で悪性腫瘍が増加する、ということは基本的には無いと思います。10年以上の長期使用ではどうか?という懸念はありますが、用法用量をきちんと守って過剰投与にならないようにすれば心配はないと思います。悪性腫瘍の原因としては、一般には喫煙、家族歴(遺伝?)、加齢と、ウイルス(肝炎ウイルス、EBウイルス、ヒトパピローマウイルスなど)がありますので、遺伝や加齢は仕方ありませんが、禁煙やワクチンなどで予防することが大切だと思います。ヒュミラの効果が不十分な場合にJAK阻害薬に変更することは、臨床試験のエビデンスもあり、現在通常に行われており、効果も期待できると思います。(令和6年9月)

Q.15関節リウマチ歴9年になるのですが、40代になって更年期障害用のサプリを飲んだところ、次の日朝手や肘、足の痛みが和らいでいました。 サプリだけで、リウマチ薬を飲んでいないと骨の破壊は進んでしまいますか?

現状、サプリメントで関節リウマチの疾患活動性をコントロール出来る科学的な証拠を有するものはありません。
それぞれの患者さんの状態に応じた抗リウマチ薬をはじめとする各種薬剤を服用しなければ、骨・関節破壊は進行する可能性が高いと思われます。(令和6年9月)

Q.187肝血管腫持ちです。リウマトレックスは肝炎などは使用できないとありましたが、飲んでも大丈夫でしょうか?

血管腫と肝炎は別物です。肝血管腫があったとしても、肝臓の機能が正常であれば、リウマトレックスは通常量で内服できます。(令和6年9月)

Q.186関節リウマチと診断されました。 主治医は、メトトレキサート8mgから始めます。とおっしゃいましたが、少ない量2mgから始めて、効かないから増やしていくのではなく、なぜいきなり8mgからなのですか? また、喫煙者ですが、禁煙してからでないと、服薬治療は始められないですか?

メトトレキサートは、関節リウマチ治療の基本となる薬剤の一つです。この薬は、適切な量から始めることで、病気の進行を早めにコントロールすることが重要とされています。6mgまたは8mgから始めることが推奨されています。これは、より少ない量から始めるよりも、早期に効果を得るためです。例えば、2mgのような少量から開始すると、効果が十分に現れるまで時間がかかり、その間に関節リウマチの症状や炎症が進行してしまう可能性があります。ですので、最初から8mgの量で治療を開始することも一般的な方法です。

また、メトトレキサートの増量は通常4週間ごとに行われます。治療の初期段階で病気をしっかりとコントロールすることが、将来的な関節のダメージを防ぐために非常に重要です。

次に、喫煙に関してですが、喫煙は関節リウマチの治療効果を低下させる可能性があり、禁煙は治療効果を高めるために非常に重要です。ただし、禁煙してからでないと治療が始められないということはありません。禁煙は推奨されますが、喫煙者の方でも治療は可能です。主治医と禁煙に向けたサポートについても相談してみることをお勧めします。(令和6年9月)

Q.15今回、7月きき手のこわばりと指関節、足指関節に痛みがあったため整形外科に行きリウマチの血液検査をお願いしました。 結果は抗CCP1.2 CRP0.03との事で陰性と言われました。 他の検査はしていません。 検査はこの2項目だけです。今年の4月に膠原病疑いで検査した時は抗CCP抗体は0.5でしたが、この抗CCP抗体の値が今回、増えていると言う事は陰性でも、症状とともに今後、急に上昇する可能性があると言う事でしょうか? 3ヶ月の間で値はこんなに変わるものなのでしょうか?

今回の抗CCP抗体の値の変化は検査の誤差の可能性が高いと思われます。しかし、関節リウマチでは抗CCP抗体が陰性の場合もありますので、陰性だからリウマチでないとは言えません。いずれにせよ、関節の症状や血液検査、X線などの画像検査で総合的に診断を行います。おそらく現在、リウマチが疑われる病状ではないのかと思われますが、もしご心配であれば、リウマチ専門医を受診していただくことをお勧めいただします。(令和6年9月)

Q.66抗CCP抗体の数値が高ければ高いほど寛解までの道のりは長いとの情報をみましたが、治療を続ければ元の数値が高くても関節の変形は止められるのでしょうか? また、抗CCP抗体が高い人には理由があるのでしょうか?

抗CCP抗体は関節リウマチの診断だけでなく、関節リウマチの発症を予測することがある程度可能です。また、抗CCP抗体陽性の関節リウマチでは骨破壊の進行が速いことが知られていますが、抗CCP抗体の数値が高ければ高いほど寛解までの道のりは長いということは科学的根拠はないと思います。抗CCP抗体は関節リウマチの治療法を決める上でも重要で、特に数値が高い方は将来的な関節の変形を防ぐためにも早期の治療開始が勧められます。早期に適切な治療を行えば関節変形を止められる可能性は高くなります。
また、抗CCP抗体は遺伝的な要因や歯周病や喫煙などの生活習慣が影響しますので、特に歯周病や喫煙習慣のある方は解決した方がよろしいと思います。
(令和6年9月)

Q.185両肩両手首が痛く4か月良くならず専門医で受診し関節リウマチと分かりメトトレキサートを4錠1か月飲み、少し良くなるが足指が痛くなり6錠を3か月飲むが大きな変化が無く痛い日々が続くので、次回の受診で生物学的製剤を医師に言った方が良いのか悩んでます。

関節リウマチの場合、メトトレキサート6錠(12mgでよろしいでしょうか)で効果が乏しいようであれば、生物学的製剤を考慮します。主治医は自覚症状だけではなく、他覚的な関節炎の状態と血液検査の経過も合わせ、判断すると思います。治療方針は、患者さんと医師が話し合いながら決めることが大切ですので、患者さんが治療の希望を話すことは歓迎されることです。一つ気になるのは、抗CCP抗体陰性、リウマチ因子陰性で、MMP-3が低値の割にCRPが高いため、関節リウマチ以外の病気の可能性について、お聞きになってもいいかもしれません。                                               (令和6年8月)

Q.65関節リウマチは免疫を上げると痛みがでますか? 免疫が下がると痛みますか?

関節リウマチは自己免疫+炎症性疾患であり、イメージとして「免疫が上がる」ことで、「リウマチの症状が悪くなる」すなわち「痛みが強くなる」という印象はあるかもしれませんが、免疫の状態と痛みの強さはあまり関連はありません。実際リウマチ因子が高く、免疫グロブリンが多くなっても痛みがないこともしばしばあります。逆に免疫が低くなっている状態でも痛みが出ることもよくあります。関節リウマチでは、通常、免疫の高さではなく、炎症の強さ(血液検査ではCRPの値が高いこと)と痛みの強さが概ね関連しますが、それでも一致しないことはよくあります。痛みの原因は様々で、免疫や炎症も含めて異常がなくても、「痛覚変調性疼痛」と呼ばれるような、脳の痛み感受性が高まっていることによる痛みもあります。関節リウマチの患者さんの「痛み」が全て「リウマチの悪化」とは言えませんので、抗リウマチ薬の過剰投与にならないよう、痛みが本当にリウマチによるものかどうか、見極めることが大切です。

(令和6年8月)

Q.184関節リウマチと診断されました。処方薬アザルフィジンで様子をみてと言われましたが、1ヶ月半ころ痛みが強くなっていき、エタネルセプトBS50mgの皮下注射になりました。その注射の基本投与方法は週に1回から2回なのですが.1ヶ月に1回ずつで様子をみる言われました。飲み薬もアザルフィジンのままです。注射後2週目くらいに痛みが強くなったのですが、注射の基本投与時期を長くするのはどうしてでしょうか?血液検査の数値のためでしょうか?その間に注射の効能が切れて関節リウマチが進行するのでは心配です。

確かにエタネルセプトの一般的使用法とは異なっていて、その先生の治療法はよく理解できません。エタネルセプトの効果時間は短いので通常は50mgを週1回注射します。調子がよいときに注射間隔をあけることはありますが、それは寛解している場合ですし、1か月に一回という使い方はよくわかりません。       (令和6年8月)

Q.2540代の女性です。生物学的製剤皮下注射(IL-6レセプター阻害薬)をしています。抜毛がひどいのですが、関係性がありますか?

医薬品添付文書上、「脱毛症」に関する副作用の発現頻度は、以下の通りです。
アクテムラ皮下注:1%以上
ケブザラ皮下注:記載なし
薬剤との関係性について、全くないとは言い難いですが、再審査・市販後の調査等の結果や医薬品リスク管理計画の内容からも本剤が直接の抜け毛の原因となる注意喚起等の記載は見当たりません。
抜け毛の原因には、ホルモンバランスの乱れや栄養不足、ストレス、卵巣や甲状腺など内分泌系の疾患、
不規則な生活習慣等も考えられますので、専門医に相談することも選択肢の一つとしてご検討ください。      (令和6年8月)

Q.291人妊娠中、産後、授乳中もシムジアを使用していました。その後シムジアが合わなくなり、オルミエントを使っていましたが、オルミエントは妊娠中には使えないため、次の妊娠をするためにはどうすべきでしょうか? また、生物学的製剤で胎児に奇形が出ることはありますか?

シムジアに対する抗体ができたことが推測されますので、シムジアには戻さず、比較的胎盤移行性が低いことが示されているエンブレルに変更されてはと思います。アクテムラも最近無事出産できたとの報告が増えてはきましたが、より安心して使用できる薬剤となるとエンブレルになります。なお、生物学的製剤で先天奇形が増えることは報告されておりません。
(令和6年8月)

 

Q.10発症は16歳。現在57歳で、ボルタレン2錠とタクロリムス3mgとケアラム2錠を服用中。39歳より開始のメトトレキサートは、吐き気と激しい腹痛と下痢で中止。昨秋人工膝関節両側置換術を受けましたが、以降30年近く90度で拘縮し可動域0の両肘と挙手が不可な両肩の痛みが激しくなり、今2月の採血でCRPが3.95と急上昇。自己注射を提案されていますが、金銭的にも、又自身での接種も両手指の変形が酷く無理ですし、何より自己注射の針と副作用も怖いので、人工肘にしたいのですが、人工肘対応の病院はどのように探したらよいでしょうか?

現在は両肩の痛みと両肘の可動域制限が症状の主体とのことですが、全身的なリウマチのコントロールはおそらく生物学的製剤によるものを勧められていると思います。
肘関節の手術についてですが、「30年近く90度で拘縮し可動域0」とのことですので、おそらく“骨性強直(関節が完全に骨で固まっている状態;強直肘)”の状態だと思います。手術としては人工肘関節は確かに1つの候補にはなりますが、一般的に人工肘関節の術後成績は膝や股関節と比較して長期成績が芳しくなく、術後早期のゆるみや術後感染の可能性が高くなります。返答者の施設では人工肘関節は基本的には70歳以上に限って行っています。強直肘では関節周囲の靭帯や筋肉が機能しておらず、急に人工関節を入れても術後にそれらの軟部組織が機能をすぐに回復することはなく、機能回復にかなり長期の時間がかかります。近年では肘関節に対しては関節温存手術も適応が広まっていますが、軟部組織が機能していない状態では術後成績は比較的低いものとなります。
肘関節を専門とする施設は関東圏でもかなり限られます。大学でいえば昭和大学・東邦大学等になります。インターネット等を使って、情報を収集されることをお勧めします。
(令和6年8月)

 

Q.6417年前に関節リウマチを発症し、リウマトレックスで治療中です。現在入れ歯を使用していますが、今ある歯を残すためにインプラントにしたいのですが、リウマチ患者は骨が弱いのでインプラントはしないほうがよいのでしょうか?

歯科に関する質問ですので明確なことは申し上げられませんが、一般的には関節リウマチの患者さんに対しての歯科インプラント治療は禁忌(行ってはいけない)とはなっていないと思います。ただ患者さんごとに骨の状態は違うと思いますので、それぞれの担当医にご確認ください。
(令和6年8月)

Q.181生物学的製剤エタネルセプトBSから同じTNF-α標的のナノゾラを皮下注射していますが(MTXは6ミリグラム)、期待した効果が出てきません。主治医からは、IL6標的の薬剤への変更を提案されましたが、この場合CRP値が抑えられるため、参考にならなくなり、治療の効果判定が難しくなるとの説明を受けました。IL6標的の生物学的製剤にした場合、どのような検査値をみていくのがいいのでしょうか。

抗IL-6受容体抗体を使うと、CRPは確かに全く陰性化されてしまうことが多いです。その際に血液検査値では、MMP-3が参考になります。MMP-3を含め、関節リウマチの治療効果判定の検査に関しては、当HPの関節リウマチの検査の項に記載されていますので、参考になさって下さい。また関節リウマチの活動性は血液検査所見だけで判断するものではありません。患者さんの痛みや腫れ、関節エコーなどから総合的に判断するべきものです。          (令和6年7月)

Q.14現在リウマトレックス(3錠)を服用中です。 栄養剤の成分表に葉酸と記載があるため、飲用をやめた方がいいのか判断できずにいます。

リウマトレックス(メソトレキサート:MTX)服用中は葉酸と記載があるサプリメントでも栄養剤でも用量に関係なく使用すべきではありません。

(令和6年7月)

Q.50リウマチの疑いで血液検査をしました。CRP値や抗CCP抗体が低いのに、MMP-3が高くなることはあるのでしょうか。また、そのような場合は関節リウマチとなるのでしょうか。

そもそも関節リウマチの診断は血液検査だけで決めるものではありません。MMP-3は関節の傷害を意味していて、MMP-3 だけ高いこともありますが、それで関節リウマチと診断できるわけではありません。

(令和6年6月)

Q.180メトトレキサートを飲み忘れてしまったので,翌週にずらすとしてその際、飲み忘れた回の葉酸製剤は飲むべきでしょうか?

葉酸はリウマトレックス(メソトレキサート:MTX)の作用を打ち消してその副作用を抑えるためのものですから、リウマトレックスを全く飲まなかった週の葉酸は原則的には飲む必要はありません。

(令和6年6月)

Q.9発症30年、57歳の関節リウマチ患者で両肘90度の拘縮、手指趾の変形などあり、両側人工膝関節にしています。最近肩痛で着衣が困難になりました。57歳という年齡では、肩、肘の人工関節は早すぎるのでしょうか?。また逆に私の様な手遅れの者は、もう生物学的製剤の恩恵には預かれないのでしょうか

27歳から関節リウマチに罹患されているとのこと、また関節変形も少なからずお持ちですので、大変な毎日を過ごされていると思います。
さて57歳での肩・肘の人工関節ですが膝や股関節とは異なり、肩・肘の人工関節は現状では耐用年数が短いため、やや早いと言わざるを得ません。おそらく20年持てばよい方だと思いますので、人生100年時代ということを考えますと、最低一度は再置換術が必要になる可能性が高いです。ただ、疼痛や可動域制限で日常生活の支障が大きい場合は、手術が考慮されることもあります。関節の状態にもよりますが、最近では人工関節にはせずに関節温存手術を行う場合もありますので、リウマチの手術を多く行っている施設でご相談されてもよいと思います。
生物学的製剤やJAK阻害薬は効果が非常に高いものの、破壊が進行した関節を基に戻す効果はありません。一方で生物学的製剤やJAK阻害薬は、術後の日常生活動作を維持したり、新たな関節破壊を抑制するなどの恩恵はありますので、病気のコントロールに必要な場合は積極的にその使用を考えて頂いてよいと思います。

(令和6年6月)

Q.179CRPの値は正常値なのに体が痛いです。レミケードを使用しておりますが、薬を変えた方がよいのでしょうか?

体の痛みとは、どこが痛むのでしょうか?また、レミケード以外にどんな薬をお使いでしょうか?詳細な状況がわかりませんので適切はアドバイスはできませんが、考えらえる可能性を申し上げます。例えば、背中や腰の痛みの多くは筋・筋膜性腰痛症、肩から首の痛みは頸肩腕症候群とも言いますが、要は筋肉の凝りで、同じ姿勢を長く続けるような仕事や生活習慣からくるものです。また、精神的なストレスでイライラしたり、悩んだりしてると、痛覚が過敏になって、体には何も悪いことが起きていないのみ痛みを感じる場合があります(痛覚変調性疼痛、と言います)。リウマチや強直性脊椎炎の管理が悪い場合は必ずCRPの値は上がります。従ってCRPが正常なら強直性脊椎炎の方はうまくコントロールされていると思います。筋肉の凝りが原因と思われる場合は、ラジオ体操のような適度な体操・運動をするのが良いと思います。ストレスが原因らしい場合は、ストレスの原因を受け入れて気にしないようにして、薬に頼らないようにした方が良いでしょう。むしろ、強直性脊椎炎のコントロールが良い状態が長く続いてるなら、レミケードを中止して様子を見ても良いかもしれません。

(令和6年6月更新)

Q.14生物学的製剤を導入する前に感染症の検査を受ける予定ですが、保険はききますか?特にHBc、HBeで気になります。

これは生物学的製剤を開始する医師が前もって検査しなければならない項目です。当然医療保険がカバーされます。

(令和6年6月)