リウマチを知ろう!

リウマチQ&A

Q.43関節リウマチが寛解していましたがコロナ感染後再燃しました。関係ありますか?

関係あるとする報告もありますが、実際に証明することは困難です。まずは、今の状態を再寛解にコントロールすることを第一に主治医と相談してはどうでしょうか。
(令和5年3月29日)

Q.27関節リウマチが寛解状態で8年位になりますが、コロナワクチン接種が引き金になって、再発する心配はないでしょうか。

関節リウマチが新型コロナウイルスで再発したという報告はいまのところありません
(令和3年2月17日)

Q.26甲状腺癌の手術をして機能低下症になっていて、内服薬も服用しています。それに加えシェーングレン症候群で、プレドニンやメトトレキセートも服用中です。医療従事者でもありコロナワクチン推奨されておりますが、接種可能ですか?

あなたが過去のワクチンで強いアレルギー反応を起こした場合には主治医にご相談ください。そうでない限り接種の危険性は一般の方と同じですが、一般の方に比べて抗体ができにくいかもしれません。
(令和3年2月17日)

Q.37ワクチンを接種すれば感染から身を守ることができるのでしょうか?

mRNAワクチン2回を接種した人では、接種後の数か月間、80〜90%程度の感染を予防する効果が認められたことが海外から報告されています。それ以降の期間の有効性についてはまだデータがありません。今後発表されるデータを参考にしてください。抗体価が次第に下がることを懸念して3回目のワクチンが今後行われる予定です。
デルタ株に対する感染、発症の予防効果は30%程度落ちる可能性が2021年7月にイスラエルより報告されましたが、重症化を予防する効果はほぼ全ての変異株に対して90%程度認められており、デルタ株に対してもワクチンの有効性がある程度示されています。ただしワクチン接種により新型コロナウイルスの感染を100%防ぐことはできませんので、ワクチン接種後も基本的な感染対策の継続が必要です。

(一般社団法人日本リウマチ学会のHPより一部変更して引用)
※詳細な情報につきましては個々人で異なります。主治医とご相談ください。
(令和3年10月8日)

Q.244年前よりリウマチ患者であり医療従事者です。 1年以上前からエンブレルの皮下注射をしています。服薬はメトトレキサートとケアラムです。エンブレルのお陰で症状はかなり落ち着いています。リウマチ患者はコロナに感染すると重症化しやすいと言われているので、コロナワクチンを接種するつもりでいますが、副作用が心配です。 現在2週に一本のエンブレルですが、コロナワクチンはどのタイミングで接種した方が安心でしょうか?

あなたが過去のワクチンで強いアレルギー反応を起こした場合には主治医にご相談ください。そうでない限りは接種の危険性は一般の方と同じです。一般の方に比べて抗体ができにくいかもしれません。いつ打つべきかの明確なエビデンスはありませんが同時に打つことはお勧めしません。
(令和3年2月17日)

Q.16現在、全身性エリテマトーデスで治療中です。病院で勤務しています。医療従事者なのでワクチンの優先接種対象者ですが、一方、患者でもあるということで、今回ワクチン接種をする方がいいのか、しない方がいいのか、ご教示いただけますでしょうか。

ワクチンに関する情報は、効果、副作用とも日々更新されています。実際に接種できる時の情報に沿って判断することが最善となります。生ワクチンではないので、基礎疾患によって接種不可となることは少ないと考えられます。現時点ではこれまでの数千万人の接種状況から、高い効果が期待され有害事象の絶対値も他のワクチンと比較して特筆して高いとは考えられていません。今の時点では接種するつもりでいて、実際にワクチンを受ける時点の情報で最終的に判断する事が勧められます。
(令和3年2月5日)

Q.22現在、リウマチ性多発筋痛症の治療2年目です。新型コロナワクチンは何種類かあるようですが、仮に接種指定されたワクチンが生ワクチンだった場合、影響はありますか?

現在準備されているワクチンはmRNAワクチン(ファイザー、モデルナ)、ウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ)でいずれも生ワクチンではありません。また日本では阪大がDNAワクチンを作っていますが、いずれも生ワクチンではありません。
(令和3年2月5日)

Q.28昨年6月関節リウマチと診断され、免疫抑制剤を処方されました。 しかしながら、新型コロナウイルス感染が怖くて一度も薬を飲んでいません。手指、膝、足底に痛みがあります。 免疫抑制剤を飲んだほうが良いでしょうか?飲んでもコロナ感染率が高くならないでしょうか?

あなたのように多くの専門家も当初は関節リウマチの治療を受けている患者さんは新型コロナウイルスにかかりやすいのではないかと心配してきました。しかしこれまでいろいろな報告がありますが、免疫抑制剤を飲んでいる関節リウマチの患者さんが特に新型コロナウイルスにかかりやすい、また重症化しやすいという報告は出ていません。日本でまとめている報告でも、一般の人たちとほぼ同等の頻度です。安心して治療を優先にされた方が良いと思います。
(令和3年2月17日)

Q.18このワクチンは、生ワクチンと不活化ワクチンの中間だと聞いています。 リウマチ治療中は生ワクチンの接種は禁止で、不活化ワクチンのみの接種を勧められておりますが、新型コロナワクチンは中間という事で、接種して良いものかどうか、今のところの見解をお聞きしたいです。 リウマチ自体が免疫の暴走を起こすものなので、ワクチン接種での服反応により肺炎の重症化(肺血栓症)などにつながるのでないかと心配です。しかし、ワクチン接種をしなければ新型コロナウイルスに感染してもリウマチという原疾患があるために重症化する可能性もあるわけですよね。とても複雑で悩んでおります。

現時点で国内において接種可能な新型コロナウイルスワクチンは、従来の「生ワクチン」や「不活化ワクチン」とは異なる「メッセンジャーRNAワクチン」と「ウイルスベクターワクチン」の2種類があります。
メッセンジャーRNAワクチンは、投与された遺伝情報をもとに体内でウイルスのタンパク質を作り、そのタンパク質に対する抗体が作られることでウイルスに対する免疫ができます。
ウイルスベクターワクチンはウイルスのRNAの一部をアデノウイルスベクターという運び手に組み込んで化学的に合成したもので、ベクターは細胞内にウイルスRNAを運びウイルス蛋白を産生させ、免疫反応を引き起こすとされています。
新型コロナウイルスワクチンは、万が一新型コロナウイルスに感染した場合、重症化を軽減する可能性が示されています。特に高齢者や免疫疾患などをもつ高リスク患者様は重症化率が高くなりますので、接種が推奨されています。リウマチが免疫異常の病気であるからワクチンで重症化しないかどうかについて、今までインフルエンザや肺炎球菌ワクチンではそのような例は認められていません。ただしリウマチ等の疾患活動性が高いときにはワクチン接種は推奨されず、できれば病気が安定している時期が望ましいと考えられています。
 現在の患者様の状況により、ワクチンがもともとの病気を悪化させるかどうかはわかっていませんので、主治医とよく相談したうえで接種の可否を判断してください。
(令和3年2月5日)

Q.29コロナワクチンの副反応として稀に自己免疫疾患の発現が見られるという項目がありますが、 過去に自己免疫疾患の既往歴がある場合、発現しやすくなるという事は考えられますか。

新型コロナウイルスの場合がどうかは未だデータなく、わかりません。今後のデータをみていくしかありませんが、一般にワクチン接種によって自己免疫疾患患者の活動性があがるとか、既往歴がある方が再燃するというデータはありません。
(令和3年2月24日)

Q.30混合性結合組織病(MCTD)と橋本病があります。 現在症状は落ち着いていますが、抗生剤でもアレルギーがあり、アナフィラキシーになった事が何度かあります。

アナフィラキシーに何度かなった方には、ワクチン接種は薦められません。希望される場合はかかりつけの先生にご相談ください。
(令和3年2月24日)

Q.3210年来、抗核抗体高値が続いています。コロナワクチンの接種により自己免疫性疾患の誘発に繋がる恐れはありますでしょうか。

核抗体価が高い方がワクチンを接種した時に自己免疫疾患を誘発するかどうかについての長期的検討はされていませんので、現時点では明確な回答はできませんが、今までにそうした事実があったという報告はありません。これは今までのインフルエンザワクチンでもなかったことです。一方でインフルエンザなどコロナウイルス感染後に関節リウマチなど膠原病疾患が増えるという研究はあります。
(令和3年3月6日)

Q.33リツキサンの投与中は抗体が出来ないので、コロナワクチン接種は無意味ですか?

リツキサンによる新型コロナウイルスワクチンについての情報はまだ不十分です。免疫には液性免疫と細胞性免疫があり、ワクチンはこの両者を刺激します。一方リツキサンが抑えるのはこの液性免疫です。インフルエンザの場合であれば、たしかに液性免疫である抗体価の上昇はあまりありませんが、細胞免疫の働きが残っているために完全に抵抗力がないわけではありません。このことを考えると、コロナの場合もワクチン接種が無意味ではないと考えます。
(令和3年3月6日)

Q.36リウマチ性多発筋痛症発症2年弱になります。プレドニゾロンを現在服用中です。 プレドニゾロン服用中でも接種は可能でしょうか。接種で注意することはありますか。

プレドニンを大量投与(1mg/kg以上)していない限りワクチンの効果はあると考えられます。これはプレドニン服用中の患者さんにインフルエンザワクチン接種などの例からウイルスに対して抗体産生が起こるからで、コロナワクチン自身での治験データはありません。一方これは生ワクチンではないので、プレドニンを服用しているためにワクチン接種で問題が起こるとは考えにくいですし、また危険なことが起こったという報告もありません。
(令和3年4月2日)

Q.41リウマチを薬で治療しています。どのような薬を飲んでいると新型コロナウイルスワクチンに影響がでますか。飲んでいけない薬、飲んだら効果がない薬はありますか?

基本的に新型コロナウイルスワクチンを接種するときに、関節リウマチや膠原病に関連する薬剤について服用、注射しているからワクチンを接種することができないということはありませんし、副反応が強くなることも知られていません。

ただリウマチの治療薬は免疫抑制を起こすために、服用により新型コロナウイルスワクチンの効果を弱めてウイルスに対する抗体が十分作られない可能性があります。このためリウマチの治療薬をワクチン接種前後でどのようにするかについてはいろいろな意見があります。日本リウマチ学会からは以下のような見解がでています

現時点でステロイドや免疫抑制剤がこのワクチンにあたえる影響は十分にわかっていません。通常のワクチン接種の場合、免疫抑制剤やステロイドを中止・減量することはありません。よって基本的には接種前後で免疫抑制剤やステロイドは変更せず継続すべきであると考えます。ただし、リツキシマブ(商品名リツキサン)で治療している場合には、ワクチン接種の時期とリツキシマブの注射の時期との兼ね合いを考慮する必要があります。その他の免疫抑制剤やステロイドの治療についてワクチン接種の前後に具体的にどうするかについては、担当主治医と事前にご相談ください。

(一般社団法人日本リウマチ学会HPより引用)

またバイオ製剤(レミケード、エンブレル、アクテムラなど)の注射をしている患者さんはいつワクチンを打てばよいのかということについても意見が分かれています。現在日本では、ワクチンの副反応なのかどうかわからなくなるので、少なくても同日ではない日にワクチン接種すべきというのが一般的です。

アメリカリウマチ学会ACRからは2021年6月15日さらに2021年8月19日にタスクフォース(専門委員会)の見解として出されたものを以下の表に示します。多くの薬剤について、ワクチンの効果が弱まりウイルスに対する抗体ができにくくなるのでワクチン前後で休薬したほうが良いという見解です。この中でMTX(リウマトレックス)とJak阻害薬(ゼルヤンツ、オルミエント、リンヴォック、スマイラフ、ジセレカ)、ミコフェノレート(セルセプト)、カルシニューリン阻害薬(ネオーラル、プログラフ)については、ワクチン接種後1週間は服用を避ける、アバタセプト(オレンシア)の1回目の皮下注射は前後それぞれ1週間注射を避けるようにとしています。他のバイオ製剤(エタネルセプト、シンポニー、アクテムラなど)については特に変更しなくて良いとしています。それ以外の多くのリウマチの薬剤については特にワクチンのためにやめたり、注射日を変えたりはしなくてよいとしています。ただしこれはアメリカリウマチ学会の委員会の見解であって明確なエビデンス(根拠)があるわけではありません。また委員会の全会一致で決まったことではなく、絶対にこの休薬をしなければいけないということではありません。 

リウマチに関する研究成果をまとめるところとして、世界には大きくこのACRと欧州リウマチ学会Eularがあります。現在のところEularからは特段リウマチ薬に関する制限についてのコメントは出ておりません。日本リウマチ学会も前述のように明確に休薬をすすめるガイドラインを出してはおらず、各先生方の個人の考えでリウマチ薬の制限について決めています。したがってここに載せたものはあくまで参考であって、絶対的なものでないことをよくご理解ください。また薬剤の中止・延期はあくまで病気が安定して休薬することが可能な状態に限られます。最終的な判断はそれぞれの主治医の先生とご相談されて決めていただくようにお願いします。

表 (参考)アメリカリウマチ学会(ACR)COVID19 ワクチン委員会の見解
【表はWordpressに記事を作成後、追加いたします】
*ここにはアメリカリウマチ学会の見解を参考資料としてつけました。国内でこれに準拠している施設もありますが、もちろんこれに従わなければならないというわけではありません。また病気が安定していて薬が中止できるであろうと考えられる場合での話です。リウマチ薬を飲んでしまったからといってワクチンの効果が全くなくなるとか、ワクチンを受けてはいけないわけではありません。あくまで参考資料として最終的な決定は主治医の先生とよく相談されて決めてください。

★リウマチ情報センターQ&Aに、新型コロナウイルスワクチン接種とリウマチ患者さんたちが服用されているお薬の関係についての問い合わせが多数来ております。上記内容をご理解いただくことで個々の薬剤についての回答は差し控えさせていただきます。
(令和3年10月8日)

Q.39関節リウマチやアレルギーを持っているので、ワクチンの副反応が心配なのですが。

関節リウマチや、気管支喘息、薬剤や食品のアレルギーがあるからワクチンの接種はできないということはありません。リウマトイド因子が高い、抗核抗体が高いといったことは、ワクチンの副反応とは関係ありません。多くの人には何らかのアレルギーがあるのが普通です。ただしアレルギーの中でもエチレングリコールという化粧品などに入っている化学物質にアレルギーをもっている人が起こりやすいと言われています。特に気を付けなければいけない人は、過去のワクチン接種で強いアレルギー反応を示したことのある人、一回目のワクチン接種で強い反応が出た人は、中止も考えたほうがよいでしょう。
(令和3年10月8日)

Q.38関節リウマチなのでアナフィラキシーが怖いのですが、かかりつけ医で注射を受けるべきでしょうか?

関節リウマチだからアナフィラキシーが起こりやすいわけではありません。もちろんかかりつけ医の施設で接種を受けることができれば安心でしょうが、国民のほとんどが短期間に受けるとなると、なかなかそうもいかないと思われます。どの施設も、特に集団接種会場ではアナフィラキシーを想定して準備していますから、集団接種会場で接種を受けてなんら心配ないと考えます。
(令和3年10月8日)

Q.44現在週に1回エタネルセプト bs を自己注射して治療しています。 先日pcr検査で無症状陽性(ct値30)の判定が出て、自宅隔離をしています。 数日後家族も検査も行いましたが、幸い誰も陽性判定がでませんでした。 感染後日にちが経って、感染力が弱まっていると考えられるのですが、私だけ検出されるということは、コロナの残骸の排出スピードが遅いのではないかと考えました。 現在海外在住で、日本に帰国予定があり陰性結果が必要なのですが、完治後のコロナの排出スピードと免疫抑制剤に影響はあると考えられますでしょうか?

関節リウマチ患者において、あるいは免疫抑制剤の使用者において、ウイルスの断片の排除が健康人より遅いかどうかについての正確なエビデンスは知られていません。いずれにせよ医学的にはCt値が高値になれば感染能力はなくなっていると考えられますが、現時点で法的な問題とはギャップがあると思います。
(令和4年4月5日)

Q.45新型コロナワクチン2回目接種後、手の動きが悪くなる副反応があり膠原病の検査を勧められました。膠原病検査はまだ出来ていませんが、3回目接種は受けて大丈夫ですか? また3回目接種後の副反応の事例はありますか?

2回目までに副反応があった方に3回目を大丈夫だと勧めることはできません。
主治医にご相談ください。
(令和5年6月7日)

Q.15免疫抑制剤を服用していると抗体検査をした時に陰性になることはありませんか?

免疫抑制剤を服用していても、既に感染をして抗体をもっていれば、抗体検査は陽性になります。
但し、リツキシマブなど一部の強い免疫抑制薬では抗体の産生が抑えられて抗体検査が陰性になることがあります。
(令和2年11月25日)