リウマチを知ろう!

リウマチQ&A

Q.10発熱や咳が出て新型コロナウイルス感染が心配なときはどこにかかればよいですか?

新型コロナを心配される場合には、発熱外来、新型コロナ専門外来にかかることでPCRなどの検査を受けることができます。しかし熱が出たからといってみんな新型コロナウイルスではなく、そうではない別の病気の可能性も考えなければいけません。よくわからない場合は普段かかっているリウマチの専門医、登録医の先生に電話などで相談してその先生の指示に従うのが良いと思います。
(令和2年11月25日)

Q.2生物学的製剤、メトトレキサート、プレドニゾロンなどの量が少ない方が新型コロナウイルスにかかりにくいのではないですか?

確かに投与量が少ない方が免疫力の低下が弱くなるため新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス等による感染にかかりにくくなると考えられます。しかしその量がどれくらいなら安全なのかの判断基準はありません。少なくとも、免疫抑制剤を服用されていない方に比べ少しでも服用されている方の方がそのリスクは高いと考えられます。しかしながら、病気が安定していてコントロールされている人の薬の量(維持量)を自己判断により減らしてしまいますと免疫の低下が軽くなること以上に病気が悪くなる危険性が大きいと考えられますから、医師に相談しないで減量することは大変危険です。
(令和2年11月25日)

Q.17リウマチ治療薬はサイトカインストームを抑制する薬や注射ですが、コロナに感染した場合、飲んでいる人と飲んでない人でサイトカインストームを起こしやすいか差がありますか。 また、日頃サイトカインストームを抑制する薬を飲んでいるので、逆にサイトカインストームを起こしにくいという見地はないですか。

今回のコロナウイルス(COVID-19)は、肺の細胞に感染してその細胞内で増殖し、様々な血液の細胞などに働きかけて炎症性サイトカイン(IL-6、TNFαなど)を過剰に産生させ、サイトカインストームとも呼ばれる急性呼吸窮迫症候群(ARDS)という重症肺炎を引き起こします。特にIL-6の過剰産生が深く関与していることがわかってきましたので、IL-6を抑制するトシリズマブやサリルマブといった薬剤がこれらの肺炎に有効であると考えられます。
しかし、実際の患者さんにトシリズマブを投与した報告では、有効という報告もある一方で、効果が無かったという報告もあり、まだ本当に有効かどうか結論は出てません。
またJAK阻害薬もIL-6抑制作用があるため有効性が期待されています(その中でバリシチニブは抗ウイルス薬のレムデシビルとの併用で有効性が海外で示されました)。
しかし、これらの薬剤をリウマチの治療ですでに使用中の患者さんが、COVID-19に感染しにくいのか、感染しても重症肺炎にはならないのか、といった証拠は今のところありません。ただ、これらの抗リウマチ薬を服用していることでCOVID-19感染を起こしやすい、重症化しやすい、という情報もありません。
したがって、COVID-19が蔓延している現在も、リウマチの治療(生物学的製剤やJAK阻害薬も含めて)しっかり継続すべきとされています。 現在日本リウマチ学会が、全国の主要施設でCOVID-19に感染したリウマチ性疾患の患者さんの情報を集積して、それらを明らかにするための研究を開始しています。まだ症例を集めている段階で、解析には至っていませんが、今後これらのデータを使ってIL-6やTNFαの阻害薬、JAK阻害薬の服用がCOVID-19感染にどのような影響を与えるのかが少し明らかになることが期待されます。
(令和3年2月5日)

Q.4関節リウマチに関する医療費が高額で困っています。 関節リウマチに罹患した方々が、医療費の面でどのようにされているのか、 特定疾患の医療費助成が受けられれば、医療費の負担は減るのかなと思うのですが、特定疾患の医療費助成を受けられている方もいるのでしょうか。

残念ながら関節リウマチは特定疾患扱いにはなりません。これは医学的ではなく政治的な判断です。ただし血管炎を伴うような悪性関節リウマチや、シェーグレン症候群など疾患を合併している場合には、特定疾患として一部処理される可能性があります。
(令和4年2月)

Q.1セカンドオピニオンは、海外では一般的になっていると聞きますが、日本でも普通にとることはできるのでしょうか。 セカンドオピニオンを主治医に申し出た際、一般的にどのような流れになるのか教えてください。

セカンドオピニオン制度は、すでに確立されたもので、大きな病院であればまず自費診療扱いで行っておりますし、患者さんからの希望であり、これを現在の主治医が拒否する権利はありません。
セカンドオピニオンを求められた医師は、検査や治療はせず、同じ検査結果からどのような治療や検査を選択するかを考えて説明するのが役割です。診療が委譲されたわけではありません。ただ、ここのところがよく理解できていないことが多いのも事実ですが、しだいに一般的になってきています。

Q.2地震などの災害にあった場合に、どうすればよいでしょうか。

リウマチ患者さんの防災は、基本的に一般の人と同じなのですが、特に副腎皮質ステロイドやメトトレキサートなどの飲み薬や生物学的製剤などの注射薬は、数日分もしくは一週間分など余分にもっておくことが望ましいです。大きな災害が発生すると、かかりつけの医療機関を受診することができなくなり、薬が入手できなくなる可能性があるからです。最近のいくつかの大震災の経験から、薬が現地に到着し配布されるのに1週間前後かかることがわかっています。主治医以外の医師の診察も受けられるよう、ご自身の病状を把握しておくことが必要です。服用している薬の説明が出来るように、薬のメモを財布に入れておいたり、携帯電話のカメラで写真を撮っておくといざというときに役立ちます。急に非難が必要になったときでも、財布や携帯電話は所持している場合が多いからです。

被災時には、避難所での生活が余儀なくなる場合も想定されます。避難所の狭い空間で過ごしたり、車の中で寝泊まりすることもあります。水などの供給が一時的に停止することもあり、健康な人でも感染症などの病気にかかりやすくなりますので、関節リウマチの患者さんは、普段の生活以上に予防を徹底することが大事です。

エコノミークラス症候群などの血栓症への注意も必要で、適度に動くことを心がけてください。

あわせて、緊急時の連絡手段を知っておくことも重要です。公衆電話は、通信規制対象外の回線なので、比較的かかりやすい場合が多いです。その他、NTT災害用伝言ダイヤルや各種携帯電話の災害用伝言サービス等の使い方を知っておくと便利です。

詳しくは、日本リウマチ財団ホームページで災害時の備えとなる指導せんやご自身の治療などが記載できるリウマチ患者支援カードを公開していますので、ダウンロードして書いておくと便利です。参照ください。また、関節リウマチの薬の写真も掲載していますので、ご自身の薬がわからなくなったときにお役立てください。

Q.3リウマチの症状が疑われる場合、財団のサイトに出ているようなリウマチの専門医(登録医)に行った方が良いのでしょうか?整形外科でリウマチも診れるような事を書いている所がありますが、そういう所でも診断・治療してもらえるという事でしょうか? 専門医がいられる所は大きな病院が多く、敷居が高い感じがします。

関節の痛みやこわばりを主たる症状とする病気をリウマチ性疾患といい、実にさまざまな病気があり、非常に多彩です。リウマチ性疾患の発病初期に共通する症状である関節症状がみられた場合、多数あるリウマチ性疾患から、具体的にどの病気が発病しつつあるか検討する必要があります。発病の初期はリウマチ性疾患として典型的な病像を呈することが少なく、リウマチ性疾患に特化した専門的な診察、画像検査を含めた各種臨床検査が行われ確定診断されるのが一般的です。そこで、かかりつけ医にご相談頂いて、もしリウマチ性疾患が疑われるようならリウマチ性疾患を専門的に診療している医療機関に紹介して頂くか、あるいは、日本リウマチ財団リウマチ登録医、日本リウマチ学会リウマチ専門医、あるいはいきなり大きな病院でなく、日本整形外科学会認定リウマチ医の中から、近隣で開業されているクリニックや医院などをまず受診されることがよいでしょう。整形外科医の中にもリウマチを専門にしている先生もいらっしゃいます。これらリウマチ性疾患を専門的に診てもらえる医師名(一部医療機関名を含むこともあります)は都道府県別に、それぞれの団体のホームページから検索できます。(令和2年10月)

Q.5関節 リウマチと診断され3年目です。メトトレキサート、プレドニン、ケアラムの服用で痛みは少しになりましたが腎臓が多少弱いということもあるので、生物学的製剤を勧められていますが費用がかかります。皆さんどのようにして費用をまかなっているのでしょうか?

医療費については65歳以下は3割が自己負担となります。関節リウマチは国の定める難病(指定難病)ではないため、この3割はご自身でお支払いいただくことになります。但し、高額医療制度に当てはまるか、何か受けられる福祉制度等はないか、などは病院のソーシャルワーカー、自治体の福祉課等に一度ご相談されてもよいかと思います。
また、最近はバイオシミラーという生物学的製剤の後発品も使用可能で、従来より安価に使えるようになっています。関節リウマチや薬剤の副作用による将来的な影響を考えると、生涯の医療費は生物学的製剤を使用して関節リウマチをよい状態にしたほうが経済的であるとの可能性もいわれています。 腎臓の状況と照らし合わせて主治医の先生に再度ご相談ください。 

(令和4年8月)

Q.6難病指定になる関節リウマチとそうでないものとどう違うんでしょうか。教えてください。

関節リウマチには一般的な「関節リウマチ」と「悪性関節リウマチ」という2つの疾患があります。
「悪性関節リウマチ」は、「関節リウマチ」の患者さんに、血管炎をはじめとする関節外症状の併発を認め、難治性または重篤な病態を伴う疾患、と定義される日本独自の疾患名です。
「悪性関節リウマチ」は、国の指定難病となっており、医療費の公的負担対象疾患ですが、「関節リウマチ」はそのような対象ではありません。
ご自身の状態が「悪性関節リウマチ」に該当するのかは、主治医の先生にご確認していただければと思います。

(令和5年6月)

Q.24昨年の9月に関節リウマチの診断を受け、メトトレキサート2mgを週に2日3カプセル服用しています。診断を受けたときにこれから妊娠は諦めてくださいと言われたのですが、2人目を諦められず、思い切って相談しました。すると先生は「自己責任ではありますが、一緒に期間を決めてやっていきましょう」と言ってくださいました。それと「メトトレキサートは妊娠が判明したら、中断してください」と言われました。メトトレキサートを服用する患者さんへの第3版では、それでは流産や奇形を誘発すると書いてありますが、服用を続けて大丈夫なのでしょうか。セカンドオピニオンで相談しようか悩んでいます。

メトトレキサートは妊娠中あるいは妊娠する可能性のある患者さんには投与しないことになっています。妊娠希望がある場合には、メトトレキサート中止後3カ月以上あけれることが必要です。関節リウマチの状態にもよりますが、メトトレキサート中止後から出産後までは、比較的胎児に影響が少ないリウマチ治療薬を投与することが多いです。別の医師にご相談されたほうがよいかと思います。

(令和4年3月)

Q.28先日出産をしました。妊娠前から、エンブレル、タクロリムスを使用していましたが、妊娠後期より、エンブレルのみとしタクロリムスの服用を中止していました。 完全母乳での育児ではありませんが、事前に病院の薬剤師さんに子供の予防接種への影響を調べてもらった結果、エンブレル投与にあたり、生ワクチンの接種を遅らせるように(ロタウイルスの予防接種は受けない)との回答をもらいました。 出産後、リウマチの状態が悪化しており、タクロリムスの服用を再開したいと考えています。タクロリムス服用を追加することで、子供の予防接種に更なる影響を与えますか。

母乳を介した胎児のタクロリムスの血中濃度はごくわずかです。そのため、子供の予防接種への影響はほぼないと考えます。従って、エンブレルの影響を主体に考えて頂ければと思います。

(令和5年6月)

Q.17夫がリウマトレックスを服用しているんですが、妊娠しました。夫がリウマトレックスを服用して無事出産された方はいますか?

メトトレキサート(商品名リウマトレックス)を男性に投与する場合は、投与中および投与終了後3か月間は配偶者が妊娠を避けるようにと、薬剤の説明書である添付文書に記載されています。しかし、海外の報告ではメトトレキサートを内服中の男性の配偶者が妊娠しても、流産や先天性奇形の率は上昇しなかったとされています。日本人で違いがあるのか不明ですが、一般的には女性が内服して妊娠した場合に比べて、危険性はかなり低いと考えられます。産科の先生にもご相談してみてください。

(令和元年5月)

Q.188月に出産しました。関節リウマチの症状が出始めて、2年目になります。 妊娠前に薬を飲み始め、サラゾスルファピリジンを飲み始めました。その後妊娠中も飲んで出産に至りました。授乳中も変わらず飲んでいいと主治医から話があり授乳を続けています。しかし、子どもの予防接種は100パーセント安全ではない、母乳を中止したらいいと言われました。薬をその間飲まない方法もあると言われ、母乳を続けて薬を休もうかと思ってます。しかしやめて大丈夫なのかそこも不安になっています。 薬を飲んで授乳を続けてはダメなのですか。 そして薬を辞めたらやはり進行しますか。

サラゾスルファピリジンを内服中の授乳について、その説明書(添付文書)には、母乳中に移行するため中止することが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を中止すること、とあります。しかし、最近の厚生労働省の専門医による検討では、サラゾスルファピリジンの授乳中の安全性は、「安全」、「比較的安全」、「中等度安全」、「有害の可能性」、「禁忌(使用してはいけない)」の5段階のうち真ん中の「中等度安全」となっており、実際には影響が少ない場合がほとんどだと考えられます。 ワクチン接種については、TNF阻害薬という注射薬を妊娠中に使用していた場合には赤ちゃんの免疫の状態が低下することがあるため、BCGや麻しん、風疹などの生ワクチンは生後6か月以降に行うことが勧められています。しかし、サラゾスルファピリジンを内服中の生ワクチンに対する影響については特に報告はなく、免疫を抑える薬剤ではないため、授乳中であったとしても基本的に影響はない可能性が高いと考えられます。主治医の先生とよく相談されてください。            
 (令和元年9月)

Q.19関節リウマチと診断され8年が経ちます。 当初はリウマトレックス等の内服治療をしてきましたが、現在はオレンシアの注射のみとなりました。 年齢的にも妊娠を望んでいるのですが、オレンシアを使い続けたまま妊娠しても大丈夫でしょうか?

一般的に、オレンシアは妊娠中には安全性で確立されていないため勧められません。関節リウマチの治療は多くの選択肢があり、妊娠中も継続できる治療法がありますので、妊娠の希望があれば主治医と早めに相談されることをお勧めします。
(令和2年2月)

Q.22現在妊娠5-6週の初期です。 妊娠が判明してから、アクテムラを中断して1ヶ月経ったところで胸膜炎が再発して、CRPが9.3まで上がりました。 妊娠初期の器官形成期に母体の炎症反応上昇は、胎児に影響ないでしょうか?

関節リウマチの患者さんの病気の勢い(活動性)が強いと妊娠しにくいという成績はでています。
妊娠された方の初期の炎症に関しての器官形成の影響についてははっきりとした成績はないと思います。
しかし、活動性が高いと、早産になったり、赤ちゃんの発育に影響する(低出生体重)割合が高くなるという成績はありますので、妊娠を継続していくためには炎症を抑えた方が良いと思われます。

TNF阻害薬(シムジアなど)が使えるようならそれが望ましいとは思います。
アクテムラに関しては、確実に安全と言い切る症例数は揃っていないので多くの関節リウマチの患者さんは妊娠が判明したところで中止しますが、質問者様のように中止することで悪化してしまった患者さんや、関節リウマチ以外の患者さんで、患者さんの同意を得て妊娠中も使用継続している症例の報告も少しずつされておりかなり多くの症例数で先天異常に関しては、アクテムラを使っていなかった患者さんと同等で問題がなかったことが報告されています(ただし、前述したように確実といわれる症例数ではありませんので担当の先生と話し合って決める必要があります)。
私の診ている患者さんでも妊娠および授乳期間中ずっと注射を続けていた患者さんがいますが、問題なく出産されました。
(令和2年10月)

Q.23妊活をしようと考えています。 MTXを飲んでいたんですが、結婚、妊娠に控えてプログラフへの切り替えを行うことになりました。しかし、ネットで検索するとプログラフについての記載があまりなく、妊活、妊娠中、胎児への影響はどうなのかが想像できません。使用についても△ラインであり、安全性はどうなのかが気になります。 本当に妊活中、妊娠中も飲めるのか、胎児にはどれくらい影響がでるのか、授乳できるのかなど教えてください。

プログラフは腎臓移植後にも広く使われており、妊娠中も継続された例が報告されており、先天奇形の発生率が一般妊娠の場合の3.5%と変わらないということで現在では妊娠中に免疫抑制薬が必要な患者さんで使われることの多い薬剤となっています。服用する場合は、妊娠中の血圧上昇、糖尿病発症などに注意が必要です。リウマチの活動性が高い事自体も胎児への影響があることが報告されているので、使うことのリスクと使わずに活動性が高いことのリスクのバランスを考えて、関節リウマチの程度から配偶者とともに主治医と相談して使用を決めることをお勧めします。母乳への移行もありますが、授乳にて赤ちゃんが摂取する量はごく僅かであり、継続も不可能ではありません。欧米のガイドラインでは妊娠中、授乳中の使用は許容されるとされていることが多い薬剤です。プログラフの添付文書も参考にしてください
(令和4年2月)

Q.25妊娠中と出産後もエンブレルをずっと注射してきました。 子供のロタウィルス(生ワクチン)接種は問題ないのでしょうか? 色々なHP見ると出生児も生まれてから半年は生ワクチンを控えるべきとありますが、医師、製薬会社各者意見に相違があり迷っています。

エンブレルの医薬品添付文書では、ワクチンに関して、「妊娠後期に本剤を投与した場合は、乳児の生ワクチン接種で感染のリスクが高まる可能性があるので、少なくとも生後6か月頃までは生ワクチンを接種しないことが望ましい」と記載されております。これを参考に各患者の状況を考えて最終的に担当医が判断することになります。
(令和4年6月)

Q.26産後1ヶ月過ぎた頃から関節の痛みが出てきたので、リウマチ科で血液検査したところ、リウマチ因子、抗CCP抗体が共に陽性でした。 母乳育児をしていたのですが、生理が再開したら症状が和らぐと見かけたのですが、本当でしょうか?

一般的には妊娠中は関節リウマチの症状が落ち着く傾向になり、出産後に悪くなるといわれていますが、生理との明らかな関係は不明かと思われます。

(令和5年1月)

Q.27シムジアを使い、出産しました。母乳をあげながらシムジアも続けています。母乳による赤ちゃんへの免疫抑制剤の影響はほぼないことは知っていますが、母乳に含まれる免疫はどうなのでしょうか。助産師さんからは、母乳をあげることによって子どもに免疫を与えることができると聞きましたが、免疫抑制剤を使用している場合は、母乳に免疫を期待することはできないのでしょうか。現在、ミルクとの混合育児のため、母乳を与えるメリットがないならば、ミルクだけにしたいとも考えています。

母乳には免疫グロブリンやリゾチームなど様々な感染制御に関する物質が含まれます。
中でも、免疫グロブリンのひとつであるIgAは、人の腸管、気道などの粘膜や母乳に多くあって、局所で細菌やウイルスを排除するなど感染の予防に役立っています。
シムジアは炎症を引き起こす主要な体内物質を押さえるお薬であって、免疫に関与するIgAを排除したり、母乳に含まれるIgAの効果が減弱するようなことはほとんどありません。
補足ですが、人工乳も母乳の組成に近づけるため、ラクトフェリンやビフィズス菌増殖因子等が含まれております。
人工乳に比べ、母乳は消化吸収が良く、内臓への負担も少ない点からも、母乳を与えるメリットは十分あるかと思います。
(令和5年6月)

Q.20メトトレキサートを服用して7年ほど経ち、症状は安定しています。 しかしこの度、乳ガンであることが分かり手術をする予定です。術後にホルモン治療が始まりますので、それまでに受精卵の温存凍結を考えています。 メトトレキサートを服用停止後、3回月経が来ないと妊娠してはいけないと聞きました。 それは具体的に、卵子そのものに影響が出るからなのでしょうか? もしくは、着床し成長していく段階で影響が出るのでしょうか? 治療スケジュールがあり、卵子そのものに影響があるのでしたら温存も難しくなってきますので、ご教示いただければと思います。

日本リウマチ学会が発行している「メトトレキサートを服用する患者さんへ」という冊子(第3版)によると、「少なくとも1月経周期が終了するまで妊娠を避けるように」とあります。すなわち、1回月経が来れば、その後は妊娠はしても良いと言えます。もちろん、3回月経がきてから妊娠する方がより安全だとは思います。メトトレキサートは抗がん剤であり、卵子を含めた正常細胞にも障害が及びます。受精卵の分割や、細胞の増殖にも影響があり、奇形や流死産の原因になりますので、妊娠中破絶対に服用してはいけません。乳がんの治療を控えておられるとのことで、卵子の温存を早急にする必要があるようですので、まずはすぐにメトトレキサートを中止し、1回以上月経がきてから卵子保存を行うのが良いでしょう。メトトレキサート中止後に関節リウマチの活動性が出て関節痛が悪化したら、従来ではステロイド(プレドニゾロンなど)少量投与で対応するところですが、一部の抗リウマチ薬や生物学的製剤は、妊娠中も使用可能なものがありますので、関節リウマチの治療については主治医とよくご相談されたら良いと思います。
(令和2年6月)