リウマチを知ろう!

リウマチQ&A

Q.19突発性器質化肺炎で入院、発病から2ヶ月後に関節リウマチと診断されました。大量のステロイドで高熱や全身の関節の痛みはかなり改善。しかし炎症反応はその後も下がりきらず、わずかながら骨びらんも始まっていました。アザルフィジン、シムジアは効果が不十分で、2ヶ月半後からリウマトレックス16mg/週、3ヶ月半後からゼルヤンツを開始、その後検査数値は徐々に良くなり、ステロイドを減量、現在は1.5mg/日までになっています。ただ、発病から4ヶ月で両手の中指などにスワンネック変形が出始め、発病後15ヶ月の現在痛みと動きにくさがあります。医師から中指の手術を勧められていますが、進行が早いので手術後も変形が進んで手術の繰り返しになるのではと不安です。手首にも痛みがあります。手術を急ぐべきでしょうか? また、最近足がとても冷たくて1ヶ月前から指や踵に霜焼け(かゆくはない)のような症状があります。血管に炎症が起きた結果血流が悪くなっていると言われ、血流を良くする薬をもらいました。ネットで悪性関節リウマチで血管に炎症が起きるとありましたが、その可能性はありますか?

リウマチの炎症が落ち着いており、その状態を維持できそうであれば手術自体に問題はないかと思われます。しかし、手術を行うか、またその時期に関しては、日常生活での不便さや手術の内容によりますし、術後にまた変形してしまう可能性はないとはいえないように思われます。そのあたりも踏まえてご担当の医師とよく相談されてください。皮膚症状が血管炎かどうかは、拝見していないので何とも言えません。通常、血管炎はリウマチの関節症状が悪い時期に出ることが多いのですが、可能性がないとは言えません。疑わしければ皮膚生検という検査で診断がつくことがあるので、一度大きい病院の皮膚科を受診されてみては如何でしょうか。

(平成30年2月)

Q.18ここ数か月、朝の手の指のこわばりと痛みがひどく、関節リウマチではないかと心配です。いまは医療機関にかかっている時間がなく、インターネットでいろいろなサイトをみていますが、写真やイラストのような変形が生じるのが特に心配です。 関節リウマチになると、何割くらいの患者に手の変形が生じますか?

関節リウマチでは、早朝から関節の骨と軟骨の破壊がみられ、進行すると関節の変形に至ります。進行のスピードは患者さんによりさまざまです。現在は早い時期に関節リウマチを診断し、有効な治療を開始することにより、多くの患者さんで関節の骨の破壊や変形を防ぐことが可能であり、以前より変形を生ずる患者さんの割合は大きく減少してきています。

ご自身の関節の症状が持続されているのであれば、なるべく早くリウマチの専門医を受診されることをお勧めします。

(平成29年12月更新)

Q.1780歳になる母が、1か月前より、両膝の腫れと強い痛みがあり、最近、関節リウマチと診断されました。しかし、抗CCP抗体は陰性で、リウマトイド因子が高かったと言うことなのですが,抗CCP抗体が陰性に出る関節リウマチはあるのでしょうか?

抗CCP抗体は関節リウマチの特異抗体として診断の目安になり、その精度(感度特異度ともに)がリウマトイド因子より高いことが知られています。しかしそれは相対的なもので100%というわけではありません。ですから患者さんによっては抗CCP抗体は陰性であるがリウマトイド因子は陽性ということはしばしば起こります。(平成29年8月)

Q.1685歳の母ですが、約2年半前から、肩の痛みがじわじわ、微熱とともに、37.2度くらいになり、かかりつけ医に行き薬を処方されましたが良くならず、膠原病の疑いがあると言われました。肩に触れるだけでものすごく痛がり、高熱39度で総合病院に入院。病名はわからず点滴と内服で寛解後退院。自宅でステロイド錠毎日5mg服用、痛みが寛解してましたが、今年1月右手の腫れと痛みで入院、蜂窩織炎と診断され2週間で右手の痛みはあるものの退院。長期ステロイド内服による影響とのことで、2ヶ月前からステロイド内服中止。装具治療後も良くならず、介護の領域だと言われました。痛み腫れはあるものの、本人は右手が使えず困っています、関節リウマチではないでしょうか?

関節の痛みを起こす病気は非常に多いので、ご質問の内容から関節リウマチかどうか判断するのはむずかしいのです。ただ、関節リウマチ自体で39度高熱がでることはまずありませんので、関節リウマチではなく、リウマチに類似した病気の可能はあるかもしれません。右手の腫れについては蜂窩織炎とのことでしたが、関節の症状が続いているようであれば、関節リウマチなど関節炎を起こす病気の可能性も考える必要があるかと思われます。主治医の先生にリウマチの可能性を伺って、もしはっきりしないようなら、一度、リウマチの専門医を受診されることをお勧めいたします。

Q.321ヶ月半前ごろから、股関節のだるさ 足の裏、踵の痛み足首の痛み腫れが続いてます。治っては違う場所が痛くなるのを繰り返しており、熱や体のだるさなどはありません。整形外科に受診し、レントゲンでは骨の異常なし。採血はCCP抗体陰性 CRP2.16 α1、α2、β1グロブリンは上昇してました。CCP抗体陰性のため、インフリー(100)2錠朝夕内服して様子をみています。痛みはましですが、詳しく関節リウマチの検査をしなくても大丈夫ですか?関節リウマチにかかってないのでしょうか?

CCP抗体は関節リウマチの診断の上で重要ですが、関節リウマチの患者では必ずしも陽性になるわけではありませんし、これだけで関節リウマチではないと診断できるわけではありません。念のため関節エコーやMRIなどで確認する必要はあります。また関節リウマチに近い他の病気、たとえば脊椎関節炎などの病気の可能性を考えることも必要です。
(令和3年2月)

Q.281年前に前身の関節痛、手のこわばりがあり受診しましたが、検査の結果関節リウマチではないといわれました。しかし症状は続き再度検査したがやはりリウマチではないといわれました。症状はリウマチに酷似しているのですが。

回答を確認できませんでした。

Q.29関節リウマチと診断され15年以上たちます。メトレート2mg x 5錠を飲んでいます。CRP、腎機能、肝機能は正常値ですが手首の腫れと時々痛みがあります。先生は生物製剤を使用すると腫れもひくというのですがCRPが正常値でも生物学的製剤を使用するべきでしょうか?

手首の腫れと程度にもよりますが、「時々痛む」ということと、CRPが陰性であることから、リウマチの活動性はコントロールされているように思われます。したがって、現時点では生物学的製剤の追加は必要ないと思います。特に、「片方の利き手の手首が時々痛む」という場合は、使い過ぎによる影響もありますので、そのような心当たりがあるなら、手首への負担を軽減するようにして、局所の湿布や外用薬で対応しても良いと思います。しかし、腫れが著明で、関節レントゲンで以前より骨破壊の所見が進行しているとか、関節エコーやMRIなどで滑膜炎が明らかにある場合は、仮にCRP陰性でも、現在の治療が不十分と判断することがあります。そのような場合は、生物学的製剤やJAK阻害薬などの治療を追加することはあります。念のため、関節エコーなどで確認するなど、本当にリウマチが悪いのか、主治医にご判断していただくのが良いと思います。 (令和2年10月)

Q.3030歳で関節リウマチと診断され、それからリウマトレックスとエンブレル注射(25mg)を投与しています。今年に入り、体重減少、疼痛増強、手の指の腫れが出現、朝のこわばりも一段と酷くベッドからの起床が困難になっています。リウマチの症状悪化なのでしょうか? 更年期障害や他の病気の可能性もありますか?

関節リウマチ(RA)として現在、リウマトレックス(MTX)とエンブレル(25mg)皮下注による積極的治療が行われていますが、担当医は貴方のRAの病状についてどう評価しておられるのでしょうか。RAのコントロールが不十分であるなら、現在の治療薬を変える必要があります。そのような場合には、エンブレルの効果不十分と考え、他の生物学的製剤(エンブレルとは作用点の異なる薬剤)ないし経口薬であるJAK(ジャック)阻害剤などが選択されます。一方、RAが現在の治療で十分コントロールされていながら、RAの悪化のような症状がある場合には、他の病気の併存を考慮する必要があります。記載の症状から、RAと合併することのある病気として、多発性筋炎やリウマチ性多発筋痛症(一般には高齢者が多いですが)、あるいは線維筋痛症などの併存の有無について検討が必要です。そこで、現在の担当医によく相談されてはいかがでしょうか。
(令和2年10月)

Q.43関節リウマチで生物学的製剤を使った治療を受けています。血液検査でカビ感染していることが分かりました。仕事で野菜や果物を扱い、カビの生えたものを毎日処理したりしています。カビ感染はここからのものなのでしょうか?

血液検査で「カビ感染」ということですが、「βーD-グルカン」の値が高いということだと推察します。その場合、ほとんどは体内に元々持っているカビ(ニューモシスチス、カンジダ、アスペルギルスなど)が生物学的製剤の使用などによって免疫が低下することで増殖してくるのが原因です。アスペルギルスなどは環境から吸入して侵入することもありますが、扱っておられる食物に生えるカビから感染することは、一般的には知られていません。ニューモシスチスを疑うならST合剤の内服(バクタなど)または点滴(バクトラミンなど)、カンジダならイトリコナゾールやボリコナゾールなどを使用すると良いと思います。

(令和4年12月)

Q.42関節リウマチ治療中でオルミエントを服用しています。微熱が続いています。血液検査は問題ありません。感染を疑い抗生物質が出されました。飲んだら熱は下がりました。飲みきり2日後からまた発熱しています。怠さのみで風邪症状はありません。どうしたらいいのでしょうか?CRPは高くないので大丈夫と言われますが発熱しているとどこも行けまません。

発熱の原因を探して治すべきです。抗生剤で熱が下がりやめたら再度発熱したということは、体のどこかの細菌感染症が疑われます。オルミエントを服用していると感染を起こしていてもCRPはあまり上昇しないので気を付けなければなりません。

(令和4年12月)

Q.41両方の足指の根本が腫れ、歩く度に痛みがでます。また、時折、肩や手首に動かせなくなるくらいの激痛が襲ってきます。痛みは3日ほどで治っていました。病院へ行き、血液検査をすると、RF定量18、抗CCP抗体168でしたが、CRP0.1、MMP3 28.9と基準値のため、たぶん関節リウマチだろうけど、治療はしないといわれました。足指と肩はずっと痛みが続いています。このまま何もしないでおくのも不安です。ネットにはHRTでリウマチの発症を抑える効果も期待できる。とでていました。関節リウマチであれば早目の治療がよいのではないでしょうか。

無治療の状態で、RFや抗CCP陽性のみでCRPが陰性の場合は、関節リウマチではない可能性があります。あるいはまだ初期で今後典型的なリウマチ症状が出てくるかもしれません。RF陽性などがあるので、背景にシェーグレン症候群などが潜んでいることも考えられますが、痛風などほかの病気の検査もすべきかと思います。単に痛いだけでなく、実際に腫れているのであれば、炎症を抑える薬が必要です。また不安や緊張など、精神的なストレスでも痛みを感じることがありますので、そのような可能性がある場合は、原因となるストレスの解消に努め、どうしても困難な場合は精神科やメンタル科に相談して、抗うつ薬や抗不安薬などを検討していただくのが良いかもしれません。痛みがあるのに何もしないで我慢されることはないと思います。

(令和4年8月)

Q.40最初に、指の関節がピリピリズキズキ数時間で痛みがなくなり別の指の関節に痛みが移動します。腫れはありません。次に足が痛くなりピリピリズキズキと、また時間が経つと痛くなくなります。こんな感じで症状は3週間続き、リウマチ科を受診しました。血液検査結果ではリウマチの反応は無く(RF定量6IU/mL 抗CCP抗体0.5U/mL陰性)炎症の反応もなく(CRP0.014mg/dL)レントゲンと関節エコーで異常ありませんでした。それから2週間後症状は変わらず指の関節と足の関節痛みが移動して、次は肩が痛くなりました。関節リウマチの疑いはないのでしょうか?

関節の症状は関節リウマチを始めとする多くの疾患が原因となります。リウマトイド因子は関節リウマチのない方でも20人に1人で陽性になる非特異的な検査です。また、関節リウマチの診断も初期には十分な所見が揃っていないために確定しないことも少なくありません。持続性の関節の腫れを伴った鈍い痛みが典型的ですが、その他の清浄で発症する方もいらっしゃいます。症状が継続する場合は、再度リウマチ医を受診するか総合内科の先生に他の疾患お鑑別をお願いすることも早期の診断に役立つことがあります。

(令和4年5月)

Q.395年程前より手指の違和感があり、経過観察をしていました。その間、血液データでの異常はありませんでした。約8か月前にX-Pにて肘の骨びらんが見つかり、手指の腫れや熱感などトータル的にみてリウマチ症状なので、陰性リウマチとして内服をはじめました。現在ケアラム25mgを2錠、メトトレキサート2mgを5錠、フォリアミン2錠に胃薬、鎮痛剤です。血液データ上での判断ができないため、医師(3名)にはたびたび『ほんとにリウマチかな?』と不安な発言をされます。きちんと診断して治療をしたいです。診断は無理なのでしょうか?

関節リウマチの診断ですが、血清リウマトイド因子や抗CCP抗体などの検査は診断を行う上で非常に重要ですが、それが陽性であるだけで診断が可能なわけではありません。逆にこのような検査が陰性のいわゆる“血清反応陰性の関節リウマチ”の患者さんは数多くいらっしゃいます。
今回のケースでは、おそらく血清学的検査は陰性であったものの、肘の骨びらんを認めたため、主治医は“血清反応陰性の関節リウマチ”と診断して、抗リウマチ薬を処方していると考えます。『ほんとにリウマチかな?』というのは治療をする側にはよくある思いですが、今回はそれがそのまま患者さんに伝わって誤解を生じたのだろうと思います。

(令和4年4月)

Q.38関節リウマチでリウマトレックス7mm/週、フォリアミン15mg/週、タクロリムス1mg/日を服用し症状は安定しています。一方血液検査ではALTが昨年平均35U/Lが今年は55U/Lに、γGTが昨年平均45U/lが60U/lになっています。担当医はASTは正常値なので減薬しなくても大丈夫だといいますが、このままにしていて大丈夫なのか心配です。 あるいは他の病気を疑われるということでしょうか。

薬剤については直ちに減量や中止をする必要はないと思われますが、持続するようでしたら他の原因がないか検査されてもよろしいかと思います。

(令和3年12月)

Q.37手足指の第一関節がリウマチの審査診断の基準になら入っていないのは何故でしょう。変形性関節症と区別するためと何かで見ましたが、リウマチではそこには痛みや腫れが出ないということでしょうか。

関節リウマチでは第二関節の腫れと痛みが特徴です。第一関節に関節炎があることもありますがその場合も第二関節に何らかの変化があり、第一関節だけに関節炎がみられることは一般的にほとんどありません。一方、変形性関節症では第一関節に節のような硬い腫れがみられ、へバーデン結節と呼ばれています。また、皮膚の乾癬という病気に伴う関節炎は第一関節にみられることがあります。

Q.365年以内にリウマチになるでしょう、大きな関節が腫れたら診察に来るように言われました。半年たって小さな関節の痛み、腫れが数か所に増えています。整形では定期的に検査することを勧められました。リウマチ専門ではないですが整形で検査をお願いしても同じでしょうか。RFとCCPは陽性の場合CPRの数字次第でリウマチ科にかかるか決めたらいいのでしょうか。腱鞘炎や年齢で関節が悪くなっているのか自分で検討をつける方法はないものでしょうか。なるべく薬は使いたくないのですがリウマチならば母のように骨が変形しないように治療したいです。

現在の状況ですが、医療施設を受診されて“5年以内にリウマチになる可能性があると言われ、現在は小関節の炎症が数か所ある“ということでよいでしょうか?
もしそうであれば、既に関節リウマチがしっかりと発症していると考えられます。病気の現状(疾患活動性)や関節の状態は御自身で正確に把握することは不可能ですので、リウマチ専門医(内科でも整形でも可)を早めに受診された方がよろしいかと思います。また“なるべく薬は使いたくない”というお気持ちは理解しますが、もし関節リウマチの診断がつくのであれば、薬物治療は必要と考えられます。薬剤の量や種類の調整はしばらくの間必要ですが、将来的にずっと薬を飲み続けなければならないとも限りません。大切なことは、今ある関節炎を放置しないことです。(令和3年8月)

Q.352021年1月に関節リウマチと診断されました。診断時、RF:111,MMP3:184,抗CCP:316,CRP:1.5でした。現在、CRP:2.8です。メトトレキサートを4週間内服後、首に4か所リンパ腫ができ、内服中止となりました。服薬中止して2週間後、顕著なリンパ腫は1か所となり、現在はリマチルを服用しています。まだリマチルの服用は数日ですが、首に振れるリンパ腫が4か所に増えてきました。リマチルにも、リンパ腫との関連はあるのでしょうか?また、次回の受診は3週間後なのですが、内服の可否について、受診日を待たずに主治医に電話等で相談した方がよいでしょうか?

リマチルとリンパ腫の関連は特にいわれていませんので、やめる必要はありませんが、もしリンパ節がどんどん大きくなる場合には、その原因を調べるため検査が必要となります。次回の診察時にリンパ節のはれについて、経過をを主治医にお話いただくのがよいと思います。(令和3年4月)

Q.34左母指の付け根関節ではない場所に、しこりが出来ました。 MRIをとり少し炎症反応があると言われ関節リウマチを疑い検査をしています。痛み、こわばりなどなしです。 関節リウマチなんでしょうか?

関節リウマチの手では関節の痛みや腫れが第二関節と「付け根」の関節にみられます。関節リウマチ診断のはこうした関節の数やリウマチ因子や抗CCP抗体といわれるリウマチに関連する血液検査が陽性であるか、また血液検査にCRPや血沈といった炎症性の変化があるかなどから総合的に診断されます。MRIだけで診断するものではなくあなたの場合これだけの症状ではなんともいえません、専門医にご相談ください。

(令和3年3月)

Q.33痛みがひどく、2回の血液検査で抗CCP値が陽性で400値でしたが2回とも他の炎症反応の検査には異常がなく、線維筋痛症かもしれないと言われました。そこで、質問なんですが、線維筋痛症でも抗CCP値は陽性と出ますか? また、抗CCP値が陽性と出た時点で関節リウマチなのでしょうか?

線維筋痛症では、関節リウマチ(RA)の診断に重要な検査である、抗CCP抗体、リウマトイド因子(リウマチ反応)、CRP、赤沈さらにMMP-3などに異常がないことが特徴です。
 そこで今回の質問の方の病状で考えられることは、これほど抗CCP抗体が明らかに高い値ですので、今後の経過で関節リウマチを発病してくる前段階の時期である可能性です。抗CCP抗体はRA発症前から陽性になると言われているからです。しかし、現在の身体の痛みは炎症反応が基準値を越えていないことから、担当医から説明があった線維筋痛症の可能性もあります。
実際にRAの約10%に経過中に線維筋痛症とRAとが併存することがあります。したがって、現時点でRAは発症前かも知れませんが、先に線維筋痛症が発症していることもあります。
 治療としては線維筋痛症に対する治療を受けながら、RAの発症の有無を慎重にみることが大事です。また、念のために痛みが関節にある場合は、CRP,赤沈などの炎症反応が上昇するほどでない関節炎の有無を関節エコー検査で評価することが重要です。エコー上、関節炎がわずかでも確認できるなら、早期RAとしての積極的治療が必要だからです。このような点について、担当医とご相談ください。

(令和3年2月)

Q.31関節リウマチの血液検査の数値が低いとMRIでも異常はないのでしょうか?

MRI検査は関節リウマチにおける骨の変化を通常のX線検査に比べて、より早い時期から検出できる検査です。また、関節内の炎症をみることができます。一般的には血液の炎症の反応が高いほど、MRIでの炎症の所見がみられる可能性が高いと考えられます。しかし、MRIだけで診断するわけではなく、関節やその他の診察所見、血液検査を参考に総合的に診断します。関節リウマチ以外の病気がないか調べることも重要です。画像検査では関節の超音波検査が行われることがあり、こちらも早期の診断に役立ちます。
(令和3年1月)