リウマチQ&A
- Q.158関節痛があります。 RFは30前後、CRP、CCP抗体、MMP-3は基準値内です。ステロイド少量や痛み止めのみで他の治療をしなかった場合どうなりますか?アレルギーや副作用で抗リウマチ薬が飲めません。高額な治療はできません。
診断が関節リウマチという前提ですが、この病気は、炎症が続くと関節の骨や軟骨が壊れ、だんだんと関節が使いにくくなったり、変形したりします。これらをなるべく抑えるのが抗リウマチ薬です。痛み止めは一時的な効果であり、ステロイド少量はリウマチの進行を抑える効果は少しはあるかもしれませんが、少量でも長期間服用すると副作用のリスクの方が高いと考えられています。ただし、リウマチの進行が速い要素として、関節の腫れや痛みが強い、炎症反応(CRPなど)高値、RFや抗CCP抗体高値、すでに骨にリウマチの変化がみられる、などが知られていますが現在はあまり当てはまるものはないかもしれません。
(令和5年9月)
- Q.157関節リウマチ患者です。生物学的製剤やJAK阻害薬を色々使いました。あと、残っていて使えるのがないという状況でナノゾラが出ました。これが使えないと次が本当に無くなりそうです。今開発や治験中の新薬はあるんでしょうか?
関節リウマチの治療薬の開発はほぼ現状で一段落しました。後1つ、現在リツキシマブ(抗CD20モノクローナル抗体)が治験中で、海外ではすでに使用されており、他の治療薬で無効の場合期待できる薬剤です。
(令和5年9月)
- Q.156生物学的製剤の効果が注射日の数日前にきれるということはありますか?2.3日短縮することはできないのですか?
生物学的製剤の効果は薬剤の血液中の濃度に関係するので、注射日前に効果が切れてしまう可能性はあります。薬剤によっては注射の期間を短縮したり、あるいは1回の量を増やしたりすることが可能です。また、抗リウマチ薬を内服すると生物学的製剤の効果が持続するようになることもあります。主治医とよく相談されてください。
(令和5年9月)
- Q.155二次無効が起こるのはなぜですか?リウマトレックスを飲んでいないからですか?体調不良時に休薬するからでしょうか?何度も二次無効を繰り返しています。対策はありますか?
二次無効は、生物学的製剤(特にキメラ抗体)で比較的よく経験します。これはタンパク質製剤ですので、病原体のような異物と認識し、それを排除しようとする生体の自然な反応です。内服の低分子化合物でも頻度は稀ですが同様のことは起こり得ます。対策は薬剤を変更するしかありません。ただし、体調不良で薬を休薬して再燃するのは当然であり、それは二次無効とは言いません。また、リウマチが悪化し二次無効だと思った症状が、他の原因であることもあり得ますので、主治医とよく相談して、本当に薬剤の二次無効なのか、を正しく判断していただく必要があります。
(令和5年9月)
- Q.154初期の関節リウマチと診断されてメトトレキサート6mgを毎週服用しましたが指の腫れの改善のないまま3か月たちました。CRPは当初の0.02から0.01と改善しました。全部の指が腫れていて曲げられる指は5本だけ、また腫れが硬くなり始めたように思います。初期対応が重要と聞いていますがこのままの治療でよいのでしょうか?
まず診断が正しいのか、今一度主治医に確認されてはいかがでしょうか?手指の腫れがありながら、むしろ悪化?している状態が続くことはよい状況ではありません。メトトレキサートの量は少なめですが、服用でも改善がないのであれば、診断自体を再度確認した方がよろしいかと思います。炎症反応も陰性で “CRP 0.02が0.01に改善している”と言われたようですが、それは改善とは言いません。さらに抗CCP抗体も高くはなく(低値陽性といいます)、診断自体が関節リウマチでよいのか疑問です。他の疾患(例えば強皮症や乾癬性関節炎、あるいはその他の膠原病など)の可能性もありますので、他の施設にセカンドオピニオンで受診されることをお勧めします。
(令和5年9月)
- Q.153メトトレキサートを初めてまだ1週間しか経っていないのですが、メトトレキサートを使っていても手のこわばりや関節の痛み、寒いとこでの痛み、気圧痛などは出ますか?
メトトレキサートの効果が出てくるのには1か月以上かかりますから、今痛いと言って諦めるのは早すぎると思います。
(令和5年9月)
- Q.1525年前に関節リウマチと診断されて以来リマチルを服用していますが変化ありません。リマチル服用を続けても大丈夫でしょうか?
リマチルは通常200-300mgを一日2~3回に分けて服用します。それほど強い薬ではないですが、かなり効果が出る人がいることは事実です。そうであるならば継続して使用されることをお勧めしますが。尿に蛋白が出現することがあり、定期的に検尿して調べることが重要です。(令和5年9月)
- Q.40関節リウマチで治療をしているのでワクチン接種はしないほうが安全でしょうか?
関節リウマチの患者さんで新型コロナワクチンの副反応が特に起こりやすいという報告はありません。また副反応による直接の死亡例は極めて稀と考えられます。血栓症を起こすとされるアストラゼネカのワクチンで100万人に4人の発症です。今国内で流通しているファイザーのワクチンで血栓症との関連は知られておらず、死亡率はもっと低いものです。一方でもしあなたが新型コロナに感染すると死亡率は80歳代で4.62%、70歳代で1.65%、 65-69歳で1.0%、60-64歳で0.33%、50歳代では0.17%となります(厚労省HER-SYSデータ2021年7月)。以前に比べて致死率は下がっていますが、ワクチンを2回接種すれば95%以上が発症することがなく、かつ発症しても重症化しないことを考えて、どちらを選択するかを考えてください。
(令和3年10月8日)
- Q.43関節リウマチが寛解していましたがコロナ感染後再燃しました。関係ありますか?
関係あるとする報告もありますが、実際に証明することは困難です。まずは、今の状態を再寛解にコントロールすることを第一に主治医と相談してはどうでしょうか。
(令和5年3月29日)
- Q.38関節リウマチなのでアナフィラキシーが怖いのですが、かかりつけ医で注射を受けるべきでしょうか?
関節リウマチだからアナフィラキシーが起こりやすいわけではありません。もちろんかかりつけ医の施設で接種を受けることができれば安心でしょうが、国民のほとんどが短期間に受けるとなると、なかなかそうもいかないと思われます。どの施設も、特に集団接種会場ではアナフィラキシーを想定して準備していますから、集団接種会場で接種を受けてなんら心配ないと考えます。
(令和3年10月8日)
- Q.44現在週に1回エタネルセプト bs を自己注射して治療しています。 先日pcr検査で無症状陽性(ct値30)の判定が出て、自宅隔離をしています。 数日後家族も検査も行いましたが、幸い誰も陽性判定がでませんでした。 感染後日にちが経って、感染力が弱まっていると考えられるのですが、私だけ検出されるということは、コロナの残骸の排出スピードが遅いのではないかと考えました。 現在海外在住で、日本に帰国予定があり陰性結果が必要なのですが、完治後のコロナの排出スピードと免疫抑制剤に影響はあると考えられますでしょうか?
関節リウマチ患者において、あるいは免疫抑制剤の使用者において、ウイルスの断片の排除が健康人より遅いかどうかについての正確なエビデンスは知られていません。いずれにせよ医学的にはCt値が高値になれば感染能力はなくなっていると考えられますが、現時点で法的な問題とはギャップがあると思います。
(令和4年4月5日)
- Q.42生物学的製剤のみを使った治療を受けています。もしコロナになってしまったら生物学的製剤は中止した方がいいのですか?(風邪の時は延期する様に言われています)生物学的製剤の投与日を待って打つぐらい欠かせません。使えない場合どのように対処すればいいでしょうか? 濃厚接触者になってしまいました。生物学的製剤を使用してもよいですか?
どの生物学的製剤を使っているのか、またあなたの関節リウマチがどのような状態であるのかによって変わってきます。したがってどのようにすべきかは主治医、かかりつけの医師にご相談ください。
(令和4年2月24日)
- Q.35新型コロナウイルスは、2週間の潜伏期間があり、2週間待機しなければならないと聞きましたが、膠原病の人はかかったらすぐに症状がでるとも聞きました。膠原病の人でも2週間後に発症するということはありえますか?
膠原病であるから早く発症するというようなエビデンスはありません。普通の方と変わりありません。
(令和3年4月2日)
- Q.41リウマチを薬で治療しています。どのような薬を飲んでいると新型コロナウイルスワクチンに影響がでますか。飲んでいけない薬、飲んだら効果がない薬はありますか?
基本的に新型コロナウイルスワクチンを接種するときに、関節リウマチや膠原病に関連する薬剤について服用、注射しているからワクチンを接種することができないということはありませんし、副反応が強くなることも知られていません。
ただリウマチの治療薬は免疫抑制を起こすために、服用により新型コロナウイルスワクチンの効果を弱めてウイルスに対する抗体が十分作られない可能性があります。このためリウマチの治療薬をワクチン接種前後でどのようにするかについてはいろいろな意見があります。日本リウマチ学会からは以下のような見解がでています
現時点でステロイドや免疫抑制剤がこのワクチンにあたえる影響は十分にわかっていません。通常のワクチン接種の場合、免疫抑制剤やステロイドを中止・減量することはありません。よって基本的には接種前後で免疫抑制剤やステロイドは変更せず継続すべきであると考えます。ただし、リツキシマブ(商品名リツキサン)で治療している場合には、ワクチン接種の時期とリツキシマブの注射の時期との兼ね合いを考慮する必要があります。その他の免疫抑制剤やステロイドの治療についてワクチン接種の前後に具体的にどうするかについては、担当主治医と事前にご相談ください。
(一般社団法人日本リウマチ学会HPより引用)
またバイオ製剤(レミケード、エンブレル、アクテムラなど)の注射をしている患者さんはいつワクチンを打てばよいのかということについても意見が分かれています。現在日本では、ワクチンの副反応なのかどうかわからなくなるので、少なくても同日ではない日にワクチン接種すべきというのが一般的です。
アメリカリウマチ学会ACRからは2021年6月15日さらに2021年8月19日にタスクフォース(専門委員会)の見解として出されたものを以下の表に示します。多くの薬剤について、ワクチンの効果が弱まりウイルスに対する抗体ができにくくなるのでワクチン前後で休薬したほうが良いという見解です。この中でMTX(リウマトレックス)とJak阻害薬(ゼルヤンツ、オルミエント、リンヴォック、スマイラフ、ジセレカ)、ミコフェノレート(セルセプト)、カルシニューリン阻害薬(ネオーラル、プログラフ)については、ワクチン接種後1週間は服用を避ける、アバタセプト(オレンシア)の1回目の皮下注射は前後それぞれ1週間注射を避けるようにとしています。他のバイオ製剤(エタネルセプト、シンポニー、アクテムラなど)については特に変更しなくて良いとしています。それ以外の多くのリウマチの薬剤については特にワクチンのためにやめたり、注射日を変えたりはしなくてよいとしています。ただしこれはアメリカリウマチ学会の委員会の見解であって明確なエビデンス(根拠)があるわけではありません。また委員会の全会一致で決まったことではなく、絶対にこの休薬をしなければいけないということではありません。
リウマチに関する研究成果をまとめるところとして、世界には大きくこのACRと欧州リウマチ学会Eularがあります。現在のところEularからは特段リウマチ薬に関する制限についてのコメントは出ておりません。日本リウマチ学会も前述のように明確に休薬をすすめるガイドラインを出してはおらず、各先生方の個人の考えでリウマチ薬の制限について決めています。したがってここに載せたものはあくまで参考であって、絶対的なものでないことをよくご理解ください。また薬剤の中止・延期はあくまで病気が安定して休薬することが可能な状態に限られます。最終的な判断はそれぞれの主治医の先生とご相談されて決めていただくようにお願いします。
表 (参考)アメリカリウマチ学会(ACR)COVID19 ワクチン委員会の見解
【表はWordpressに記事を作成後、追加いたします】
*ここにはアメリカリウマチ学会の見解を参考資料としてつけました。国内でこれに準拠している施設もありますが、もちろんこれに従わなければならないというわけではありません。また病気が安定していて薬が中止できるであろうと考えられる場合での話です。リウマチ薬を飲んでしまったからといってワクチンの効果が全くなくなるとか、ワクチンを受けてはいけないわけではありません。あくまで参考資料として最終的な決定は主治医の先生とよく相談されて決めてください。★リウマチ情報センターQ&Aに、新型コロナウイルスワクチン接種とリウマチ患者さんたちが服用されているお薬の関係についての問い合わせが多数来ております。上記内容をご理解いただくことで個々の薬剤についての回答は差し控えさせていただきます。
(令和3年10月8日)
- Q.45新型コロナワクチン2回目接種後、手の動きが悪くなる副反応があり膠原病の検査を勧められました。膠原病検査はまだ出来ていませんが、3回目接種は受けて大丈夫ですか? また3回目接種後の副反応の事例はありますか?
2回目までに副反応があった方に3回目を大丈夫だと勧めることはできません。
主治医にご相談ください。
(令和5年6月7日)
- Q.37ワクチンを接種すれば感染から身を守ることができるのでしょうか?
mRNAワクチン2回を接種した人では、接種後の数か月間、80〜90%程度の感染を予防する効果が認められたことが海外から報告されています。それ以降の期間の有効性についてはまだデータがありません。今後発表されるデータを参考にしてください。抗体価が次第に下がることを懸念して3回目のワクチンが今後行われる予定です。
デルタ株に対する感染、発症の予防効果は30%程度落ちる可能性が2021年7月にイスラエルより報告されましたが、重症化を予防する効果はほぼ全ての変異株に対して90%程度認められており、デルタ株に対してもワクチンの有効性がある程度示されています。ただしワクチン接種により新型コロナウイルスの感染を100%防ぐことはできませんので、ワクチン接種後も基本的な感染対策の継続が必要です。(一般社団法人日本リウマチ学会のHPより一部変更して引用)
※詳細な情報につきましては個々人で異なります。主治医とご相談ください。
(令和3年10月8日)
- Q.344年程前から強直性脊椎炎を患い、非ステロイド抗炎症薬を服用していたところ、新たに昨年10月から皮膚血管炎を患い、プレドニゾロンを服用するようになりました。 プレドニゾロン30ミリグラムから始めて、現在はプレドニゾロン12.5ミリグラムとメトトレキサート8ミリグラムを服用しています。 これらの病気と、現在のステロイド及び免疫抑制剤の服用量で、コロナウイルスに感染した場合、やはり重症化リスクが高いのでしょうか。また、ワクチン接種による副作用等のリスクは高いのでしょうか。
新型コロナウイルスがリウマチの患者さんでうつりやすいかどうかについては、現在までのところ(2021年3月)特にリウマチ患者で新型コロナウイルス感染が多いという報告はありません。一方で家族内感染は2倍であるという報告もあります。いずれにしても極端にうつりやすいとは考えにくく、もともとの病気の治療を考えれば今までのお薬をそのまま続けることが最善だと思います。新型コロナウイルスワクチンのリウマチの患者さんへの効果についてはデータがまだありません。しかし今のところリウマチの患者さんでワクチン接種の副作用が高くなるという報告はありません。
(令和3年3月6日)
- Q.30混合性結合組織病(MCTD)と橋本病があります。 現在症状は落ち着いていますが、抗生剤でもアレルギーがあり、アナフィラキシーになった事が何度かあります。
アナフィラキシーに何度かなった方には、ワクチン接種は薦められません。希望される場合はかかりつけの先生にご相談ください。
(令和3年2月24日)
- Q.3210年来、抗核抗体高値が続いています。コロナワクチンの接種により自己免疫性疾患の誘発に繋がる恐れはありますでしょうか。
核抗体価が高い方がワクチンを接種した時に自己免疫疾患を誘発するかどうかについての長期的検討はされていませんので、現時点では明確な回答はできませんが、今までにそうした事実があったという報告はありません。これは今までのインフルエンザワクチンでもなかったことです。一方でインフルエンザなどコロナウイルス感染後に関節リウマチなど膠原病疾患が増えるという研究はあります。
(令和3年3月6日)
- Q.33リツキサンの投与中は抗体が出来ないので、コロナワクチン接種は無意味ですか?
リツキサンによる新型コロナウイルスワクチンについての情報はまだ不十分です。免疫には液性免疫と細胞性免疫があり、ワクチンはこの両者を刺激します。一方リツキサンが抑えるのはこの液性免疫です。インフルエンザの場合であれば、たしかに液性免疫である抗体価の上昇はあまりありませんが、細胞免疫の働きが残っているために完全に抵抗力がないわけではありません。このことを考えると、コロナの場合もワクチン接種が無意味ではないと考えます。
(令和3年3月6日)
