リウマチを知ろう!

リウマチQ&A

Q.3関節リウマチの症状進行により、頸椎が損傷し、全身がしびれてきました。現在、カラーを着用しておりますが、装具の重みで肩こり、首筋の皮膚の痛みなどで苦労しています。 関節リウマチ患者に適した軽量でいい装具はないものでしょうか。

頸椎の装具の素材にはどのようなものが使われているのでしょうか。
確かに交通事故のむちうち(頚椎捻挫)などに使われるもの(ポリネック)では肩にくい込んだり、重いという不満はよく聞かれます。
メッシュにしたものや軽くて肌触りをよくしたスポンジ素材のものもあります。また、自費負担分はありますが、軽量金属のみで作られたはめ込み式のものも利用されています。手が不自由な患者さんも多いので、自分で着脱できるようにした前開き式のものもありますが、このなかにも軽量タイプのものがあります。一度主治医と相談されればと思います。
ただ質問の中に「全身のしびれが強い」とあります。脊椎が圧迫されている可能性が考えられますので、一度、リウマチの専門医(整形外科系)を受診してMRIなどの検査をされることをお勧めします。

(平成29年12月更新)

Q.11関節リウマチで生物学的製剤の治療を受けています。体力がなく困っています。リハビリを勧められましたが疲れが先に来て、発熱してしまい、中断になりました。体力や筋力を向上させる良い方法はありますか?

関節リウマチに特化した筋力向上トレーニングは知られていません。個々により状況が異なりますし、やリ過ぎれば筋肉や関節を逆に痛めてしまうこともありますので、理学療法士、作業療法士の先生とよくご相談して行ってください。またリウマチ体操がホームページにありますのでご参考にしてください。
(令和5年1月)

Q.540年以上関節リウマチを患っており、慢性化しております。先日、眼科を受診し、角膜移植の手術を勧められました。 リウマチは免疫異常が原因の1つと考えられており、他人の角膜や臓器を移植したら、拒絶反応が一般の人より出やすいのではないかと危惧しています。関節 リウマチ患者に対する移植手術後の拒絶反応発生率について、因果関係はないのでしょうか?また、資料や論文、統計データはありませんでしょうか?

関節リウマチと角膜移植に関する御質問へ回答させていただきます。角膜移植を勧められたとのことですが、一般に角膜移植は角膜が混濁したとき(角膜実質炎など)、角膜が光を正しく屈折しないとき(円錐角膜など)、角膜が穿孔したとき(外傷や潰瘍の穿孔など)に適応となります。関節リウマチでは関節外症状の一つとして角膜潰瘍があり、穿孔した場合は角膜移植の適応となります。角膜穿孔の場合の拒絶反応の発症率は他の原因の場合と比べ、多くはありません。しかしながら血管病変(血管炎)が基で角膜障害をきたすため、移植角膜に潰瘍が再発することがあり、生着率は低いことが報告されています。いずれにせよ関節リウマチのコントロールが最も重要ですので、眼科だけでなくリウマチ科の先生にも十分にご相談して決められることをお勧めします。

Q.769歳の主婦です。手指(特に右手第4、第5指とその下の掌)に痛みがあり、通院中です。治癒するのであればと手術を考えていますが、どのような手術になるのでしょうか?また術後に術前と同じような手の状態に戻るでしょうか?

手ならびに手指の滑膜炎と、腱鞘滑膜炎による狭窄性腱鞘炎が原因と考えられます。保存的には安静を保つためのテーピングや消炎鎮痛薬の内服・外用(湿布、塗り薬)副腎皮質ステロイドの腱鞘内注射が有効なことがありますが、効果が乏しい場合や症状が進行している場合には手術療法が行われます。

手術は当該領域の腱鞘性滑膜炎を含めた滑膜切除と狭窄している腱鞘の切開術です。術後経過は一般に良好ですが、病変部位の炎症による腱鞘の肥厚が著しく、かつ広範である場合には稀に切開の範囲が広範となり術後に自力で指が曲げにくくなることもあります(ただし大半は術後1〜3か月以内に自然治癒します)。また手術をしても薬物による治療が不充分であると、また再発してしまいます。ご自身の術後経過については主治医の先生とよくご相談ください。(平成23年1月)

Q.2母は、5年前に右ひざの手術をしましたが、その手術をした部分がむくんでいます。熱をもち、寝る前に氷枕を当ててむくみをとっています。 むくみを防ぐ方法は、ありますか。

5年前の手術とは恐らくひざの人工関節の手術ではないでしょうか。手術した部位が発熱したり、腫脹したりしたときは、まずばい菌(細菌)による感染の可能性を考えなければなりません。なぜならば、人工関節を含めた関節手術の部位が感染を起こして手遅れになれば、人工関節の抜去や、ひどいときには下肢の切断まで考えなければならないからです。自分で判断せずに、症状を主治医に細かく説明し、腫脹や発熱がなぜ起こっているのかの原因を究明することが先決です。もし、主治医がわからないようであれば専門医にセカンドオピニオンを求めるのもひとつの方法です。

人工関節の術後の症状が発熱や腫脹の場合、その他の原因として、人工関節の緩みや、中にある構造物の磨耗が原因のこともあります。また、人工関節術後の感染は、手術直後に感染がなくても、その他の全身の感染巣が血流に乗って人工関節に付着することもあります(虫歯の菌でさえ、人工関節術後、感染を引き起こした例も報告されています)。また非常に弱い菌が、術後しばらくして感染を起こした例も報告されています。主治医との相談、または専門医との相談をお勧めします。

(平成29年12月更新)

Q.1関節リウマチによ人工股関節手術を受けました(70代・男性)が、その後39℃地位の熱が頻繁に出て、座薬で抑えたりしています。血液検査では異常がないようなのですが、何か原因があってのことだと思います。(手術前に熱が出るような事はありませんでした。)ただ、手術前から原因不明の嘔吐がたまにあり、首の軟骨が圧迫している様だとの所見でした。何かアドバイスをお願い致します。

リウマチの熱の原因は様々で、術後となるとさらに難しくなります。情報量が少ないので的確な回答はしかねるかもしれませんが、考えられる原因について述べます。関節リウマチの熱はリウマチそのものの悪化によっても出ますが、多くは38℃以下です。術後の感染では一般にCRPの上昇が参考になりますが、リウマチでは手術前の数値も高いことが多く、判断に迷うところです。ちなみにMMP-3の手術前後の変動はありますか?MMP-3もCRP同様、リウマチの炎症により増加しますが、CRPと異なり滑膜の炎症性変化をより強く受けるため、もしCRPとMMP-3両方が顕著に上がっているようであればリウマチの増悪を、CRPが顕著に上がっているがMMP-3の増加がないかわずかであれば感染症が疑われます(ただしMMP-3は副腎皮質ステロイド服用中で増加するので、副腎皮質ステロイド服用者では塾考が必要です)。ただし手術前の値は参考になるので、現在どのくらい変化しているかは大切です。(今回の場合、血液検査は異常がないとのことですが?)また股関節の手術後の感染は創部が深いことから膿や浸出液が体表に出ることもなくわかりづらいので血液検査の値は重要な指標となります。通常手術そのものの侵襲でも39℃ぐらいの熱は出ますが多くは1週間でおさまります。その他術後ベッド上での安静が長い場合は、尿路感染や誤飲による肺炎・腸炎などの他部位の感染症が合併症として出ることもあります。嘔吐されているようですが下痢はないのでしょうか?術後その他の合併症とし血栓症があり、足が腫れる様な程度のひどい場合は発熱することもあります。あまりにも多くの原因があるため充分な回答は出来ませんが、主治医の先生と良く相談されるのが一番いいのではないでしょうか。

Q.4右手の薬指と小指の腱が切れてしまい、指が内側にしか曲がらなくなり、腱をつなぐ手術を勧められています。また、左手の中指の第二関節が腫れて伸びなくなり、ほかの指に負担がかかるため、その手術もしようかといわれています。 仕事で手をよく使うのですが、手術すれば、今までと同じように指を動かすことがせきるでしょうか? なお、第二関節には、人工関節を勧められています。

関節リウマチで頻繁に切れてしまうことの多い手の指の腱は、指を伸ばす働きのある伸筋腱です(特に小指と薬指)。切れたままでは日常生活を送るうえで大変不便です。やはり手術をなされたほうが良いかと思います。

切れてから間がないのであれば、アキレス腱断裂のように切れた腱の断端どうしを縫合するという手術で済みますが、日数がたってしまうと(切れてからしばらく放置したままにした場合)、整形外科を受診してもその切断された腱の断端どうしの間にうめがたいギャップが生じ端と端を単純に縫合することが出来なくなり、他から採取した代替の腱を移植するか切れていない隣の腱に切れ端を縫い付けるしか方法がなくなります。この場合、手術そのものが大掛かりになるばかりでなく機能的にも端と端を縫合する手術の術後に比べ劣ることが多くなります。
また頻度は少ないながら手の滑膜腱鞘炎や骨の変形のため指の屈筋腱(指を曲げるための腱)が断裂することもあります。 この場合は、手の手術の専門家でないと再建がむずかしいことがあります。人工関節については、近年のもので成績が良いものも出てきています。少なくとも手術しないよりは日常生活の改善が見込まれると主治医の先生が判断されたため、手術を勧められているのでしょうから、今現在よりは指が使いやすくなるものと思われます。

(平成29年12月更新)

Q.3両手首の軟骨が減り、一部は骨まで侵されているため、固まっているようで、動きに制限があります。よく使う手首が痛くつらいです。 それでも軽症のため、補助具や湿布などしか治療はないと言われました。 手術は適当ではないのでしょうか?

手首の手術についてのご質問かと思います。軽症とありますが破壊がどの程度のものなのか、また関節リウマチの活動性がどの程度なのかによって手術をするべきかどうかを判断しなければなりません。

痛みが関節リウマチの炎症で起こっているのか、あるいは炎症の結果、壊れてしまったために痛いのかを区別して、手術するかどうかを考えるべきです。火事で燃えている家に消火もしないでまた家を建てるようなもので、炎症の強い段階ではまずその勢いを止めませんと、せっかく手術してもまた悪くなってしまいます。
しかし、専門医が手術の適応があると判断される例においては、手関節手術後の成績は良好で、患者さんの満足すべき成績が報告されています。
術式としては、滑膜切除術、または、これに手関節形成術を併用した方法がとられます。手術の効果は、主に手関節の痛みの軽減または消失に対して効果がありますが、術後関節の動きはむしろ低下する傾向にあります。それでも、患者さん自身による評価が高いのは、確かな徐痛が得られるためだと思います。
痛みがあるようなら手術を受けられるのがよいと思いますが、動きをよくすることをを主に考えられているようでしたら、期待するほどの効果は得られにくいと思われます。

(平成29年12月更新)

Q.8私は10歳から若年性特発性関節炎を患って29年ぐらい経つのですが両膝・両股関節・右肘が拘縮してしまい、生活するうえで介助してもらわないと生活できない状態です。例えば車椅子からのベット・トイレ移乗などです。現在の生活を向上させたいと思っているのですが、拘縮した関節の人工関節・手術は麻痺やその他のリスクがあるので、あまり主治医も勧めません。何か良い方法はありませんか?とても悩んでいます。

破壊された関節の程度にもよるのですが、軟部組織の剥離や術前の拘縮改善の十分なリハビリ・拘縮除去手術後の人工関節などの2期的手術・特殊形状の人工関節を使うことにより手術が出来る場合もあります。

ただし、長年車いす生活であれば、手術が成功した後の歩行に耐えうる筋力が維持されているかも心配です。まだ年齢的にもお若いのでもう一度希望を話されて手術についても、また手術方法や手順についてもリウマチ手術を専門に行っている医師に相談されては如何でしょうか?(平成26年1月)

Q.6左ひじの滑膜切除術を受けました。ひじの痛みがひどく薬を増やすか手術をするかしないと痛みはとれないといわれ手術を選びました。右ひじは人工関節術をすでに受けていますので、左ひじは人工関節をせずにと思って手術を決心した次第です。 しかし、術後半年経過しても左ひじの痛みはとれていません。手術をしても痛みがとれない事があるのでしょうか?

滑膜切除術により、かなりの疼痛の程度が軽減されると考えられますが、若干(1〜3割程度)の痛みが残存することもあります。これは、手術の手技的な要因より手術前の関節破壊の程度(かなり進行し残余の軟骨が失われていたなど)に起因している場合と、関節リウマチの治療が不十分である場合が考えられます。主治医の先生とご相談されたらよいと思います。

(平成29年12月更新)

Q.13関節痛が始まり2年になり現在通院しています。午前中は膝、手、肘、肩がこわばり痛みが激しいです。筋肉注射は効果があるが副作用もあると聞いています。 私と同じ様な病状の方がどのような療法を行っておられるのか、教えてください。

多くの関節の痛みと午前中のこわばりという症状からおそらく診断は「関節リウマチ」だと思いますのでそれを前提に述べます。関節リウマチの治療で「筋肉注射」といえば、通常金製剤(商品名シオゾール)かステロイド製剤のトリアムシノロン(商品名ケナコルト)のどちらかでしょう。シオゾールは一部の患者さんには有効ですが、現在ではほとんど使用されなくなった薬剤です。またケナコルトは定期的・継続的に使用する薬剤ではありません。まず、主治医の先生に現在の注射薬の内容を確認されることが大切でしょう。現在ではメトトレキサート(商品目リウマトレックス)などの有効性の高い経口の薬剤がありますので、そのことについてもお聞きになるのがよいと思います。
(/平成29年10月更新)

Q.14関節リウマチの初期治療で骨の変形もないのに、副腎皮質ステロイド(プレドニン)を服用していますが、本などには、重度や特別な限りは使用しないと書いてあります。 現在プレドニンは1日に10mgも服用しています。今月からは新たにアザルフィジンENが追加されました。 この先副作用やリバウンドを考えるとなるべく副腎皮質ステロイドは服用したくないのですが、このままでよいのでしょうか?

副腎皮質ステロイドには種々の副作用があり、なるべく長期使用しないことが望ましい薬です。しかし、一方、少量(10mg/日以下)の投与は骨破壊を抑制するとの報告もあります。このように副腎皮質ステロイドは両刃の剣ともいえる薬ですが、関節リウマチでは、特に炎症が強い場合に、初期に抗リウマチ薬の効果が出るまで、なるべく短期間で用いることが推奨されています。
新たにアザルフィジンENの効果が出たならなるべく早く減量してもらい、効果が不十分であればほかの抗リウマチ薬の追加、変更を速やかに行ってもらう必要があります。今後の減量の予定など、主治医と十分に相談されるとよいと思います。
副腎皮質ステロイドの副作用を心配して自己流で内服量を調整せずに、あくまでも主治医と相談して内服量を決めてもらってください。
(/平成29年12月更新)

Q.143リウマトレックスを飲んでいましたが吐き気が酷く中止になりました。他の治療をしていますがだんだん効かなくなり、リウマトレックスを飲んでないとできない治療や効果が続かないものもあると言われ治療が限られています。また、リウマトレックスを試してみることはできないのですか?量を調整することはできないのでしょうか。

メトトレキサート(リウマトレックスの一般名)を少ない量にすれば吐き気は弱くなる可能性がありますが、効果も低下します。最近、メトトレキサートの注射製剤が発売されました(商品名:メトジェクト)。週1回の皮下注射ですが、ご自宅で自分で打つ自己注射も可能です。飲み薬に比べて、吐き気などの消化器症状が出にくいことが知られていますので主治医の先生に相談していただくとよいかと思います。

(令和5年2月)

Q.142今はJAK阻害薬を服用しています。効果無し、副作用等で3種類目です。次は生物学的製剤の注射の治療しかないといわれていますが、どうしても注射は苦手です。他に方法はないのでしょうか?

関節リウマチの治療法は、現在幅広く、一般的な効果と一人一人の患者さんにおける反応は必ずしも同じではありません。まずは、診断や併存疾患の検索も含めて相談してみることも一つの方法と考えられます。

 (令和5年2月)

Q.14188才の母が、2年前にリウマチ性多発筋痛症と診断され、プレドニンを1年以上服用(徐々に減薬)し、今はアクテムラの皮下注射のみを月2回していて、血液検査の結果が良く、変化がなければ、今後は減らしていくようです。アクテムラはいつまで、投与しなければなりませんか?筋肉低下がみられますが、改善方法はありますでしょうか?胸のレントゲンで、胸部大動脈瘤があるかも、と言われ、もし、動脈瘤があった場合、アクテムラは継続して良いのでしょうか?

リウマチ性多発筋痛症にはアクテムラは日本の健康保険での利用はできません。ただし有効であることは国内外の報告でわかっています。特に高齢者ではステロイドの長期投与による骨粗鬆症、糖尿病などの有害事象を回避することができます。本例はステロイドを中止してアクテムラのみでも症状が治まってるとのことですが、いつまで続けるかの決まりはなく、ある程度良い状態が続けば、アクテムラの投与間隔を伸ばして(3〜4週に1回など)、その後に中止できれば良いと思います。
筋力低下はステロイドの長期投与ではステロイドミオパチーと呼ばれるステロイドの副作用で見られます。それ以外では、疼痛であまり動けなかったための廃用性筋萎縮が原因と思われます。回復には大変時間がかかりますがリハビリを丹念に行うしかないと思います。
大動脈瘤については、ほとんどが動脈硬化が原因ですが、リウマチ性多発筋痛症では巨細胞性動脈炎による動脈瘤であった可能性もあります。その場合はしっかりアクテムラを使用して炎症を抑えることが重要です。

Q.13910年ほど前から関節リウマチがありメトトレキサートで治療を受けてきました。最近痛みが増してきたので、先生からエンブレルを薦められ、悩んでいます。エンブレルを使用するとき、現在服用しているメトトレキサートも併用するというお話がありました。メトトレキサートをやめて、エンブレルだけにすることはできますか?

痛みが増してきたとのこと、お辛いかと思います。
今回医師から勧められたエンブレルは、単独使用も可能な薬剤ではありますがが、これまでの臨床データによりますと、メトトレキサートと併用することで、その効果を最大限発揮できるため、エビデンスに基づき、寛解を目指してメトトレキサートを併用することを医師がお勧めしているかと思います。
しかしながら、メトトレキサートの副作用等でどうしても使用継続が困難な場合には、単独使用も可能な薬剤です。
関節リウマチは早期から適切な治療を行えば、症状をコントロールできるため、現在何が一番辛いのかを担当の医師と十分に話し合った上で治療をすすめることが大切と思います。
(令和5年1月)

Q.138母親(70代)が関節リウマチのため、治療開始時からメトトレキサートとプレドニンを約20年間服用しています。また、骨粗鬆症のための注射、胃炎の薬も使用しています。症状は落ち着いた状態が長く続いています。 このように関節リウマチの関節炎や痛みがコントロールされている状態で、数十年という長期間、ステロイドを使用することがあるのでしょうか。

現代においてはリウマチの治療薬が進歩し、ステロイドは少量で使用するとしてもなるべく短期間とすることが推奨されています。もちろんステロイドは使用しなくてすめば、それに越したことはないのですが、他剤の副作用やそのリスクある場合や、経済的理由など、何らかの理由で有効な薬剤が使用できないことがあり、ステロイドを使わざるを得ない場合もあります。また、過去長期間使用されている場合にはなかなか中止できない場合も少なくありません。  (令和5年1月)

Q.137B型肝炎Hbs抗体陽性です。45歳に発症して現在63歳です。いままでメトトレキサートを使って来ましたが、肝臓の数値が悪い状態が1年以上続いているので、肝臓がこれ以上悪くならないか心配です。何か別の治療方法があるのでしょうか?

ご相談の患者さんにみられる肝臓の障害には、メトトレキサート(MTX)が原因の場合とB型肝炎の悪化、そしてMTX以外の薬剤が原因の場合が考えられます。B型肝炎の悪化についてはB型肝炎のDNAを定期的に調べてると思いますので、それを確認すれば良いと思います。葉酸を1錠(5mg)毎週服用してれば葉酸の摂取量は十分であり、葉酸欠乏が原因の肝臓の障害ではありませんので葉酸を増量する必要はありません。むしろMTX自体による肝臓の細胞毒性が原因と思いますので、リウマチの状態が安定しているならMTXを減量(可能なら中止)するのが良いと思います。リウマチの状態もある程度活動性があるなら、MTXは減量して頂き、肝障害のリスクの少ない他の抗リウマチ薬(ブシラミン、タクロリムス、生物学的製剤など)を代わりに投与していただくのが良いと思います。      (令和4年12月)

Q.136関節リウマチで治療中です。ネットで見たのですがリンパ球除去療法(LCAP)という治療は現在も行われていますか。

関節リウマチのリンパ球除去療法(LCAP)につきましては、使用するフィルターの製造が困難となり、2020年3月に製造中止となったことに伴い、現在は行われておりません。また、残念ながら製造再開の見込みはないとのことです。(令和4年12月)

Q.1574歳ですが、副腎皮質ステロイドを減らすため抗リウマチ薬(ミゾリビン、タクロリムス)を勧められています。 場合によって白血球除去療法(LCAP療法)を併用とのことですが、体力もないのでできれば抗リウマチ薬を使わずいきなりLCAP療法を試してみたいのですが可能ですか。

LCAP療法は、以下の関節リウマチの患者さんに適応となります。
抗リウマチ薬の効果がないか効果が減弱した場合にその使用を考えます。抗リウマチ薬を使用しないでいきなりLCAP療法を試すことはできません。
医療保険で認められる条件は、次のように決まっています(血球成分除去療法(吸着式))。
活動性が高く薬物療法に抵抗する関節リウマチ患者または発熱などの全身症状と多関節の激しい滑膜炎を呈し薬物療法に抵抗する急速進行型関節リウマチ患者であって、以下の2項目を満たすもの
●腫脹関節数6か所以上
●ESR(赤沈、血沈)50mm/h以上またはCRP≧3mg/dL以上
最近では確実に有効な治療薬が多数使用可能となったことから、LCAP療法は以前ほど行なわれることはなくなってきています。LCAP療法でも完全に安全であるとはいえません、
年齢のみを考慮するのでなく、患者さんの全体的な身体状況からどの治療法がその時点で適切かを専門医は判断します。
(/平成29年12月更新)